• 名前       メリープ{雷}
  • 収録パック    スカーレット&バイオレット 「スターターセットex ホゲータ&デンリュウex」
  • 購入価格         50円
  • イラストレーター さとうなるみ

 

今回はさとうなるみ氏の描かれたメリープのポケモンカードを鑑賞します。

さとうなるみ氏は透明水彩による柔らかい雰囲気の絵を得意とするイラストレーターさんです。

 

 

 

イラストの世界観

 

まず、メリープとはどんなポケモンか、ポケモン図鑑の説明をまとめると以下になります

 

 

  • 高さ 0.6m 重さ 7.8kg
  • 静電気で体毛が2倍にふくれる
  • 夏に毛が全部抜けて、一週間で生え変わる

体毛がフワフワしており、軽いポケモン。私はメリープに対してそういうイメージを抱きました。

 

このイラストは広い草原に暮らすメリープが描かれており、現実の世界で放牧されている羊と同様の生態をしていることが分かります。   

 
イラストの構図

 

 

草原の地平線がやや右下がりに傾いています。

 

地平線が水平に描かれていると重力が真っ直ぐに下を向いているので、絵に安定感が生まれますが、それは描かれた人や物に対してずっしりとした重さを感じさせもします。
メリープは体重がとても軽いポケモンです。絵の安定感は、メリープの軽さを表現するには不向きです。
地平線が斜めになって絵に動きや不安定さが生まれ、重力の縛りから解放されることで、メリープの浮くような軽さが表現できています

 

 

実際に地平線の効果を確認してみましょう。上図の右はオリジナルで、左は地平線を水平に修正したものです。

左の方は安定感があり、地に足の着いた雰囲気があります。その代わり、メリープの姿に重量感のようなものを感じます。


また、地平線がゆるやかな曲線を描いているのも面白い点です。
普通に近くの地平線や水平線を見ても、横一直線になっており、曲がって見えることはありません。
地平線が地球の曲面を反映して曲がって見えるようになるには、かなり遠く離れた位置から地平線を見ないといけません。
このイラストは、あえて地平線を曲げる嘘を取り入れることで、はるか遠くまで草原が続いている印象を見る者に与えます。

 

イラストの配色


同イラストレータさんの描かれたヤドンと同様に、このイラストも透明水彩による明るい色彩を持ちます。    
    

    
ヤドンの場合は背景の水路を暗く、ヤドンを明るく描いていましたが、メリープの場合は背景の草原や空とメリープのどちらも明るい色になっています。    
全体的に明度が高いので、絵全体が重さを感じさせない軽いものになっています。    
このイラストは、構図も配色もメリープの軽さを表現する工夫が凝らされています    

(また、これは私の考え過ぎの可能性もありますが、)空の色がメリープの顔の色と同じ青色で、色の濃さやグラデーションのかかり方まで同じようにしているのは、メリープが空と一体化して宙に浮かぶようなイメージを与えていると私は感じます。

透明水彩によって紙の下地が見えるのも、メリープの毛のフワフワした感じを表現するのに適しています。