彼氏と二人で異国の地に居る。
もうすでに夜、吐く息は白くすごく寒い。
英国の雰囲気を醸し出していて、広い通りに大きな建物が並んでいて、オレンジの街灯が通りを隅々まで照らしている。
建物の窓から溢れる光もまたオレンジ色で、黄金色に染める。
(イメージ)
『誰も居ないね……』と辺りを見回しながら呟くと、隣に立っている彼が『今日はこの街の生誕祭みたいだよ』と教えてくれる。
それってキリストの誕生日みたいな感じかな?なんて思いながら歩き出し、路地を曲がる。
路地を曲がると ひとたび通りの雰囲気が変わった。
左手には、インド人が開いているお店がズラーッと並んでいて、呼び込みの要領で店先におじさんが立っている。
チラッと中を覗くと、薄暗い蛍光灯に水色のコンクリートの壁、丸いテーブルが狭い空間にいくつも並べられている。
そしてそこでは沢山の人がご飯を食べていた。
『ふーん。繁盛してるんだぁ…』
と思ったその時、突然…トイレに行きたくなり慌てて彼氏にその事を伝えると、彼氏はそのお店のインド人のおじさんに声をかけた。
すると、『トイレ? 奥にあるよ、入ったら中からシャッター閉められるから』と説明してくれて、私たちはお店の奥に入って行った。
※ シャッター、鍵のような感覚。
奥には左右に二つ、個室の和式トイレがあった(日本の和式トイレより丸みが大きい)左は既に女の人が使用していて、シャッターが閉まっている。
(イメージ)彼氏が『先に入ってやってみるね』と先陣切っていき、おもむろに便器の中に素足を入れて、水をバシャバシャとかき混ぜ始めた。
よく見ると隣の女の人も同じように便器に素足を入れてバシャバシャと水で足を洗うようにかき混ぜている。
しばらくすると、彼氏がトイレから出てきて『見てた? 今みたいな感じだよ』と言い、私と交代する…。
なんか… 嫌だ…。
足を入れたくない…。
そんな気持ちを抑えながら、歯を食いしばり足を便器の中に入れて、同じように見よう見まねでバシャバシャとする。
すると、なぜか…私の時は便器の水が白く濁ってくる。
と同時に足の裏に鋭い痛みを感じた。
足の裏を見てみると、中指の付け根から2、3センチ下辺りに黒い穴が開いているように見えた。
『ヤバイ!! 怪我してた!! こんな水で洗っちゃって感染症起こしちゃう!!』って不安になり焦る。
慌てて外で待つ彼氏に声をかけて足の裏を見せると、穴じゃなくて何かが食い込んでいる事に気付いた。
何かが、少し足から出てるのだ……
黒い…先の細い何かが……。
『やだ!やだ!! 怖い!怖い!!』と叫びながら、傷口から1センチくらいの所をギューーッと押してみると、傷口からその黒い何かが少しづつ外に出てくる。
かなり痛みが走り、恐怖と痛みと不安に『やだ!!やだ!!怖い!!怖い!!』と叫びながらも、一心不乱にギューーッと押し出す。
少しづつ傷口から姿を現わす「それ」は、まるで沢山の血を吸って膨らんだヒルのようで、大きなお腹が出てくる頃には傷口は更に広がりビリッと破れた
痛い…。
でも、こんなのが体内に入り込んだら大変だ。
このまま出し切らないとヤバイ…の一心で押し出す力を緩める事なく 更に力を込めて傷口に向かって押していく。
ってゆうか、ぶっちゃけどんな姿なのか、この先を見るのが怖い…。
いつの間にか、お店のおじさん隣に来ていて固唾を飲んで『その時』を見守っている。
赤黒いヒルのような、虫のような、「それ」はズルズルと押し出されながら、とうとう足の中から出て来たのだった。
「それ」は体長2センチ程で、その半分はぷっくりとした血をたんまり蓄えたお腹で締めている。
それを出すことができて安堵したが、傷口がどんな状態か確認するのが怖くて出来ない…と思ったその瞬間、「それ」は プ〜〜ンと飛んで また私の方に向かって飛んで来た。
手でパシッと払おうと降るが、腰が抜けそうで力が入らない、全然当たらないし、逃げる事もできない。
ひぇっ!!と情けない声を上げたと同時に、『それ』は、私の頭に止まった…。






