膝と腿 | 想像と創造の毎日

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自分で撮影しております。

  つい2~3年前まで、仰向けになって寝て、足を真っ直ぐに上に上げようとすると、膝がピン!と伸びなくなっていた。

  

  立っているときの姿勢は、自分では膝が伸びていると思っていた。


  しかし登山で筋肉痛を繰り返して、前腿(大腿四頭筋)が鍛えられると、寝た時に膝を真上に伸ばせるようになった。


  自分のどちらの母親も最近は膝を痛がり、通院したり手術したりしている。

  変形性膝関節症である。


  私も登山初期は、膝の痛みがあった。

  しかしトレーニングを重ねるに連れ、その痛みはなくなった。(疲労による痛みはたまにあるとしても)


  変形性股関節症を防ぐには、大腿四頭筋の筋トレが重要だそうだ。

  前腿の筋肉は、膝関節への負荷を和らげるクッションとしての役割があるという。


  冬にはやはりその部分は衰えるのだが、春が来て、登山トレーニングを重ねると、膝が伸びているという感覚が立っているだけでわかる。

  筋肉が弱っている頃は、まっすぐにしているつもりでも、少しだけ曲がっているのだ。


  膝が伸びると前腿は、固くなっているのがわかる。

  同時に意識しなくとも、お尻が上に上がり(もとい、ケツの穴がしまり)、下腹部が上に押し上げられ、内臓が内側に仕舞われる感覚があり、肩がすっと下へ下がる。


  姿勢がいい。ということは、こういうことか…と、実感するのだった。


  ただ問題は、登山での上りは太腿のトレーニングにはなるが、下りにおいての膝への負担が大きくなるということだ。


  重力に任せるまま、足を前下に出せばいいから一見すると楽なのだが、何も考えずに降りると徐々に膝が痛くなる。


  登山の技術は実は下山にあると思う。

  高齢の上級登山者は、上りは遅いのだが、下りが圧倒的に速い。

  スッスッと軽やかにリズミカルに降りて、初心者のようにスピードに任せて、どしどしと雑に地面に足を付けることがない。


  ただ登って降りる。

  それだけのことが、こんなにも難しいことなのかと最近はよく思う。


  体力の温存の仕方も、経験がモノを言う。

  経験の少ない人は、最初は体力があるから、速く登るが、後半に余力がない。

  小股で一定のリズムで、少しづつ少しつづ焦らず上ることが重要だ。


  なので、初心者は上級登山者についていくと、わりと楽に登ることができるだろう。

  前に羅臼岳に登ったときに、ガイドさんが着いている初心者と見られるツアー客がいた。

  私たちよりも何度も休んでいて、追い抜かしもしたのに、最後には同じ時間に登頂した。


  それはガイドさんが、その山を知り尽くしていて、ツアー客の体力や技術に応じて、休む頻度、場所を水分補給、行動食摂取のタイミング、量を的確に指示し、そして客を焦らせないように優しく声をかけ、風景の良い場所で心を落ち着かせるなどして、体力面はもちろん、精神的にもしっかりとサポートできる技術があるからなのだろう。


  なので、登山中にツアーガイドに会ったときは、なるべくそこに着いていくと大変勉強になる。(←ズルい)


  しかし山は本当に良いものだ。

  シーズン始めは、辛くてキツくて、登山口からブルーになるが、経験を重ねていくと、体は必ずその努力に応えてくれる。

  まさに天然のジム。

  トレーニング器具は、岩と木の根とザレた砂地やときに滑りやすい泥道、川。

  そしてそこはジムのように閉ざされた空間、人工的な音楽ではなく、限りなく開けた空と鳥や虫や風川のせせらぎの音の世界だ。


  今日の武佐岳も青空の下、その悠然とした姿でどっしりと構えている。


  命にはいつも、ほんの少しの辛さが必要だ。

  楽なばかりでは、汗のかきかたすら、忘れてしまう。