小学校の運動会、先生方にとって一番、頭を悩ますのが表現種目ではないでしょうか。
いやいや、私は得意ですよ!
という方は、ぜひ、そのアイデア、指導法をたくさんの方に伝えてください。
多くの先生は、
今年、なにやったらいいだろう・・・
踊りとか、自分が苦手なのに・・・
全体指導、うまくできるか不安・・・
練習時間(授業時間)、足りるかな・・・
こんな風に思っているのではないでしょうか。
(ちなみに、私は表現の指導、けっこう好きでした。でも、初任~2年目は何していいかわからず、嫌で嫌でしょうがなかったです^^;)
小規模学年(40~50人)の指導、2学年同時指導、100人以上の一斉指導。
人数が違ってくると、指導の仕方、方向性が変わってきます。低学年・中学年・高学年でも違ってきます。それぞれ、指導するおもしろさ(やりがい)があります。
もちろん、指導していれば、うまくいかない場面もあります。本番が不安になる時もあるでしょう。
そんな不安でいっぱいの先生に、私は次のように聞いていました。
子どもたちは楽しんでます?
先生自身も楽しんでます?
と。
楽しむということは、ふざけることや手を抜いて楽にやることではありません。
楽しむとは、
楽しさや嬉しさ、時にはうまくいかない悔しさなど、感情を誰かと共有すること
一生懸命取り組んでいる自分が周りとシンクロしていること
です。
この正しい意味での「楽しむ」ができていないと、本番の演技で子どもたちの表情がいきいきしていなかったり、全体的に勢いに欠ける印象となったりと、どこか物足りない演技になってしまいます。
運動会の表現については、指導法やコツ、盛り上げ方など、いろいろと書きたい(伝えたい)ことがあるのですが、、、長くなりすぎてしまうので、今回は2つだけ書きます。
運動会の表現、何をしたらいいのか悩んでいるあなたへ
伝統的に●学年では■■をやる、と決まっていれば、最初の段階ではあまり悩むことはないですね。
例:高学年で組体操やソーラン節、中学年ではエイサーや花笠など。
一番、困るのがダンス系です。
何も縛りがないときには、創作ダンスをやる先生もたくさんいます。ダンス経験者の先生ならお手の物ですね。でも、ダンスを考えたり踊ったりすることが得意な先生はそんなにいるのでしょうか。
ちなみに私は、先生になるまでダンスを踊ったことがなく、踊れない、考えられないという状態でした。正直、今でもそうです。
でもですね、世の中、便利になったのですよ(良い意味でも悪い意味でもw)
踊れない・考えられない自分に、最大の味方になってくれるのがネット動画です。
気になっている曲があれば、その曲名と一緒に「踊ってみた」で検索してみましょう。
ここでは、例として「GOOD LUCKY!! / グッキー」 を調べてみます。
検索窓に「「グッキー 踊ってみた」を入力して、動画ボタンをクリック
※グーグル検索でもなんでもOK
すると
いろいろと動画が出てきますね。
例えば、
動画①
知らない子が踊ってますね、上手です^^
これを見て、どう感じましたか?
私は、低学年だと難しいけど、低学年なら踊れる。高学年だと、少し曲が幼いかな。
そんな風に考えます。
(学年の色、子どもたちの実態によりけり)
では、ここでは中学年に指導するという仮定で進めます。
良さそうだなと思ったら、他の動画も見てみます。
この時、必ず、自分たちの担当学年の子が踊る姿を想像してださい。
それも、成長して踊れるようになった姿を。子どもは1か月の練習でも見違えるように成長して、ある程度むずかしい踊りでもできるようになります。個人的にはあまりにも難しすぎるとモチベーションが下がるし、簡単すぎてもモチベーションは下がると思っています。適度な難易度を見分ける時には、周りにいる先生に意見を求めるといいと思います。
理想は、運動会の2~3日前に完成する難易度で、前日リハーサルで確認して本番GO!です。これだと、先生側はヒヤヒヤしますが、子どもたちはモチベーションMAXで本番を迎えられます。
では、動画を見ていきましょう。
動画②
↑5人~10人組のグループで踊る場面が作れそうです。
動画③
↑こちらはかけ声の出し方や、時間差で変化を加えた演出、隊形移動の参考になりそうです。
動画④
↑これは見てて、踊る楽しさを感じられますね。お手本にしたいです。
※ミラー(鏡)なので、左右逆に踊ってます。
動画⑤
↑こちらは、練習してくださいと言わんばかりに、スロー再生が組み込まれてます。なんと親切w
アメブロの仕様でyoutubeばかりを載せてますが、他の動画サイトの映像もご覧くださいね。
私なら、この5つの動画で考えるなら、動画①か動画④⑤を参考にして踊り、動画②と動画③のかけ声や演出(5~10人組)を見せ場に取り入れようかな、、と考えます。
で、、、実際に、一緒に指導する先生たちと踊ってみます。
ここが大事です。
「踊ってみた」の動画を見て、「踊ってみる」。
できないなりに、踊ってみると感じることがあります。
ここは簡単だな。ここが一番むずかしいな。練習すれば、あの子たちならできそうだな。
踊ってみると、イメージがクリアになってきます。
もちろん、踊ってみてボツになる時はありますが、たいていの踊りはできるという感触を得られるのではないかと思います。
インターネット上の動画には、表現の材料となるものがたくさんあります。そして、その面白いところは、それぞれの動画で踊っている人(たち)が、それぞれで工夫していることです。
良い動画や良いと思う工夫を積極的に取り入れ、組み合わせることで、全体像をつくることができます。もちろん、自分の色(スパイス)を加えたら、なお良いですね。
踊りだけでなく、かけ声や隊形移動、オープニングやエンディングなど、表現に取り組む子どもたちを刺激するような「しかけ」を入れていきましょう。
導入は、花火の導火線に火をつけるように!!
表現種目の練習、その初めにこんな光景が見られます。
先生
「今年の運動会、表現(ダンス)は○○をやります。・・・(ダンスの曲の紹介や軽い説明)・・・。それでは今日は1時間だけですが、残りの時間でさっそく練習を始めましょう」
これ、ダメです。
正確には、これでも練習は進められるけど、もったいない、、、、です。
私が運動会の表現、一発目の授業は必ず2時間。90分のうち、30~35分は説明&子どもとのやりとり、残りの時間は15秒~30秒を踊れるように指導。
これを鉄板にしてました。
まず、「今年は●●をやります」ではいけません。これだと一方的に提示しただけで、先生が決めた踊りを教えてもらって本番踊るだけ、という意識になっていまします。
私なら、こう言います。
「今年は、こんな踊りをみんなでできたらすごいと思うだけど、ちょっと見てくれる?」
そして、先生たちが完璧に踊れるなら、かっこいいところを見せましょう。踊れなくても、問題ありません。動画を見せましょう。
※動画は印象に残るような、かっこいい、楽しそうな動画を選びましょう。複数見せてもいいと思います。
映像を見せたら、
「この踊りを見て、難しいと思った人? 簡単だと思った人?」
難易度は高めなので、難しいと思う子が多いはずです。そこで、
「そうだよね、難しいんだよね。でもね、これがみんなで踊れるようになったら、すっごい楽しいと思うんだよね。曲も楽しい感じだし、みんなが一生懸命、楽しそうに踊ってたら、見ている人も一緒に踊りたくなると思うんだよね。そうなったら、すっごいよね!」
できたら、すごいことだよ!っと、心を揺さぶります。
「できるかな~、できそうかな~。どうだろう?」
「うまくいったらすごい、けど難しい」という心の揺さぶりが上手くいけば、ダンスが好きな子、表現が好きな子は、「できます」「やりたい」と言ってくれるでしょう。
でも、それだけではダメです。運動が苦手な子、運動は得意だけど踊りが苦手な子が、まだひきつけられてないからです。そこで、こう言います。
「うーん、先生はみんなができるようにならないと、初めて見てくれる人たちが感動したり、一緒に踊りたいと思ったりしてくれないとと思うんだよね。先生も、そうだからわかるんだけど、踊りが苦手な子はどうやったらできるようになるかな~。」
踊りが苦手な子がいるのは当然です。先生もそうだよというメッセージを入れて、苦手な事が悪いことではないという雰囲気をつくりましょう。
踊りの上手な子、苦手でもやる気がある子は、「一生懸命、練習すればできるようになります」などと、言ってくれるでしょう。これも大切な事なので必ずおさえますが、まだ足りません。
「練習するにしても、うまくできない人は1人で練習しても、なかなかうまくできないんだよね~、先生も1人でこの踊りを練習した時はそうだった。」
こんな風に揺さぶりを入れていき、「みんなで教え合って練習すれば」 「上手な子が教えてあげれば」 という意見を子どもたちから出させます。
ここまでくれば、あとは大丈夫です。
「そうだね、お互いに教え合ったり、上手な子がきちんと優しく教えることができれば、みんなができるようになるね。できそう? 」
おそらく、踊れそうなこの何人かがうなずいてくれるでしょう。
「では、運動会の本番目指して、さっそく練習を始めましょうか」
モチベーションを高めたまま(踊れるか不安な子も期待をもった状態で)、練習に入ります。
今回のグッキーの曲なら、25~30秒ぐらいの「せーの!」まで練習して、「うぉっ、うぉっ、うぉ~」の部分は次回の楽しみに取っておきます。急ぎ過ぎて指導すると、踊りが雑になるし、子どものモチベーションを維持する上で有効とは言えません。
打ち上げ花火をする時、導火線に火をつけたら自分は離れますよね。でも、火はついたまま導火線を伝わって、花火を打ち上げます。
導入は、導火線に火をつけるイメージです。その火が、自ら伝わっていき(練習)、大きな花火を打ち上げる(本番)。
先生に教えてもらって、運動会で踊るダンス
ではなく、
先生に教えてもらうけど、自分たちでも教え合って、みんなで運動会で踊るダンス
最初に、この意識を植え付けられるかが肝心です。
最初の導入をてきとうにやって、グループ活動で「教え合いましょう」と無茶を言う先生がいます。そりゃ、ごくわずかの優秀な子はできるかもしれませんが、ほとんどの子(グループ)はうまくいかないですよ。
大切な事なので、何度も言いますが、導入では必ず、
「自分たちで教え合って踊り(ダンス)を成功させる」
この意識を子どもたちにもたせましょう。
あとは、8:2の法則を使って、大きな期待と小さな不安を提示しましょうね。
【参考】8:2の法則↓↓↓
PS:眠気と格闘しながら書いてます。わかりづらいところ、もっと知りたいところがあれば、メッセージ(お問合せ)かコメントでご質問ください。今日は体力の限界なので、このへんで^^zzz
まとめ
●運動会の表現、その材料はインターネット動画にたくさんある。
●表現の導入は、子どもたちの心を揺さぶり、「教え合う」という意識をもたせよう。
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