必死に、ボロボロに。 | 桂米紫のブログ

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米朝一門の落語家、四代目桂米紫(かつらべいし)の、独り言であります。

必死な登場人物を演じるには、演者も必死にならないといけないと思いますし、ボロボロの登場人物を演じるには、演者もボロボロにならなければいけないと思います。

もちろん一口に「落語」と言っても、色んな側面や切り口がありますので、演者によって捉え方も様々でしょうし、「涼しい顔で必死な人物やボロボロの人物を上手に演じきる」というのも、芸としてすごいことだと思いますが……僕は演者が「虚実皮膜のギリギリのところまで迫る」ところに、ドキュメンタリー的な面白味を感じるのです。

そういう意味に於いては「手紙無筆」も「崇徳院」もめちゃくちゃしんどいネタではあるのですが……でもその必死さやボロボロさが、登場人物たちの心情とピタッと重なった時の爽快感は、何ものにも代え難いものがあります。


今日はご陽気なお客様に助けられて、この“ある意味しんどい二席”を、とても気持ちよく演じさせて戴くことができました。

本日の『米紫の会』にご来場くださったお客様に、心より御礼申し上げます。


3月30日(木)は『米紫の会 番外編』が、4月20日(木)は『米紫の会 vol.69』がございます。
どちらも動楽亭にて、19時開演。予約2000円、当日2500円。

ご予約は、
090-6678-7279(留守番電話対応・SMS可)
beishi-katsura@softbank.ne.jp
米紫落語会事務局までお願い致します!