気温マイナス4度。
野付湾は、例年よりも更に全面結氷する時期が遅くなっている。
慌ただしい新年の行事を終え、心身を元に戻すべくトレッキングに向かった。
吸い込む空気が肺を凍らせるようなこの感じ。
どこまでも広がる空。
私の他に人は一人もいない。
波が消されて、風もほぼなく静かな湾では、枯れ草が微かに擦れる音がする。
それはカサカサでもなく、サラサラでもなく、ギュイギュイという不思議な音だった。
良く晴れた風のない日は、鳥たちの気配も薄い。
吹雪や台風の日なら鳥たちは、波打ち際を忙しなく飛び回っていたのに。
彼らにとって嵐は、荒々しい波が餌を運んで来る恵みの天候なのだろう。
冬の時間は、ゆったりと流れる。
西の地平線を遮る知床連山を下から仰ぎ見ていると、いつもあの山々のいくつかのてっぺんにいたことが信じられない。
手前は武佐岳、奥に斜里岳。
遠くから見ると絵画のような平坦さであるのに、あの中を分けいって歩いていると、臨場感が上がるのだ。
私の歩みを遮る斜度、荒れた道、上がる心拍数。
そういったものが、否が応でも生きていることを実感させる。
あの時は、美しいと感じる暇もなく、命を使い切ることに夢中だった。
11:00 ネイチャーセンター
12:05 トドワラ
12:35 ネイチャーセンター
往復歩数 8000歩








