遠足が好きでした。
狭い教室から
自由になって、
バスの中で騒ぐのも、
みんなでワイワイ歩く道中も、
疲れた帰りに眠ることも。
けれども、一番楽しい瞬間は、
前日の準備かもしれません。
計画することや、
下調べや、
ザックの中身を選ぶこと。
その時のワクワクは
もしかしたら当日よりも
一番興奮している時なのかもしれません。
ひとりで東京に行きたい!
そう夫に告げると、
いいんじゃない?と
あっさり、お許しが出ました。
もう10年以上も
飛行機にすら乗ったことのない私を
きっと憐れに思ったのでしょうか。
本当に行けるかはわからないけれど、
ネットで東京のことを
いろいろ調べていると、
まるであの遠足の準備のときのように
ワクワクしている自分がいます。
どんな観光できる場所があるかなあ。
と、調べるのですけれど、
しかしそれが、心から
惹かれる場所がないのです。
デパートも遊園地も
興味がなく、
スカイツリーも東京タワーも
お台場も、まったく見たいと思わない。
いつもクリックする先は、
美術館やら博物館。
大きな本屋さん。
そしてやっぱり寄生虫館です。
最後に東京に行った時のことを
思い出しました。
ディズニーランドとシーに
行きました。
高校生のときに行った時は、
あんなに楽しかったのに
そこまでの感動がなかったことに
多少ショックを受けました。
根っからの田舎者なのでしょう。
人工的な光の中や
たくさんの人混みに紛れていると
近くに誰がいても
たまらなく寂しくなりました。
それは、たったひとりで
自然の中で撮影していることよりも、
ずっとずっと深い孤独です。
それでも東京に行きたくなるのは、
会いたい人がいるからだ。
会ってみたい人ができたから。
もし、会えなくても、
会えるかも。
そう思うだけで、
ワクワクします。
どこに行くか?なんて、
本当は問題じゃない。
刹那的な人との出会いに
実体があることを確かめたい。
言葉だけで惹かれた人達が
自分の目の前で
話したり、笑ったりしているの
見てみたい。
そんな欲望にも似た気持ちからだった。
そう思うのことは、
バカバカしいことなんだろうか。
子供みたいな好奇心で、
人をまっすぐに信頼する自分は、
冷めたり、期待しないと
諦める自分より、
それでもずっと好きだった。
空を見上げながら、
沈む夕陽を見つめながら思う。
どんなに離れていても、
みんな繋がっている。
顔が見えなくても、
声が聞けなくても、
この画面の向こう側には
同じように息をして、
笑って、泣いてる人がいる。
不思議だなあ。とただ思う。
人との出会いはいつも
楽しくて、そして少し苦しい気がする。
私にとって、
都会の人混みは、
いつも切なさの象徴なのだ。