登場人物


秦王…昭襄王


白起(武安君)

…秦の将軍 かなり高い地位


応侯(范雎)

…秦の宰相 白起より

         地位的には上





しかし武安君は頭を地面まで

下げて言った。


「臣(白起自身)は王命に従い、

戦地に行けば、勝てなくとも

王の御厚意で罪を免れることが出来、

王命を受けず、戦地に行かなければ、

罪がなくても誅を免れない事を心得て

おります。


しかしながら、ひたすらお願い致します

事には、王様には臣のいたらぬ謀を

よくよくご覧になって、趙の囲みを解き、

秦の人民を休ませ、諸侯の形勢の変化

をよく賢察されて、畏れ慄いているものを

撫で慈しみ、高ぶり侮っているものを、

伐ち、諸侯に号令なされば、天下を一つに

お定められましょう。

何もむきになって趙を伐つ事に執着する

事はございません。


これこそ、世に言う、


『一人の臣下に屈して、天下の諸侯に勝つ』


という事でございます。



王様がもし臣の至らぬ謀を察したまわず、

あくまでも趙を伐つことに執着され、臣を

罪に陥れようとなさるのであれば、これこそ

世に言う、


『一人の臣下に勝って、天下の諸侯に屈す』


という事でございます。


『一人の臣下に勝つこと』と、

『天下の諸侯に勝つこと』のは、

どちらが勝ると思われますか。」と。

登場人物


秦王…昭襄王



白起(武安君)

…秦の将軍


范雎(応侯)

…秦の宰相


王齕(オウコツ)

…秦の将軍 白起より下




趙王(丹)…孝成王




ところで范雎。

何で「応侯」?

本来、王は周に一人。

後の国は周王から

領地を与えられた諸侯。


戦国になると諸侯が

勝手に王を名乗る。


そしてその国で諸侯を。


閑話休題。







秦はまたもや、軍勢を

繰り出し、王齕に趙を討たせた。

趙の都邯鄲を包囲。

8~9ヵ月に及ぶが落ちない。


そればかりか趙王(孝成)は、

軽装の軽騎兵を繰り出し、

秦軍の後方を脅かす始末。


そのため秦軍はたびたび

敗戦の憂き目をみた。


武安君が言うには、


「臣(白起)の謀を王は

聞き入れなかったが、

今、果せるかなこの仕末。」


王はこれを聞いて大変怒り、

武安君に会い、無理やり陣頭に

立たせようとした。


王が言うには、


「君は病んでいるとは

言うものの、私のために

寝ながらでもいいから、

将となって戦ってほしい。

私はこの戦に勝つことが

願いなのだ。」と。


又、秦王は、


「君がこれに勝ったならば、

私は君に重い恩賞を取らせる

だろう。もし行かぬというのならば、

私は君を遺恨に思うぞ。」と。




登場人物



秦王…昭襄王


白起…秦将 常勝将軍

(武安君)


范雎…秦の宰相

(応侯)




白起

「なんで~~しょう。」


白起

「今、秦は趙を長平で破り

 ながらもこの機を逃し、

 相手が震え上がっている

 のに付け込んで趙を

 滅ぼすことをしないで、

 趙が恐れ入ったとして

 これを赦しました。」


白起

「これにより趙は田畑を耕し

蓄えを増やし、孤児を養い

幼児をはぐくみ戦士の数を

増やし武器・防具を揃え、

城郭を高くし、城池を深くし

て城の防備を整えました。」


白起

「趙では君主が臣下にへり

くだり、臣下は身を低くして

決死の士にへりくだり、

平原君の一味は悉く妻妾を

軍の隊列に繰り入れて手伝

っております。


官民が心を一つにし、上下が

力を合わせることは、まるで

越王勾践が会稽で呉王夫差に

破れて窮地に陥ったときと、

同じ状況でございます。」


白起

「この期に及んでこれを伐った

らば、趙はきっと守りを固める

でしょう。その軍に戦いを挑ん

でも進んで出ようとせず、

趙の国都〈邯鄲〉を囲んでも、

きっと落とすことはできますまい。

その諸城を攻めても、きっと抜く

ことは出来ますまい。軍隊を送っ

ても効果が出なければ、きっと

諸侯の間に異心が生じ他国から

の援軍がきっとやってくるでしょう。


臣には(白起自身)趙を討った時

の害ばかりが見えて、まだその利

が見えません。


それに病気をしていてとっても戦に

行くことはかないません。」

と。



応侯はこれを聞き深く恥じ入って、

引き下がりその通り秦王に申し上

げた。



秦王はそれを聞き、

「私は白起がいなくても趙を

滅ぼすことが出来るだろうか。

(いや、絶対滅ぼしてみせる)」

と。



白起は応侯に対し、

お前があの時妄想で軍を

引かせたからチャンスを

失ったのだ。

的な感じ。


それで応侯は恥じ入ると。


けど応侯性質が悪かった。


このことを根に持ち、

この後白起を自害に追い込むと。

基本中国好きなんだけどね。



今回は嫌いな方を。



「纏足(てんそく)」


女性の足にさ、

布を巻くんだよね。


ぐるぐるぐるぐると。


小さい頃にまき始めて、

足の骨をぐるぐる。


足が円錐みたいに。


こんな靴↓普通入らないけど、

骨を徐々に変形させて、親指以外

足の裏にくっつくぐらい。



漁父

「纏足」を知りたいなら検索すれば

いいんだけど、何分写真とか画像が

結構すごいからあまり勧めん。


この本はよく載ってる↓


漁父


中国にはいろんな歴史が

あるけど、こういう見方も。


いやだね。全く。

続き


登場人物



秦王…昭襄王


白起(武安君)

…秦将 常勝将軍


范雎(応侯)

…秦の宰相




本編



白起が言うには、

「伊闕で韓・魏を破った

際には、韓が孤立し、

後方の魏を振り返り、

魏は韓の兵の精鋭を

あてにし韓軍を先鋒とし

疲れた秦を討とうとして

いて互いの足並みが

揃っておりませんでした。


そこで私は虚構の兵を

設け、韓軍に対峙させ、

全軍を率いて魏の不意を

尽くことができました。


魏軍が敗れると、韓軍は

総崩れになり、秦軍は、

勝ちに乗じて敵を追撃

しました。


だからこそ功を立てれた

のでございます。


いずれも形成を計って

価値を得たのでございます。


何で『勝ちを取ること神の

如し』となりましょうか。」と。




補足

韓・魏連合は連合して秦を

攻めるも、互いが相手に

先に当たらせて疲れたとこで

戦おうとし、積極的に攻撃を

しなかった。韓軍は秦軍と

対峙するも兵はださず。


そこで白起は見せかけの

陣を布き、自分は全軍を

率いて韓軍の後方の

魏軍の背後を突いた。