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Nighthawks

本や映画の感想を書く。忘れてしまうから。

2007年アカデミー賞外国語映画賞を受賞した本作。
感動作というよりは,切ない作品だ。

東ドイツ国家保安局のエージェントが,作家の自宅を盗聴する。その暮らしぶりを盗み聞く一方で,大臣や保安局の実態を目の当たりにし,次第に・・・。

原題は,「他人の生活」だったらしい。邦題は,作品中で作家が弾く,ベートーベンの曲のタイトル。
それまでに迷いが生じていたエージェントは,この曲を聴いたことが決め手となって,心が揺れる。

「この曲を本気で聴いた者は,悪人になれない」(スターリン)

危ない橋を渡り始めたエージェントにハラハラする。主演のおじさん,ウルリッヒ・ミューエは,表情だけで魅せる,とても良い演技。
女優役のマルティナ・ゲデックも,すこし退廃的な感じがいい。ただ,なぜ恋人の作家を国家保安局に売ってしまうのかが,伝わらなかった。麻薬がほしいから?

クスリと笑わせるところもあるなど,とても完成度が高い。
ラストも秀逸。最後のセリフもイカしてる。

号泣するような映画ではないけれど,心に染みる作品。
今の日本映画に欠けているものが,ここにはある。

アルバトロス
善き人のためのソナタ スタンダード・エディション

年明けからNHK深夜に,世界各国の民主主義への取り組み,苦悩を描いたドキュメンタリを放送している。

アメリカ,ロシア,デンマーク,ボリビア,パキスタン,エジプト,リベリア,インド,中国,そして日本。

33カ国から,「民主主義とは何か」というテーマで企画を集め,そのうちから10本のドキュメンタリーが制作された「デモクラシー・プロジェクト」。世界42カ国の放送局が制作費を負担したのだという。


民主主義が根付いた国では民主主義そのものにほころびが,これから民主化を進める国ではどうしても民主主義がなじまない事情がある。


10本を見終わって,民主主義の次が必要なんだろうなという感想を持った。民主主義のよいところを引き継ぎつつ,世界各地の事情を包含する考え方。民主主義にはなじまない考え方(宗教や民族対立など)が根強い国でも,基本的人権を尊重できるような社会機構を確立する,その取り組みのベースとなる思想である。


といっても思いつかないけど。


一方で,環境問題のような,世界共通のテーマもグローズアップされている。

これからの10年は,世界の今後を大きく左右しそうだなあ。

話題のトランスフォーマーを,DVDで観た。
テレビアニメとの関連性はなくて良いと思うのだが,映画としてのデキは低い。

何より,主人公が冴えない。
徐々に成長する主人公,というのはありがちだが,後半になっても,コンボイ,じゃなくて「オプティマスプライム」達がなぜ主人公を信頼するのか,まったく不明。

勢いだけで話を進めてしまっている。
画面遷移も激しく,映像を頭で理解する前に,次の場面が映し出される。
とても疲れる感じ。

ただ,CGはそれを補うだけのすごさ。
ごちゃごちゃしているだけで,変形機構などを考慮していないのは明らかだが,なんかスゲー。
アクションも,迫力はある。

詰め込みすぎなのかなあ。
主人公の魅力や,CGをじっくり見せる余裕がほしかった。
こういった話題作は,映画としての品質を上げないと,後世に残らないことを肝に銘じるべきだ。
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