- 名前 ドーブル(U){無}
- 収録パック サン&ムーンシリーズ 拡張パック「超爆インパクト」
- 購入価格 50円
- イラストレーター 杉森建
今回は杉森建氏の描かれたドーブルのポケモンカードを鑑賞します。
杉森建氏はポケモンのキャラクターデザインを担当している有名なイラストレーターさんです。
田尻智氏と共にポケットモンスターを1から作り上げた功労者であり、ポケモンのイラストと言えば杉森氏の名前が最初に上がります。
イラストの世界観
まず、ドーブルとはどんなポケモンか、ポケモン図鑑の説明をまとめると以下になります
ネットで調べたところ、ドーブルの描いた落書きは高値で取引されるとか、絵の具は尻尾から分泌されるなどの情報もありました。
なお、ドーブルという名前は、ビーグル犬とルーブル美術館を合わせた造語だと思われます。
ドーブルは、ベレー帽を被った いかにも芸術家という風貌をしています。しかも風景画や人物画を描く絵描きではなく、前衛芸術をやってそうなイメージです。
このイラストはまさにそういうイメージのドーブルが表現されています。
ドーブルの背後全面に抽象画が描かれています。
この抽象画は、明らかに新造形主義の絵をモデルにしています。
新造形主義は、原色の大小様々な四角形を組み合わせた絵を描くのが特徴です。
例えば、以下のサイトで紹介されている新造形主義の絵を見れば、このポケモンカードの背景と似ていることがすぐに分かります。
このイラストは、現実に存在する抽象画を連想させる背景を使うことで、そういうドーブルのイメージを的確に表しています
ちなみに新造形主義の代表的な人物、ピエト・モンドリアンの作品は最高 71億円で落札されています。
ドーブルの描いた落書きも高値で取引されているそうですが、おいくらになることやらであります。
杉森建氏はポケモンのキャラクターデザインを担当している有名なイラストレーターさんです。
田尻智氏と共にポケットモンスターを1から作り上げた功労者であり、ポケモンのイラストと言えば杉森氏の名前が最初に上がります。
イラストの世界観
まず、ドーブルとはどんなポケモンか、ポケモン図鑑の説明をまとめると以下になります
- しっぽを筆のように使う
- 縄張りにマークを描き、その種類は5000以上もある
ネットで調べたところ、ドーブルの描いた落書きは高値で取引されるとか、絵の具は尻尾から分泌されるなどの情報もありました。
なお、ドーブルという名前は、ビーグル犬とルーブル美術館を合わせた造語だと思われます。
ドーブルは、ベレー帽を被った いかにも芸術家という風貌をしています。しかも風景画や人物画を描く絵描きではなく、前衛芸術をやってそうなイメージです。
このイラストはまさにそういうイメージのドーブルが表現されています。
ドーブルの背後全面に抽象画が描かれています。
この抽象画は、明らかに新造形主義の絵をモデルにしています。
新造形主義は、原色の大小様々な四角形を組み合わせた絵を描くのが特徴です。
例えば、以下のサイトで紹介されている新造形主義の絵を見れば、このポケモンカードの背景と似ていることがすぐに分かります。
縄張りを示す為に町中に抽象的な落書きをしまくる「えかきポケモン」
このイラストは、現実に存在する抽象画を連想させる背景を使うことで、そういうドーブルのイメージを的確に表しています
ちなみに新造形主義の代表的な人物、ピエト・モンドリアンの作品は最高 71億円で落札されています。
ドーブルの描いた落書きも高値で取引されているそうですが、おいくらになることやらであります。
特に読む必要のない新造形主義の豆知識
この段落は、完全にポケモンとは関係ない余談なので、興味の無い方は読み飛ばしてください。
造形主義はキュビズムの影響を受けていると言われます。
キュビズムとは複数の視点から見た映像を1つの画面の中に納める表現手法のことです。また対象をモザイクの組み合わせのように表現します。キュビズムの画家では、セザンヌやピカソが有名です。
物を見たままではなく、構成要素に分解して、モザイクのように貼り合わせて再構築する方法を極限まで突き詰めると、あらゆる造形物が単純な色と四角の組み合わせになるわけです。
ここで高橋秀爾氏の近代絵画史から、モンドリアン氏の新造形主義の定義を一部引用します
この段落は、完全にポケモンとは関係ない余談なので、興味の無い方は読み飛ばしてください。
造形主義はキュビズムの影響を受けていると言われます。
キュビズムとは複数の視点から見た映像を1つの画面の中に納める表現手法のことです。また対象をモザイクの組み合わせのように表現します。キュビズムの画家では、セザンヌやピカソが有名です。
物を見たままではなく、構成要素に分解して、モザイクのように貼り合わせて再構築する方法を極限まで突き詰めると、あらゆる造形物が単純な色と四角の組み合わせになるわけです。
ここで高橋秀爾氏の近代絵画史から、モンドリアン氏の新造形主義の定義を一部引用します
造形手段は三原色(赤、青、黄)および非色(白、黒、灰色)の平面または直方体でなければならない
造形手段の等価性が常に必要である。大きさや色彩が異なっていても、それらは同じ価値のものでなければならない
要するに、造形物を四角形の組み合わせで表現するには、その色の種類は最小限で、またどれかの四角形が他に比べて特に目立つことがないようにすべきと言っています。
他にも「造形には対立の二元性が必要」とか「持続的均衡は対立における位置関係により達成される」とか「造形手段を無力化する均衡は、生きたリズムを生み出す比例の手段によって達成される」などと曖昧な言葉を使って定義していますが、正直に言って何を意味しているのか私にはよく分かりません。
個人的には「動と静のバランスを整え、躍動感や緊張感を生み出すように図形の配置を工夫しましょう」と言いたいのだと解釈しています。
イラストの構図
主役であるポケモンが上下を埋める大きさで、左右の中央に配置されています。主役が一番目立つ王道の構図です。
ポケモン図鑑に掲載されているのと同じ公式絵のドーブルが、存在感をもって堂々と立っています。
そして背景には、ドーブルの特徴を表現する為に、新造形主義の抽象画が配置されています。
それにしても、単純な四角形を組み合わせることを至上とする絵の真ん中に、ゲームのキャラクターである、曲線だらけの複雑なポケモンを配置するのは、新造形主義を台無しにしているようにも見えます。
現代美術なんてものは、解釈ごっこなところがあるので、これを良くも悪くもどうにでも説明してみせることができます。
主役であるポケモンが上下を埋める大きさで、左右の中央に配置されています。主役が一番目立つ王道の構図です。
ポケモン図鑑に掲載されているのと同じ公式絵のドーブルが、存在感をもって堂々と立っています。
そして背景には、ドーブルの特徴を表現する為に、新造形主義の抽象画が配置されています。
それにしても、単純な四角形を組み合わせることを至上とする絵の真ん中に、ゲームのキャラクターである、曲線だらけの複雑なポケモンを配置するのは、新造形主義を台無しにしているようにも見えます。
現代美術なんてものは、解釈ごっこなところがあるので、これを良くも悪くもどうにでも説明してみせることができます。
例えば、鳥獣戯画や浮世絵を系譜に持つ人物の抽象化であるマンガ表現と、造形物の抽象化の融合による新たな芸術の形と強弁することができます。
もしくは、崇高な理念を持つ造形も、大衆化して量産されたキャラクターの前には、単なるオマケの背景に追いやられる実例と強弁することもできます。
イラストの配色
造形主義の四角形には3原色を使うことが多いですが、このイラストでは明度の高い水色や黄緑なども使用しています。
色のついた四角形がドーブルより目立たないように配慮しているのでしょう
また、ドーブルの周囲には白い四角形を配置して、白っぽい色のドーブルが色の中に埋もれてしまわないように配色されています。


