夏ならば、さほど辛くもない(いや。景色が変わらないから地味にキツいが)が、冬になると雪の状態によっては難易度が上がる。
たくさんの足跡があったから、誰か先に歩いてる、トレースがあるな。と安心したが、よく見ると全部、エゾシカだった。
最初の急登を超えると、景色が開けてなだらかな平地になる。
やがて奥にはまっしろな羅臼岳が、雄大に聳えるのが見えてくる。
やっと見えてきた目的の山頂が、ひどく遠くに見えて、軽く絶望するのはいつものこと。
遠くに見えていても、いざ、夢中になって歩き続けていれば、いつのまにか頂上は近くになっている。
そのことを知っているはずなのに、いつもいつも同じ感情になる。
今、ここにある体感は、過去の経験など役に立たないことを教えてくれる。
辛いものは、辛い。
何度、味わっても。
振り返ると街は遥か遠く。
マイナス7度。
なのに吹き出す汗。
すぐに乾く喉。
鳴り出す腹。
生きてる。生きてる。生きてる。
たった今、生きてる最中。
道がなくなってしまった冬の山は、どこへ進めばいいか、すぐにわからなくなって怖い。
進むべき道がわからないことは、こんなにも不安なものなのか。
いよいよ、最後の上り坂である。
もう誰も声を出さなくなった。
動物たちの足跡もすっかり途絶えてしまった。
息も絶え絶え、ようやく上り詰めた先には、絶景が待っていた。
夏は、木々や草に覆われて見ることのできない、山々や海。
ちょうど雲の切れ間の時間だったから、美しい羅臼岳を拝むことができた。
今度はいつ、登れるのか。
すっかり、遠くなってしまったあの素晴らしい景色。
国後島もくっきりと見える。
風はない。
海は凪いでいる。
風が少しでも吹けば、全く前が見えなくなって、こんな小さな山でも簡単に遭難するであろう。
人は、どれだけ視覚優先なんだ。
辺りを見渡して、今の自分の居場所を知る。
いい大人がそれぞれにソリを背負って(スキーやスノーボードではないこのかっこ悪さよ😭)、ひいひい言いながら山を登る。
この週末は、バックカントリーに行くんだ!(ソリでね)
あまりのバカバカしさに笑いが込み上げてくるが、ここからが本当のお楽しみ。
これを味わうために!
私たちは、この辛い道のりを頑張ってきたのです!
帰りは上りの半分の時間で済む。
しかし気を抜くと、崖下に真っ逆さまだ。
気を引き締めて、⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!
9:40 登山口
11:29 英嶺山山頂(休憩1時間)
13:27 登山口
往復歩行距離4.5km















