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Small Magician MINI

奇術道具レビューブログですよ。



この道具は、以前にルーバー・フィドラー自身のチャンネルで公開されていたこともあり、ご存じの方も多いかと思います。



また、これもご存じの方が多いかと思われますが、氏は9月に81歳で逝去しました。
今後、テンヨーからフィドラー原案の商品が出るかどうかはわかりませんが、生前の作品としては最後のもの、ということになります。

さて、この商品、現象は非常に地味です。
ただ、実際に体験してみると、結構不思議です。

春のおもちゃショーで見たときは、最後の南京錠がはずれるくだりはなかったのですが、
発売までの間にアイデアとして付け加わったようです。
マインド・サーフ
(Mind Surf)

★現象
 観客にトランプのカードのうち、一つのスートを言ってもらいます。
パスケースからカードを取り出し、見てみると、そのスート以外のカードは表向きですが、一枚だけ裏向きのカードがあります。
このカードを表向きにしてみると、口にしてもらったスートのカードで、かつ、このカードだけ数字が違います。

★解説
 Dan Harlan師の考案です。

B’ウエーブや1/3の奇跡に類似した現象です。
これらのトリックとはまた違った解決法です。

ときおり、その巧まれた機構に言葉を失うトリックがあります。
これは、そのようなすばらしいトリックの一つです。
というのも、①技巧が不要である。②手順が簡単である。③現象がシンプルである。④怪しさが少ない。
といった条件が満たされているためです。
現象そのものも面白いのですが、「ギミック厨房」としては、その仕組みに感心しました。

★相性のいいアイテム
これだけを一つだけやって、それだけで終わりたいタイプのマジックです。
それでも、もしも他のものと組み合わせる必要があるのならば、わたしならメンタルじゃないマジックといっしょにやってしまうかもしれません。
Dan Harlan師には賑やかなイメージがあるので、サイズ・サプライズだとかジョーカーズファミリーだとか。
◆サイズ・サプライズ
◆ジョーカーズファミリー

2004.10.11

★価格帯
店名 価格 日本語解説書 所在地
ミスターマジシャン 2200円 ◎ 大阪
Magic Pro Shop $9.00 ○ アメリカ
Hank Lee $14.95 ○ アメリカ
THE MAGIC WAREHOUSE $11.00 ○ アメリカ

★評価
技術 ★☆☆☆☆
練習 ★☆☆☆☆
効果 ★★★★★


奇術道具には、発表からしばらくして「なんとか 2.0」と、改案であるような表示をして、商品を再販することがあります。
経験上、それらの多くはほとんど改変箇所がないものが多く、せいぜい「1.1」といったところのものばかりです。

この「大脱出」は、アリ・ボンゴの「スルー・ザ・ミラー」を原案にしています。



道具を見てわかるとおり、現象は同じながら、システムは異なるところが多くあります。
これこそ、「スルー・ザ・ミラー 2.0」といってもよいものです。

そして、今回のテイメントシリーズのなかでは最も、テンヨーっぽいしかけがあります。
そのため、原案の商品を持っているひとであっても、どのあたりが改変されたのかを楽しむことができるでしょう。



2015年のテンヨー新商品は4+1点です。
先日、テンヨーフェスティバルへ行った折、4点セットを買ってきました。
一般売りは10月末……のはずですが、新宿の東急ハンズに行ったら全部売られてました(9月26日)。

この商品は、あの佐藤総さんの考案です。
以前にもテンヨーから「イメージジェネレーター」といった商品が発売されましたが、
今後はテイメントのシリーズで佐藤さんの商品を買うことができそうです。

さて、その新商品ですが、これまでのテンヨーのイメージとは異なる印象のギミックでした。
というのは、テンヨーの商品といえば、ダイナミックな仕掛けが大きく1つあって、それでほとんどが解決されているためです。

しかし、この「マジックバタフライ」は、もちろん大きな仕掛けはあるのですが、
それ自体は目新しいものではなく、忍者屋敷の隠し扉を見るときのような驚きがあるわけではありません。
ただし、既存のアイデアだと気づかせない工夫があって、これはさすが、と思わされました。

さらに、演技全体がクレバーな流れで完成されているというか、要は、佐藤総さんのイメージをひとつのかたちとして表したものになっています。

個人的な友人として誉めるのではなくて、今後の新しいテンヨーを感じさせるものとして、非常に感銘を受けました。
【現象】
木箱から6枚のカラーチップと1枚の透明チップを取り出し、並べます。観客にカラーチップを1枚選んでもらいます。透明チップに息を吹きかけると、カラーチップの色についての予言が浮き上がります。

商品構成は、カラーチップ・透明チップ・木箱・チップを磨く布です。

道具はすべて、演技の最初に提示します。そのあと、何かを消したり出したりすることはありません。
技術は不要です。解説のとおり演じれば、現象は成立します。

木箱は円形の筒で、材質は不明ですが、かなりしっかり作られています。
底にはフェルトのようなものが貼られています。
チップも、透明感のあるきれいな作りです。

「マジックワゴンの新商品だ」と言われたら、信じます。

ただし、購入前からうっすらわかってはいたのですが、これ、不思議かなあ…
それと、当然といえば当然ですが、同じ観客の前で繰り返して演じることはできないんですよね。

トリックの部分はクレバーなんですが、満足度はそんなに高くない、というのが正直なところです。
いつも、togetterで過去のツイートをまとめているのですが、なぜか9月中旬以前のものにアクセスできず、結果、不完全なまとめしか作れませんでした。

が、面白いものはちゃんとありましたので、そのあたりをご紹介。

PIERCED


身体貫通系の商品です。
堅いものだと、カッターナイフやもっと太い針、かわったものだと糸などがありますね。
これで、出血の演出があればもっと面白かったのですが。
それから、普通の針とのスイッチがなければいいですけどね。

Breakthrough


これは不思議。
たぶん、自分では演じないんですけど、誰かに生で見せてもらいたい。

Surreal


手の中を貫通するハンカチ。
消失か色変わりか、と思っていたら、思わぬ展開でした。
なかなか面白い。
クロースアップでもサロンでもいけそう。

Water Works


わたしが今、一番注目している商品です。
セットにどのくらいの手間がかかるのか、演者のストレスがどのくらいか、
というあたりが気になります。
あとは、ポール・ハリスプレゼンツというあたりが不安ではあります。

では、また来月


Mark Elsdonのクレジットがあるのですが、演技・解説を本人がしていません。
解説されているトリックは紹介動画の1つのみです。

技術不要だし、現象もはっきりしていて、その点は悪くありません。
ただし、動画はちょっとズルいところがあるかも。というのは、全編を通して、ほぼ、第三者から見た映像なのに対して、一部だけ被験者の視点に変わる部分があるためです。
たしかに、そこを見せてしまうとマズいのはわかるのですが……

商品としては、解説DVD、ESPカード、シールとギミックで構成されています。
シールは日本で販売されているものと取り替えることができます。
ESPカードも、ほかのもので演じることができます。

ところで、ESPカードのトリックって、どう見せるのがいいんでしょうね。
複数の現象を見せるのがいいのか、ひとつだけにするべきなのか。
複数にする場合も、予言・透視・一致(マインドリーディングを含む)くらいですし。
ベンディング・カード
(Bending Card)

★現象
観客にデックからカードを一枚選んでもらいます。
これを演者は手にとって、強く念じます。
すると、ゆるやかにカードが曲がっていきます。

★解説
Guy Bavli師の考案です。

少し思いついたことがあったのですが、トリックが同じかどうか確認のために購入しました。
もちろん、「スプーン曲げ」という現象があってこそ成立するものではあるのですが、
スプーンのように曲がること自体に不可能性があるものと違い、
カードは腰があっても簡単に曲がるものですから、それが曲がったところで
あまり不思議ではないと思います。
なので、あんまり大まじめに演じるよりはコミカルに演じるほうが良いと思います。

技術的にはまったく難しくありません。
少なくとも、このトリックだけを演じるのであれば。
ギミックはかなり粗いので、作り直したほうが良いと思います。

なお、思いついたトリックとはまったく異なりました。

★相性のいいアイテム
演技のさわりにもってくるべきでしょう。
スプーン曲げをしたあと、カードマジックに入るとき、「カードでもできるんですよ」
などと言いながらやってみるとか。

2007.5.13

★価格帯
店名 価格 日本語解説書 所在地
The Magic Warehouse $10.00 ◎ アメリカ

★評価
技術 ★☆☆☆☆
練習 ★☆☆☆☆
効果 ★★☆☆☆


★2014年の追記
先日、とある友人が拙宅に奇術道具を見に来たとき、発掘されたので久しぶりに演じてみました。
苦笑されました。
釘の突き立ったプレートで行う、ロシアンルーレットのための道具です。

3枚のプレートのうち、1枚に釘が上向きに刺さっています。
すべてのプレートに紙コップをかぶせ、演者の見ていないところでプレートの位置を変えてもらいます。
演者は1つずつ紙コップをつぶしていき、最後に残ったプレートが釘の突き立ったものです。

先日、Hocus Pocusで商品の注文をするときに、「ついで」に購入したものです。
なので、正直、あまり期待はしていませんでした。
割引されて30ドルしないくらいの値段でしたし。

が、これが非常によくできた道具でした。

プレートはしっかりした木製で、そこに金属の飾りが付いています。
色は側面が暗い青、上と下が赤です。
このカラーリングが気に入るかどうかは人それぞれですが、はっきりわかりやすいことにはまちがいありません。

プレートの1つには中央に穴が空いていて、ここに釘を刺すようになっています。
つまり、釘とプレートは分解可能です。
これがオススメポイントです。
この手の道具はプレートと釘が一体になっていて、収納に困ることがあります。
その点、この商品は収納が簡単で、さらに釘で手をけがすることもありません。

また、釘が別になっているので、ちがう演出を行うこともできます。
商品にはワッシャーが添付されていて、なんだこれ?と思って解説を確認したら、そのワッシャーの上に卵を置け、ということでした。
つまり、釘を紙コップで隠すのではなく、卵を隠す、というタイプの演技です。

隠すものを釘でも卵でもなく、他のものにすることもできます。
たとえば、何か大事なものを隠して、紙コップをハンマーでつぶす、という手順でもいいでしょう。

トリックとしては非常にシンプルで、よっぽどのことがない限り失敗しません。
(万が一、失敗してもわたしは責任をとりませんが)

道具としては、プレート3枚と釘、ワッシャーです。
持ち運ぶのであれば、それが収まる箱か袋を用意したほうがよさそうです。
誰でもできる簡単マジック/東京堂出版

¥1,512
Amazon.co.jp

【基本書誌】
書名:『誰でもできる簡単マジック』
著者:藤山新太郎
発行所:東京堂出版
発行年月:2005年11月

【収録作品の概略】
・カードマジック(11点)
・コインマジック(11点)
・その他(輪ゴム等、13点)

【所感】
師匠(藤山新太郎)と弟子(晃太郎)の問答で語るスタイルです。類似のスタイルとしては、『大魔法使いアラカザール マジックの秘密』があります(そちらは弟子が読み手ですが)。

冒頭、晃太郎が藤山新太郎(作中の人物ですので、敬称は省略します)に弟子入りするところから話が始まります。新太郎が最初に教えるのは、カードの扱い方。「使うカードは、アメリカ製のバイシクルだ」だとか、「出来る事ならポーカーサイズで早くから慣した(ママ)ほうがいい」といった、奇術界隈ではよく言われていることを説明します。

最初に紹介するのは、カード当ての奇術、そして絵札を使ったトリックから、3つ目はポール・カリー原案に少しだけ手を加えたアウト・オブ・ディス・ワールドと、たしかに奇術を始めるひとにはぴったりの内容です。ただ、アウト・オブ~は、実際に演技を見てからでないとおもしろみがわからないかもしれません。というより、このトリックについては、現象を見て衝撃を受けて、そのあとにトリックを知って二度びっくり、というのがパターンのような気もします。
もしも拙文をお読みの方でアウト・オブ~をご覧になったことがない方がいらっしゃったら、ぜひ、近くの手品人に見せてもらってください。

コインマジックは、移動現象や出現・消失現象といった、カードマジックと同じく、わかりやすく演じやすいものが中心的に撰ばれています。そういった奇術の紹介もよいのですが、新太郎が端々に挟む台詞「これだけを演じると必ず『もう一回やってくれ』となる。得意に成って何回もやると、段々ばれてしまう。/そうならないためには一連の手順として見せるといい」といった、演じること自体についてのアドバイスも有効でしす。

なお、コインマジックについては、日本の古典奇術(天狗通し等)も解説されています。

アラカルトとして紹介されているものも、複雑な技術は不要なものばかりです。個人的には、「移動する輪ゴム 2」から「復活する輪ゴム」への流れが大変気に入っています。「復活する輪ゴム」は、以前、友人に見せてもらったもののやり方を知らなかったので、そういう意味でも気に入りました。

著書の最後、「あとがき」の後ろには、さらに「マジックの上達法」についても述べるところがあります。曰く「頻繁に人に見せる」「練習の仕方」「良い師につく」といったもので、わたしは奇術に触れてそれなりの時間を過ごしていますが、本書に語られている「マジックの上達法」は何一つ実践してこなかったなあ、と反省しきりです。