The Beatles Record Collection Update -3ページ目

The Beatles Record Collection Update

中学三年生の頃から集め始めたビートルズのレコード。
"The Beatles Record Collection"Webサイト
→http://www.yokono.co.uk/collection/beatles/beatles.html
に掲載している中からレア盤を中心にコレクションを紹介していきます。

前回のつづき。

The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
「Paperback Writer(R 5452)」のプッシュアウトとソリッドセンターのもうひとつの違いは、レコードの「ふち」の形状でした。

Parlophone (EMI)製のレコードはレコードのふち部分を横から見るとフラット(平ら)になっているものが一般的ですが、このソリッド・タイプは端にいくほど薄くなる「ナイフエッジ」と呼ばれる形状になっています。

このレコードの「ふち」の形状には大きく三種類あり、各レコード会社の特徴にもなっています。
EMIやDeccaは「フラットエッジ」、PhilipsやOriole、CBSはナイフエッジなど、それぞれのプレスによって異なる形状をもっています。
さらに最近のレコードは、針が内側に落ちやすいように/重ねたときに溝の部分の擦れを防ぐように少し膨らんだ形状になっており、これを「Groove Guard」タイプと呼ぶようです。

1)Flat Edge               2)Knife Edge             3)Groove Guard
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
ビートルズのレコードがプレスされていた時代に限っていうと、ほぼ1)フラットもしくは2)ナイフどちらかに分類されます。
プッシュアウトタイプの「ふち」は、EMIの特徴であるフラットエッジ、そしてソリッドセンターは「ナイフエッジ」でした。

もしかしたら、ソリッドタイプのシングルを作る工場の特徴かな?と思い、手持ちのソリッドタイプを全部調べたところ、
The Beatles Record Collection Update

すなわち、
A ファーストプレスとしてリリースされたソリッドセンターはすべてフラットエッジ
=Eleanor Rigby(1966年8月5日リリース)以降、Let It Be (1970年3月6日リリース)まで

B 再発盤としてリリースされたソリッドセンターは、すべてナイフエッジ
=Paperback Writer(1966年6月10日リリース)以前

C Oliole、Pyeなどに委託されたソリッドセンターもナイフエッジ

というふうに分類できます。

英国メジャーレコード会社のレーベル研究本「LABELOGRAPHY」によると、EMIがソリッドセンターを製造しはじめたのは1966年11月とあります。
なので、厳密にいうとエリナ・リグビーはファーストプレスではありませんが、ほぼ同時期ということで初盤扱いとさせていただきました。
The Beatles Record Collection Update

問題は、B:「再発盤」のソリッドセンターがどのようにリリースされたかですが、これについては結局よく分かりませんでした。これらのレーベルには全て「SOLD IN U.K.」の文字がある(「I Want To Hold Your Hand」を除く)ので、1969年以前ともいえますが、そうすると1970年までフラットエッジが使用されていたことと矛盾します。
とすると、やはり工場もしくはプレス会社が違うのでしょうか。

この「ふち」形状についての情報はあまり多くないので、これ以上は分かりませんでしたが、なにかご存知のかたがいらっしゃったらぜひご一報ください。
これまでに何度かご紹介しましたが、英国盤のシングルには形状のことなる2種類が存在します。
家庭用のプレイヤーとジュークボックスと両方対応できるように、中央部分が取り外ししやすい形状(取り外すとドーナツ盤になる)のプッシュアウト・センター(Push-out Center)(左)、LPと同じように中央に小さな穴だけ空いているソリッドセンター(Solid Center)(右)です。
The Beatles Record Collection Update   The Beatles Record Collection Update

1967年の夏頃から、パーロフォンはこの2つのタイプを両方製造するようになったようです。
「Strawberry Fields Forever(R5570)」1967年2月17日発売(14枚目のシングル)以降では、ごく普通にプッシュアウト、ソリッド両方見かけます。
また、それ以前のシングルについても、リイシューされたものについてはどうやらソリッドタイプを製造したようですが、全てのシングルについて存在するのかどうかははっきりしていません。

ちなみに、私がソリッドタイプの存在を確認したのは、
・I Want To Hold Your Hand(5枚目のリリース)
・Can't Buy Me Love(6枚目)
・Help!(10枚目)
・We Can Work It Out(11枚目)
・Paperback Writer(12枚目)
・Yellow Submarine(13枚目)
・Strawberry Fields Forever(14枚目)以降の全てのシングル
です。

すなわち、まだ見ぬソリッドセンターは、
・Love Me Do(1枚目)
・Please Please Me(2枚目)
・From Me To You(3枚目)
・She Loves You(4枚目)
・A Hard Day's Night(7枚目)
・I Feel Fine(8枚目)
・Ticket To Ride(9枚目)
この7種類です。

英国盤レコードガイドブックの草分け的存在である「The Beatles Collecting The Original U.K. Pressings, 1962-1970:Mitch Scharoff著」によると、1967年6月当時のEMIマスターカタログでは、「Love Me Do/Please Please Me/From Me To You」が廃盤扱いになっており、この最初の三枚だけはソリッド・センタータイプが存在しないかもしれない、と書いています。
逆に言うと、それ以外はすべてソリッド・センターが存在する、ということになるのでしょうか。
謎は深まる一方です。。


前置きが長くなりましたが、ソリッドタイプの中でも、あまり市場に出回らないもののひとつ、「Paperback Writer/Rain(R 5452)」1966年6月10日発売をご紹介します。
ちょうど来日公演の直前に発売されたこともあり、武道館でも披露された曲として有名ですが、ファーストプレスはプッシュアウトセンター、1967年にリイシューされた際ソリッド・センターオンリーで製造されたと英国「Record Collectors "Rare record Price Guide 2012”」に記載されています。

で、こちらがそのソリッド・センターです。
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
ディスクはこちら。
The Beatles Record Collection Update
レーベルのアップです。レイアウトや書体はプッシュアウトセンターと全く同じです。
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
↓こちらはプッシュアウト・センター
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update

ソリッド・レーベルのクローズアップです。
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
レーベル周囲には、「THE GRAMOPHONE CO. LTD.」の社名、音楽出版社名は「NORTHERN SONGS, NCB」、センターには「SOLD IN U.K.」の文字があります。
また、マトリックス・ナンバーは、
7XCE 18380 - 2
7XCE 18381 - 2
で、ファーストプレスからとくに変更なし。
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
というわけで、ソリッド・センターであること以外は、一般的なプッシュアウト・センターと全く同じように見えますが、実はもう一カ所異なるポイントがありました。

それについては次回(さらに超マニアックな世界です)。

レコードの詳細はこちら

http://www.yokono.co.uk/collection/beatles/uk/single/single_original_p3.html##12-4
スリーブの変遷、最終回はApple Recordsのオリジナルスリーブです。

このころビートルズは、彼らのマネージャーだったブライアン・エプスタインの死後、マネージメントをすべて自分たちで行うと宣言します。
1968年4月22日、ロンドンのサビル・ロウ・ストリートに事務所を構え、傘下にレコード、映画、音楽出版、ブティックなどの部門を擁した「Apple Corps Ltd.(アップル・コア)」を設立しました。そして同年5月14日に、ジョンとポールはニューヨークのアメリカーナ・ホテルでアップル設立の記者会見を開催。
The Beatles Record Collection Update
さらにその約3ヶ月後の8月30日、アップル・レコードから記念すべき最初の4枚が同時にリリースされます。

The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update

「Our First Four」と名付けられたプロモーション・キットの中には、
The Beatles:Hey Jude/Revolution(R 5722)
Mary Hopkin:Those Were the Days/Turn! Turn! Turn!(Apple 2)
Jackie Lomax:Sour Milk Sea/The Eagle Laughs At You(Apple 3)
Black Dyke Mills Band:Thingumybob/Yellow Submarine(Apple 4)
この4枚が入っていました。

ところで手元にあったアップル・レコードのカタログを見てみると、この4枚の発売日は8月31日となっています。また、他のビートルズのシングル盤も微妙に日付が異なるものがありますが、単なる誤植でしょうか。
(表紙)                         (裏)
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
(P2)                          (P10)
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update

スリーブの話に戻ります。
アップル・ブラックスリーブは、
Hey Jude/Revolution(R 5722) 1968年8月30日発売
Get Back/Don't Let Me Down(R 5777) 1969年4月11日発売
Ballad of John and Yoko/Old Brown Shoe(R 5786) 1969年5月30日発売
Something/Come Together(R 5814) 1969年10月31日発売
これらのシングルで使用されました。


Apple sleeve type-1A
(1968年~1969年にかけて?)
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
The Beatles Record Collection Update
表・裏ともに、グリーンで「Apple」と印字されています。
レコードの取り出し口は波形で、パーロフォン・カンパニースリーブの形状を引き継いでいますが、構造は両サイド糊付タイプに戻りました。
The Beatles Record Collection Update
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
なお、Appleスリーブは、紙質にツヤのあるものと艶消しのものと2種類あるのですが、このType-1Aについては艶消しのものをまだ見た事はありません。

※追記(2012年2月16日)
アップルの時代になると、ウェーブカットの山の位置はまた昔に戻ってしまいました。


The Beatles Record Collection Update
The Beatles Record Collection Update
どうしてもどったのかは不明。
時代順に並べるとこんな感じになります。
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update

Apple sleeve type-1B (1969年~1973年にかけて?)
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
レコード取り出し口の形状が、レコード盤をつまみ出しやすい「ダイカット」に替わり、糊付位置も下部+右サイドに変更。
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
これらスリーブType-1Aと1Bでは、どちらが先なのか明確な根拠はないのですが、このType-1Bの形状は前回ご紹介したGreen sleeve type-9Bとよく似ているため、同時期に作られたものではないかと考えました。


Apple sleeve type-1C(1971年~1976年にかけて?)
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
紙質が、艶消しタイプに替わりました。スリーブの形状は替わっていません。
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update


Apple sleeve type-2(1976年以降?)
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
このスリーブのリリース時期もよくわからないのですが、「Something (R 5814)」の1976年再発盤が入っていたので暫定的に76年以降としました。
またスリーブの形状は、取り出し口がフラットな直線となり、糊付も内側での接着方式に替わりました。
The Beatles Record Collection Update

The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update
中央の穴のサイズも若干小さいようです。レーベルの周りのテキストが見えなくなっています。
(Type-2)                       (Type-1B)
The Beatles Record Collection Update The Beatles Record Collection Update


というわけで、数回にわたり、ビートルズ時代のパーロフォンおよびアップルのスリーブを紹介してきました。日本国内ではなかなか確認のできないことも多いので、また訂正・追加があるかもしれませんが、いったんこの回で終了です。
また、この情報はホームページでも紹介してますので、よかったらそちらもご覧ください。

http://www.yokono.co.uk/collection/beatles/uk/guide_single_sleeve_history1.html