マクドナルドで友達とお茶をしている。
新商品のドリンクを『美味しいねー』と言いながら飲んでいる。
帰りがけに姉に電話をして、『今こんなドリンクがあるんだよ』と その新商品の事を教えると『私も飲んでみたいから買ってきてほしい』と頼まれて、帰る前にもう一度レジの列に並んだ。
列に並んでいると 何処からともなく女の子達の話し声が聞こえてくる。
『このお店には小人がいるんだって……』
『あの新しいメニュー表辺りを行ったり来たりしてるらしいよ』
『ジッと見てると見えるだって』
『見えた人いたって…』
『えー!? うそー』
『でもそれって普通に見たんじゃ見えないんだよ…確か…』
と言って、一人の女子高生がドリンクからストローを抜いて皆んなに向けた。
『ストローの底(先端)に穴を開けて覗くと見えるらしいよ』
『なにそれー?!』
と、数人の女子高生達がヒソヒソと噂話をしていた。
そんな話を聞いてしまっては、私も小人を見てみたいと言う好奇心が湧いてきて、聞いた通りストローに穴を開けて覗き込み、一心にメニュー表を凝視した。
すると… 見えた……
縦12〜3㎝ 、横幅7㎝程のボロい服を着た、黒い小人が…。
顔にはクチバシ型の鉄の仮面を被っていて、目の部分は大きく、まるでハエにクチバシが付いたような感じだった。
うわぁっ…!
と思った瞬間、そいつは振り返り、私を捉えて 飛んできた。
服にしがみついて もの凄い勢いでくすぐってくる。
私は驚きと衝撃で後ろに倒れて、余りのくすぐったさに声を上げてバタバタと のたうち回った。
店内にいたお客さん達は誰も「それ」が見えていない、故にいきなり私が暴れ出したと思いザワついていた。
誰も助けてくれない… 助けようがない…。
このまま殺されるのか…と思っていた時、一部始終を見ていた女子高生が近づいてきて、私の体をはたき始めて 店員さんを呼んでくれた。
小人の存在を知っていると思われる店員さんは、何食わぬ顔をして近づいて来て、『パァンッ!』と一瞬 何かをした後に仕事に戻っていった。
すると私の体に付いていた「それ」は居なくなっているようで何の感覚もしなくなっていた。
立ち上がり女子高生にお礼をして、その店員さんに近寄り声をかけた『あの…今なにを……』すると私には目も向けず、トレーを拭いているその人は『何でもかんでも見えるようになればいいってもんじゃないんです、見えない方がいいものもあるんです』と言って、レジの奥へと戻っていった……。
本当にその通りだ…と思った。

