45・国庫債券(国債)の流れ / 現状を理解しましょう | ビート・マンのブログ

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今年は景気を考える?

日本景気はコロナ以前から重症ですよね
 

 
前回の「国庫債券(国債)の誤解・嘘」で、国庫債券(国債)の4つの誤解・嘘を記載しました。
 

また、その誤解・嘘を国民に広めたのは放送局で、公共の電波で発信される嘘を国民は鵜呑みしました。

 
国庫債券(国債)日本の貨幣で、皆さんの財布の中にある紙幣(日本銀行券)と同じことを理解すると目の前が鮮明に見えてきます。
 
理由が明白ならば対策を考えることができます。
 
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では国庫債券(国債)どのように流通されるのでしょう。また皆さんの財布にある紙幣(日本銀行券)はどのように発行されるのでしょうか。
 
繰り返しになりますが、国庫債券(国債)は政府が発行する貨幣です。発行する場合は支出が必要になる理由が存在します。いろんなケースが存在しますが、災害が発生し、その修復工事が必要になったと想定します。
 
 
例)修復工事で10億円必要になったと想定
 
1-1政府が国会の承認を経て国庫債券10億円分発行
 
2-1民間銀行A(金融機関)が10億円で購入(財政法第5条より、国債を日銀が直接購入できないため)。
 
2-2:購入資金は民間銀行A日銀当座預金から政府日銀当座預金10億円分移動この操作は管理している日銀が行い、その資金は国民の預金ではない。この時点で政府は10億円の負債を持つ
 
3-1政府は手元に入った資金で10億円分の政府小切手を発行し、工事請負会社小切手で支払う工事を請け負う民間企業は、国庫債券を直接受け取っても現金化できないため)。
 
4-1工事請負会社政府小切手民間銀行A持ち込む
 
4-2民間銀行Aは、政府小切手を持ち込んだ(民間銀行Aにある)工事請負会社口座残高10億円増やす
 
4-3工事請負会社は工事に関連する企業に資金を送金。各工事会社は工事に関わった作業者の預金口座に資金を送金する。
 
4-4:この流れで政府発行した国庫債券10億円は、民間企業および工事関係の国民渡り、経済を循環するお金が市場に流れたことで、経済の活性化が行われる(合せて被災した地域も元に戻る)。
 
 
 
補足1:「政府の負債は国民の利益」の言葉を耳にしたことがあると思うが、この流れが言葉の根拠となっている。
 
補足2:気付いたと思いますが、この流れで現金紙幣」は一度も出てきません。全て各口座のデータ移動で、10億円の現金紙幣が移動していると勘違いすると、間違った意見を述べてしまいます。
 
 
 
5-1民間銀行A政府小切手日銀渡す
 
5-2日銀政府日銀当座預金から民間銀行A日銀当座預金10億円分移動2-2操作の逆)。これにより民間銀行A政府日銀当座預金は国庫債券発行前の元の額面に戻る
 
 
 
補足3:民間銀行Aは新たに政府国庫債券を発行した場合、上記の流れで繰り返し国庫債券を購入することができる。
 
補足4:民間銀行A国庫債券購入する利点は利息。現在はデフレ民間企業銀行から資金を借りない。そこで国庫債券を購入し、利息が入ることが重要な収入源になっている(国庫債券は銀行が保有している)。
 
補足5:この時点で10億円国庫債券民間銀行A所有しているが、購入時に日銀当座預金支払った10億円は元に戻っています。理由は政府10億円の債券を2度発行しているからで、後から発行した政府小切手が先に清算されるためこの様な事態になります(ここを理解すると全てがわかる)。
 
 
 
6-1日銀民間銀行A国庫債券を購入する。
 
 
補足6:2013年より安倍政権が行った金融政策日銀民間銀行A国庫債券を受け取り民間銀行A日銀当座預金の残高10億円増やす(この時点で政府の日銀当座預金は減らしていない。つまり政府は民間銀行Aではなく、日銀に対して負債を負っている)。
 
補足7:2014年時点日銀国庫債券所有率18.7%だったが、この政策以降は増え続け2022年3月現在48.2%
 
補足8:民間銀行A日銀当座預金自由に引き出すことが出来ません。理由は日銀の管理で銀行間政府との取引に使う決算用の準備預金だからです。
 
補足9:日銀政府子会社です。政府日銀統合政府と表現すると、政府負債10億円の国庫債券日銀が所有しており、連結決済親会社子会社貸し借りは消滅する。この政府と日銀の関係を知っている人が少ない
 
 
 
 
7-1:これが国庫債券(国債)の流れで、政府は対外負債の利払いや返済がないため、破綻することはないのです。
 
 
補足10:この説明を読んで国債は無限に発行できるのか?それなら日本国民は働く必要がないのか?」と言う人がいますが、国庫債券は一気に無限発行は出来ません。日本の供給能力を大きく超える発行は過度なインフレを招く(2022年のアメリカがその状況)ため、経済状況を確認しながら発行を続けるのがデフレ脱却の道筋になります。
 
 
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日本銀行券の発行は
 
民間銀行Aが自己所有のATM等で紙幣を新たに設置する場合、皆さんの財布にある日本銀行券が必要になります。この場合は日銀当座預金から日銀が必要な額を印刷して渡します(この場合、民間銀行Aの日銀当座預金が紙幣発行分減額される)。
 
民間銀行も信用創造で貨幣を生み出すことができるため、物理的に紙幣が必要な場合のみ依頼します。ただそれだけです。
 
余談ですが、日銀にとって皆さんの財布にある日本銀行券(紙幣)は負債計上されています。物理的に存在する紙幣を印刷して市場に送り込むと負債になる。理解しがたいかもしれませんが、政府が発行する国庫債券が政府の負債なら、日銀が発行する日本銀行券は日銀の負債なのも理解できませんか。
 
 
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正しく知らない要因はメディア
 
これらをメディアが正しく報道すれば国民が混乱することはありません。もしかしたらメディアは国庫債券(国債)の流れを知らないのかもしれません。
 
知っていて正しく伝えないなら、何か政治的圧力が存在するのかもしれません。むしろこの方が怖いですね・・・
 
 
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国庫債券(国債)日本の貨幣です。
 
皆さんの財布の中にある紙幣と同じことを理解すると目の前が鮮明に見えてきます。
 
 
理由が明白ならば対策を考えることができます。
 
 
貴方が生まれてから現在まで、欲しいものを躊躇なく購入し、親・配偶者・パートナーや住まいにも恵まれ、不自由なく生活してきたなら問題はありません。しかし日本国民の半数近くが低所得者層と呼ばれる現代において、不満を抱いているなら現状を理解する努力は必要だと思います。
 
 
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民主主義は選挙で決まる。これが現実なので国民の皆様、諦めてしばらくは耐え忍びましょう。但し、私も含めて次回選挙(2025年)までに、デフレ脱却に関してもう少し学んでいきましょう。

 

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本ブログのテーマは「デフレを脱却するには」です。