誰でもできる簡単マジック/東京堂出版

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【基本書誌】
書名:『誰でもできる簡単マジック』
著者:藤山新太郎
発行所:東京堂出版
発行年月:2005年11月
【収録作品の概略】
・カードマジック(11点)
・コインマジック(11点)
・その他(輪ゴム等、13点)
【所感】
師匠(藤山新太郎)と弟子(晃太郎)の問答で語るスタイルです。類似のスタイルとしては、『大魔法使いアラカザール マジックの秘密』があります(そちらは弟子が読み手ですが)。
冒頭、晃太郎が藤山新太郎(作中の人物ですので、敬称は省略します)に弟子入りするところから話が始まります。新太郎が最初に教えるのは、カードの扱い方。「使うカードは、アメリカ製のバイシクルだ」だとか、「出来る事ならポーカーサイズで早くから慣した(ママ)ほうがいい」といった、奇術界隈ではよく言われていることを説明します。
最初に紹介するのは、カード当ての奇術、そして絵札を使ったトリックから、3つ目はポール・カリー原案に少しだけ手を加えたアウト・オブ・ディス・ワールドと、たしかに奇術を始めるひとにはぴったりの内容です。ただ、アウト・オブ~は、実際に演技を見てからでないとおもしろみがわからないかもしれません。というより、このトリックについては、現象を見て衝撃を受けて、そのあとにトリックを知って二度びっくり、というのがパターンのような気もします。
もしも拙文をお読みの方でアウト・オブ~をご覧になったことがない方がいらっしゃったら、ぜひ、近くの手品人に見せてもらってください。
コインマジックは、移動現象や出現・消失現象といった、カードマジックと同じく、わかりやすく演じやすいものが中心的に撰ばれています。そういった奇術の紹介もよいのですが、新太郎が端々に挟む台詞「これだけを演じると必ず『もう一回やってくれ』となる。得意に成って何回もやると、段々ばれてしまう。/そうならないためには一連の手順として見せるといい」といった、演じること自体についてのアドバイスも有効でしす。
なお、コインマジックについては、日本の古典奇術(天狗通し等)も解説されています。
アラカルトとして紹介されているものも、複雑な技術は不要なものばかりです。個人的には、「移動する輪ゴム 2」から「復活する輪ゴム」への流れが大変気に入っています。「復活する輪ゴム」は、以前、友人に見せてもらったもののやり方を知らなかったので、そういう意味でも気に入りました。
著書の最後、「あとがき」の後ろには、さらに「マジックの上達法」についても述べるところがあります。曰く「頻繁に人に見せる」「練習の仕方」「良い師につく」といったもので、わたしは奇術に触れてそれなりの時間を過ごしていますが、本書に語られている「マジックの上達法」は何一つ実践してこなかったなあ、と反省しきりです。