息子とその友人を迎えに行きます。
今日の車中は
なんだかただならぬ雰囲気でした。
疲れているんだな。
そう思ってもいたんですけど、
友人のバイバイ!の声にも
反応しない息子に
私はついつい言ってしまいます。
「挨拶ぐらいしろよ!」と。
息子はそれから
堰を切ったように
話し始めました。
「オレ、今日300m何本走ったかわかる?」
私は心の中で思います。
そんなの、知らねーよ。と。
「アイツさー。
二本目ぐらいで足が痛いだのなんだの
言いやがって、ずっと休んでたんだよ?
大会近いのにさ!」
黙って聞いていればいいものを
ついつい思ったことを
口にする私です。
「それはホントに足が痛かったんだろーさ。
つか、誰がサボろうが、
おまえに関係ないじゃん。
個人競技だろ?
野球じゃないんだからさ。」
「関係ないけど、イライラする。
足痛いくせに、周りの友達と
ぺちゃくちゃ話してんだよ?
オレ、そういうのムカつくんだよな!」
「ふーん。
けどさ。同じ競技なんだから、
ライバル減っていんじゃないの?
そう思ってれば?」
息子は昔から、
スポーツにだけはストイックです。
しかし、他人よりも努力するのだけど、
その不器用さで、
大会では自分よりも
練習をサボる人達に
何度も負けることが多かったのです。
その友人も元々運動神経がいいので、
わりとなんでもすぐに
できるタイプでした。
要は悔しいのでしょう。
不公平だなと感じてもいる。
思えば娘も何度も私に言いました。
どうして自分は他人と
同じぐらいのレベルになるまでに
何倍も努力しないと
追いつかないだろう。と。
私はその度に言いました。
世の中は不公平でできてるんだと。
みんな同じものを同じ分量を持って
生まれてくるわけじゃない。
だけど、どれだけ器用で賢くても、
それで完全に満足できてる人なんて
いないし、
みんな自分にないものを
羨ましがったり、
あるくせにないと
思い込んでいたりするんだよ。
私だってそう。
他人と自分を比べたり、
比べられたりするたびに
悔しくなったり、
悲しくなったり、
どうしようもなく
落ち込んだりもする。
その感情を認めたくなくて、
何かと理屈をつけて
他人のせいにしたり、
羨ましいと思う人の
あら捜しをしたりしちゃうんだよ。
だけどそんなときほど、
自分の持ってるものや
自分ができたことを
思い出してみたらいい。
その諦めないで何本も走った300mは、
努力できた自分の自信に
なるはずなんだよ。
なんて言っても
伝わるはずがないから、
風呂上がりの半裸の息子に
こんなふうに言ってみる。
「かっこいいじゃん。
おまえ、大腿二頭筋、
隆起してるぞ!!」
それで息子は自分の全身を
鏡に映して確かめている。
満更でもなさそうに
さりげなくポーズを決める姿が
おかしくてたまらない。
他人を羨ましく思うことは
誰にだってある。
大事なのはそう思う自分を
ただ認めることだ。
人を落として、
自分を上げるな。
それが一番かっこ悪いんだからな!