特別捜査★密着24時
花井さんエピローグです♪

全2話です!!


いつも通り"櫻井あず"でレポしてますので

何とぞご理解くださいませ

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ゆっくり瞼を上げると、男がスパナでトイレの窓を外そうとしていた。


(あ・・・・)


私は一瞬にして何があったかを思い出した。

洗面所に携帯を取りに来て、背後から視線を感じた私。

恐る恐る振り向いたその瞬間、いきなり激痛が走り、気を失ったのだ。


(あのスパナで殴られたんだ・・・・。とにかくあの犯人、捕まえないと!)


私はそっと床から起き上がり、立ち上がろうとした。

が次の瞬間・・・・。


あず 『痛っ!!』


頭に激痛が走った。

私の声に犯人が振り向き、スパナを振りかざしてこっちにやって来る。


(まずい、何とかしなくちゃ!)


分かってはいるけど気力だけでは立っていられない。

頭は割れるように痛かった。

それでも私は犯人と対峙した。


あず 『スパナを下ろしなさい。あなたはもう逃げられない!』


犯人 『・・・・・・』


犯人は私の言葉など聞こえていないかのように、一歩一歩近づいてくる。

とその時・・・・。


?? 『残るはここだけだ』


(この声は・・・・)


?? 『一沙、行くで』


(一沙と天王寺さんが来てくれた!)


バンッ

ドアがものすごい音を立てて開いた。

と同時に、犯人が私に飛び掛り、腕をぐいっと引っ張った。


あず 『きゃー!』


一沙と天王寺さんが中に入ろうとすると、犯人がスパナで脅して私を盾にした。

そんな光景を目の当たりにして、2人が固まった。


花井 『櫻井・・・・』


天王寺 『お前・・・・』


一沙は犯人をキッと睨んだ。


花井 『その子を放せ』


犯人 『うるさい!一歩でも動いてみろ、この女を殴るぞ!』


とそこに他のメンバーもやってきた。

みんなも一様に固まり、一歩も踏み出せない。


京橋 『櫻井さん・・・・』


浅野 『まさかとは思ったけど・・・・』


八千草 『あずちゃん・・・・』


2課のみんなを前に、犯人は神経質になってきた。


犯人 『いいな、このまま近寄るな!俺をここから出せ!さもないとこの女の命はないぞ!この女がどうなってもいいのか!』


犯人は一方的にまくし立てる。


(どうしよう・・・・)


そんな中、ふと一沙と目が合った。


(一沙、どうしたらいい・・・・?)


一沙はじっと私を見つめると、

すっと下に視線を降ろした。


(え?)


一沙はもう一度、同じことを繰り返した。

じっと私を見つめ、

下に視線を降ろす・・・・。


(・・・・あ!これ、合図だ・・・・)


一沙は小さく、かすかに頷いた。

私たちはお互いを見つめたまま、呼吸を合わせた。

一沙の唇がわずかに動く。


"せーの"


私は合図に合わせて、犯人の足の甲を思い切り踏みつけた。


犯人 『ぎゃー!』


花井 『天王寺!』


犯人が体勢を崩した瞬間、一沙と天王寺さんが犯人に飛び掛った。


犯人 『放せ!』


一沙は犯人の手からスパナを奪い、天王寺さんは後ろ手に縛り上げた。


天王寺 『観念せえ!』


八千草 『あずちゃん、大丈夫?』


京橋 『本当に驚きました』


浅野 『ケガは?』


あず 『頭を殴られて・・・・』


とそこに1課が駆けつけた。


徳田 『なんだこの騒ぎは!あ、こいつ、こんなところに!!』


天王寺さんが犯人の身を起こしながら、1課を睨みつける。


天王寺 『お前らがぼさっとしてっから、逃げられたんやろ!』


園田 『ぽさっとなんかしてないよ。そいつが勝手に逃げたんだ!』


天王寺 『言い訳すんな!アホ!』


浦田 『なにー!』


天王寺さんが1課とケンカしながら、犯人を連れて行く。

2課のみんなもぞろぞろと洗面所から出て行った。

残ったのは私と一沙、ふたりだけ。







静まり返った洗面所で、ふと見つめ合う。

一沙は私の正面にまわった。


花井 『お前、なにやってんだよ』


真剣な顔で私をじっと見つめる一沙。


(怒られても当然・・・・)


私は唇をきゅっと噛んで、覚悟した。


あず 『・・・・ご』


ごめん、と言い終わる前に、一沙にぐいっと腕を掴まれた。


(怒られる!)


目をつぶった次の瞬間、ぬくもりに包まれた。


(え・・・・)


ふと目を開けると、私は一沙の両腕にぎゅっと抱きしめられていた。


あず 『一沙・・・・』


花井 『ったく』


あず 『・・・・ごめんなさい』


花井 『一瞬、心臓止まったよ』


あず 『本当にごめんなさい・・・・』


花井 『無事でよかった』


あず 『・・・・ありがとう』


花井 『ケガは?』


あず 『スパナで頭殴られた』


花井 『えっ』


腕を緩めると、一沙が心配そうに私の頭を覗いた。


花井 『どこ?』


あず 『ここらへん』


指で場所を教える。


花井 『痛かっただろ』


あず 『うん。ちょっとしたときに激痛が走る』


一沙はそっと髪を掻き分けた。


花井 『腫れてるな。冷やした方がいい。俺が医務室から保冷剤もらって来てやる』


あず 『自分で行くからいいよ』


花井 『ばか。こんなときくらい甘えろ』


あず 『でも・・・・』


花井 『言うこと聞け』


あず 『・・・・じゃあ、ありがとう』


花井 『どういたしまして』


一沙は優しく微笑むと、おでこにそっとキスしてくれた。


花井 『さあ、行こう』


あず 『あ、一沙。その前に手を洗いたい』


花井 『いいよ』


私は蛇口を捻った。

が、なぜか水が出ない。


あず 『あれ?変だなぁ』


花井 『どうした?』


あず 『水が出てこない』


一沙は蛇口をぐるぐると捻った。

でもやっぱり水は出てこない。


あず 『ほら、出てこないでしょ?』


花井 『壊れてるのかな』


2人で蛇口を覗き込んだそのとき・・・・


ピシャーッ!!


花井 『わっ!』


あず 『きゃー!』


大量の水が噴出し、私たちは頭からずぶ濡れになってしまった。









私たちはびしょびしょのまま2課に戻った。


桐沢 『なんだ、お前ら?』


花井 『いきなり蛇口から水が吹き出たんです』


八千草 『あずちゃん、なんだか今日は踏んだり蹴ったりだね』


あず 『そうみたい・・・・』


桐沢さんはタバコをふかしながら、ふっと笑った。


桐沢 『櫻井、お前、頭殴られたんだってな』


あず 『はい』


桐沢 『今日はもう帰って安静にしてろ。ましてそんなずぶ濡れだしな』


あず 『・・・・すみません。ご迷惑お掛けします』


桐沢 『花井、櫻井のこと送っていってやれ。ケガの具合も心配だしな』


花井 『はい、分かりました』


桐沢さんの計らいにより、私たちは帰宅することになった。









私は一沙の車に乗り込んだ。


花井 『俺の家でいいな?』


あず 『え・・・・でも着替えないとならないし』


花井 『俺の服でもいいだろ』


あず 『一沙の服・・・・?でも・・・・』


花井 『いいからうちに来い。わかったな?』


あず 『・・・・うん』


有無を言わせぬ一沙の物言いに、私は仕方なく頷いた。