リプロダクトをしていると、大きな問題がいっぱいあります。
ボディーの悩み
この5年間のわたくしの最大の危機は、コンポジションボディーが入手できなくなったこと。
以前は、長いこと待っていれば数年越しにでも注文したものについては購入できたいたのですが、もう全く手に入りません。
なので、リプロダクトをする人は、もう絶滅危惧種状態です。
オールビスクのミレットや、ペティートサイズを、作る以外にないのです。
そこでわたくしは、昨年からコンポジションボディーを作らざるを得なくなりました。
ボディーを数体作るのに、一月以上も費やすため、今まで以上に制作が滞るようになりました。
ボディーの準備の段階で、わたくしの 制作時間 という資源が消費されることとなったのです。
そもそも、ブリューのシュヴロボディーも、1体制作するのにものすごく時間がかかり、ブリューのヘッドを作りたい衝動にも勝る、ボディー制作の困難がハードルとなっていました。
なので買うことのできるコンポジションボディーで凌ぎたい気持ちでしたのに、コンポジションボディーも、自作するしかないわけです。
モールドの悩み
モールドの原型を取るためのヘッドが、あまり良いものでないため、わたくしたちが入手できるヘッドモールドは、どんなに頑張ってもその銘の代表的な良いお顔には到達できない。
グラスアイの悩み
ペーパーウェイトグラスアイは、表情を完結させるための最大の要素とも言えます。
ところがアンティークのブリューの目のように、光彩がぐりぐりとハリだし白目がセッティングしやすいようにオーバルになったアンティークの目を入手する機会も手段もありません。
現代においては 
Hand Glass Craft 社のものが、おそらく最高峰と言われています。
数年前に初めて個人輸入をしましたが、
「注文が確定しました」
の、画面に切り替わることもなく、メアドにも
「ご注文を承りました」
という、メールさえ届きませんでしたので、決済したにもかかわらず注文したものを閲覧確認することさえできませんでした。
ちょうどその直後、既存のホームページをかたる
偽ホームページ画面に騙されて送金する、といった詐欺被害が話題になり、驚きと不安でいっぱいになりました。
荷物が届くのに半年以上かかりました。
ウィッグの悩み総括して、それら人形にかかわる素材の供給を閉ざされたため、ビスクドールを作り続けることが大変困難
な時代となったということです。
さて、少し気を取り直し、こちらの画像をご覧ください。
最後の仕入れ品となったシーリー社のコンポジションボディー 、貴重な宝物
です。
左；FB14 ３１．５ｃｍ
右；FB16 ４１．５ｃｍ
ボディーのサイズは2インチ（約5cm）刻みなので、この間のサイズはありません。
FBは、フレンチボディーのこと。
対して、GBはジャーマンボディーのことです。
多くのリプロダクターさんたちがお作りになってこられた1番人気のヘッド・サイズはおそらく実寸３５ｃｍにフィットするものだったと思われます。
ところが、この実寸３５ｃｍの需要がもっとも高いはずなのに、
なんと３１．５ｃｍ と ４１．５ｃｍ の間のサイズがなかったことは、当時からたいへん頭の痛いことでした。
だって本来なら、5インチの差なら、５ｃｍの差のはずなのに、ね
。
しかし、もう生産されなくなってしまったコンポジションボディーの困りごとを話しても、一歩も前進しません。
下の写真は、3体ともジュモートリステです。
中央がベベタビト自作のコンポジションボディーFB14（３３ｃｍ）につないでおります。
左はシーリー社のコンポジションボディーFB14
右はベベタビト自作のオールビスク・ボディーFB14です。
オールビスクは、シーリー社とほぼ同じサイズですね。
オールビスクはヘッドと同じ回数焼成を繰り返さねばならず、
そのうえ制作途中で使えなくなってしまう （本焼き時のへたり、ひび割れなど） パーツがひとつでもあると、そのボディーは、次回の焼き期まで完成しません。
そんなわけで、オールビスクはもう御免
だったはずなのに、
コンポジションボディーは、さらに数倍大変でした
やれやれ
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2020/06/03
A・T（アーテー）を1体、お人形の一覧に追加しました
https://bebetabito.com/news/doll-20200603
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