それからすぐに、珍しいお客様がいらっしゃいました。
たぶん、以前から気付いてはいたのでしょうが、この脂身には背が届かなかったのでしょう。
今、雪は、ちょうどいい高さまで積もったのです。
ピーン!と脚を伸ばして、必死に脂身を食べている様子は、とても可愛らしいのですが…
思わぬ珍客に、コガラさんも戸惑っているご様子。
おいおい。
どう考えても食べ過ぎだろ!
小鳥たちが、心配して何度も近付いてくるのですが、ここはもうエゾリスさんの独壇場です。
窓を開けて、コラー!と叫ぶと、一瞬ビクッ!と身体を震わせるのですが、どうせ俺は可愛いんだから、追い払われないだろう。という自信で(?)、軽く私のことなど一瞥をなさり、再び食べることに熱中しています。
エゾリスは、クルミなどの木の実しか食べないと思っていたのですが、案外肉もいけるようです。
その後、空っぽになった網にシマエナガたちが群がっていました。
ちゅるる、ちゅるる、と囀りながら、網にほんの少し残っているだろう脂身を舐めるようにして、しはらくしがみついておりました。
昼間は少しずつ、長くなっていますが、まだまだ冬はこれからが本番です。
あと何度、吹雪くのだろう。
この寒さがあとどのくらい続くのだろう。
界隈では、風邪じゃないとされる風邪を引き起こすとされる病気が流行っていると騒いでおります。
あなたたちを見ていると、明日は我が身。と思うのですよ。
いえ。そうじゃない。
あなたたちはここがなくても、その家も服もその身体に内包して、厳しい寒空の下を食べ物を探して駆け巡ることができるのです。
あなたたちの逞しさや潔さを眩しく感じるのです。
自分が生きるための食べ物を私は、自分で採ることができない時点で、すでに不自由で奴隷のような存在なのでした。
あのさ?あなたたちは、風邪をひく?
あなたたちも、その持ち物を持たない自由さで、病気が死へ直結させる残酷な自然の奴隷なのでしょう。
私はお金の奴隷で、あなたたちは自然の奴隷。
でも、自然の神様の方が、なんだか優しい気がします。
だって自然の神様が用意してくれる土のベッドは、まっすぐに新しい命に生まれ変わらせてくれるのですから。
物事を分けることをしないシンプルさで、はじめからあなたたちは時間からも物質からも解き放たれているのだね。
愛おしさを上回るせつなさに胸がぎゅっとなる。
それを味わってなお、私は感情の生き物でありたいと願うのでした。

