久しぶりに姉の家に遊びに来ている。
リビングテーブルに姉と向かい合わせで座り
お茶を飲んでいる
たわいのない会話を楽しんでいると『そうだ、ちょっと聞いてよ』と 姉は数日前にあった出来事を話し始めた。
『あの人(旦那)突然仕事を辞めたと思ったら…』
どうやら人生の節目を迎えた旦那さんが、何の相談もなく仕事を辞め、早くも次の仕事を決めてきたという事後報告を受けたらしい。
(旦那)『面接に行ったら、ちょうど始まるからってゆう事で、そのまま説明会に参加する流れになって…』
(旦那)『なんか良さそうだったから、そのまま契約してきたよ』
と、その場の流れのまま契約をして帰って来たのだそうだ。
姉は、興奮気味に口数を増やし更に話を続けた。
(姉)『しかも、どんな仕事かって、商品を売り込むテレアポなんだけど、先に商品を自分で購入して、そこからさばいていくシステムなのよ!! なんで契約したのか聞いたら』
(旦那)『本来なら、ひと月辺りに◯ケースで出資が◯◯万円になるらしいんだけど、今期の入社の人に限り 最初の◯◯ケース分を3千円で良いって事なんだよ…そのかわり入社後2年間は退社できないみたいだけど』
『それならできるなと思って…』と伝えてきた旦那に怒りながら、長年健康食品の電話販売をしている姉は更に続ける。
『ちゃんとした◯◯エキスだって受け入れてもらうのも中々難しいのに、それなのにあの人が持って帰って来たの「もやし」だからね』
『 も・や・し !!』
『そんなの誰が飲むんだって話よ!』
と言って、ドンッ!と私の前に[もやし]と書かれたプラスチックのサプリメントを置いた……
これは、流石に売れない…と察した