三宝荒神(さんぽうこうじん)は仏教の神様で、「仏・法・僧」の三宝を守護していると言われています。
元々荒神は仏典に起源は無く、日本の民間信仰が基になったと考えられています。
ですので、日本特有の神様になります。西日本で信仰されることが多く、瀬戸内海付近は特に盛んなようです。
一般には竈(かまど)の神様、台所の神様として知られています。
親しみ易そうな感じですが、名前の通り気性が荒く怒らせると激しく祟ると言われており、見た目も不動明王に似た憤怒の形相です。
火にまつわる神様ということもあるのかもしれません。
ただし、正しく信仰すれば金運財福を含め霊験著しい神様とのことです。
昔は分家する事を「竈分け」と言ったり、世帯数の事を「竈数」と言ったりするほど竈は特別な存在でした。荒神はその竈に祀られる家の守り神のような存在です。
荒神には一般に「三宝荒神」と「地荒神(じこうじん)」の2つの系統があります。
「三宝荒神」は主に屋内で祀られる一族や地域の守護神です。土着の荒神信仰と仏教や修験道が結びついたものです。
「地荒神」は屋外で祀られることが多く、集落や山の守護神といった性格があります。
神道系の神様として祀られる場合は火の神「カグツチ」や竈の神「奥津彦命(おきつひこのみこと)」・「奥津姫命(おきつひめのみこと)」を荒神として祀っていることが多いようです。
この三神を三宝荒神に置き換えているところもあります。
関西で荒神様をお祀りしている主なところは
・清荒神清澄寺(兵庫県宝塚市)
・笠山荒神社(奈良県桜井市)
・立里荒神社(奈良県吉野郡)
・光三宝荒神社(和歌山県橋本市)
・龍眼寺(大阪府大東市)
・護浄院(京都府京都市)
などがあります。