プライドを捨て外へ出よう | 桂米紫のブログ

桂米紫のブログ

米朝一門の落語家、四代目桂米紫(かつらべいし)の、独り言であります。

今日は珍しく、お外で落語を喋ってきましたヨー。

あ…基本的に、お屋根と壁の無い場所での落語のお仕事は、お断りさせてもらってますヨ。
あんまりお外での落語の仕事が殺到しちゃうと、声がガッスンガッスンになっちまうから!

でもたまにはこういうお仕事も、ペーペーの頃を思い出して楽しいもんです。


ペーペーの頃には“お外のお仕事”というのが、ちょいちょいありました。

ほとんどが落語のお仕事じゃなく、イベントの司会でしたけど。


やりましたよー。『ペットボトルロケット大会』の司会。

100人近くの出場者が、お手製のペットボトルロケットを飛ばすってイベントで、その進行兼実況をするんですけどね。

もう30人を過ぎた辺りから、「おーっと、飛んだー!」以外のコメントというのが、見つからなくなってきますよ。

たまに不発の人とかいると、思わず「よっしゃあ!!」って叫んで、怒られたりなんかして。


それから、やりましたねー。『金魚すくい大会』の司会。

『大会』と言っても、“地域のお祭り”レベルの小規模な『金魚すくい大会』ですから、金魚が入ってるプールもちっちぇえんです。

そんなちっちぇえプールに、子供達がわーっと群がって金魚すくってる訳ですよ。

すくってる子供達は金魚すくう事に必死だし、すくい終わった子供達は自分がすくった袋の中の金魚ばっかり見てるし、次にすくう子供達はまだ後ろの方に待機させられてるし…。

つまり、いくら頑張って実況したところで、誰も見てねぇし聞いてもいねぇんですよね!

あんなに「ひょっとして、自分はいらない子なのかも…」と感じたのは、幼少の頃に母親から「アンタは橋の下で拾ってきたんやで」という、定番のジョークをかまされて以来でした。


今はそんなキツい、屋外での実況のお仕事は、お断りさせて戴いています。
あ…いや。ご予算次第で、ホイホイ引き受けてしまうかもです。


今日は屋外にも関わらず、よく笑って下さる良いお客様でしたヨ。


画像は、本日の僕の楽屋です。

風が吹いたら、お着替えが丸見えでした。