粘 膜 | 想像と創造の毎日

想像と創造の毎日

写真は注釈がない限り、
自分で撮影しております。

ジメジメと降り続けた雨のあと。
あまりにも毎日が雨なものだから、
眩しい光から隠れるための
草場の影への帰り道を
忘れてしまったんだな。
あれは、干からびて張り付いた
夏のミミズたち。
アスファルトの墓場。

ここ何週間も雨らしい雨が
降らなかった。
泣くのをずっと我慢していた空が
抑えきれなくなった感情を
一気に溢れさせる強さの雨。


雪になる前の温かい雨を
楽しむようにキミはいた。
軒先で雨宿りの必要もないのに
雨を避けるように佇んでいる。

全身の粘膜を守る渦巻きの殻。
目も頭も足も、どこにあるのか
よくわからない。
オスなのかメスなのかの区別もない
曖昧な身体。
だけどそれは、
私の身体の中にもある原始の命の形。



生き物は水で出来ている。
湿っぽくて生ぬるい場所は
命がぎゅうぎゅう詰めになっていた。
心地良い居場所を守るために
それは依存と排除を繰り返している。

無防備な粘膜が街灯の下で
キラキラと光る。
うねるように脈打つ触覚に
鳥肌が立つ。

なぜだろう。
気持ち悪いと気持ちいいは
正反対の意味なのに
とてもよく似ている。

粘膜はその時を待ってる。
身を守るための気持ち悪さを
麻痺させてくれるような官能の日を。

乾かないようにと
雨で湿らせながら。