スナップショット | 想像と創造の毎日

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写真は注釈がない限り、
自分で撮影しております。


スナップ写真(スナップしゃしん)は、
下準備その他特にせず、
日常のできごとあるいは
出会った光景を一瞬の下に撮影する写真
正しくはスナップショット。                                
                                  ーWikipediaよりー



写真を取り始めて、何年になっただろう。
約三年ほどだろうか。
相変わらず、カメラやレンズの仕組みのことも、
基本的な撮影の技術もよくわかっていない。

田舎に住んでいるせいもあるけど、
風景や動物を撮ることが多い。
それらを撮るには基本、
待つ。という姿勢が大事なのだと思う。
空や風の様子、
そして動物たちの営みは、
じっと待って眺め続けることで、
シャッターチャンスをものにできる。

せっかちで飽き性の私は、
待つことが苦手だ。
なので、フラフラと目的もなく
ドライブしたり、
散歩している途中で目に止まったものに
シャッターを切る。
わざわざこれを撮ろう!と思って、
準備をしたり、待ったりなどは
あまりしない。
そう考えると私の撮る写真は
風景写真というよりも、
スナップ写真に近いのだとも思っていた。


梁丞佑さんという写真家さんを

今月のアサヒカメラという

雑誌で初めて知った。


彼は1966年に韓国で生まれ、
反日教育の中で育ったのだという。
しかし、学校で教わる日本人のことと、
日本の植民地時代を過ごした
自身の母親から聞く日本人の話には
隔たりがあった。
それから、彼は学歴主義の
韓国の教育から落ちこぼれ、
いわゆるチンピラになる。
その後、勢いで日本に滞在することになり、
写真の学校に入る。
それから好きな歌舞伎町を撮り続け、
昨年、日本の主要な写真賞の
ひとつである土門拳賞を受賞した。

梁丞佑さんは歌舞伎町の人たちを

撮るにあたって、

まずはじっくりその人たちの

懐に入ることを意識するのだという。

ヤクザもホームレスも

28mmレンズでぐぐっと寄って撮る。

ゴミのほとんど落ちていない
日本の街の清潔さに
はじめは感動したものの、
そのうちに居心地が悪くなったのだという。
そんなときに出会ったのが、新宿歌舞伎町。
吸い殻とポイ捨てと空き缶が
ゴロゴロと転がる様子に
梁さんは居心地の良さを感じて、 
この街が大好きになった。



好きなものを撮る。

心惹かれたものにレンズを向ける瞬間は
大袈裟だけど、至福の時だった。
カメラを持たなければ、
見ようとも気付こうともしなかったことは
たくさんあったんだと思う。

カメラがなければ、
通り過ぎただけの景色たち。

カメラがなければ、
自分だけの解釈の世界で、
傲慢さから狭いままだっただろう視野。

思いついたまま。
そのときの感性に任せて、
闇雲に撮ることが
かっこいいんだと思っていた。

だけど好きなものだからこそ、
丁寧にゆっくりといたわるように
準備をする。
瞬間を見逃さないために
心を整える。

情景に揺らされる心で撮る。
ファインダーの中の世界だけが、
常識も倫理も時間も空間も
技術も知識、言葉さえも飛び越えて、
いつも自由であるような気がした。