映画『サクラメント 死の楽園』50点 | 阿部将一のブログ

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この映画の元は、1978年に起きたカルト教団「人民寺院」による集団自殺事件。


約900人の死者を出し、その内300人が自殺を強要された悲惨な事件だ。

しかも、教団の村から抜けようとした信者と、それを手助けした視察団が空港で信者たちに襲われ、議員を含む視察団5名が亡くなったというのも恐ろしい。


Wikipediaの『人民寺院』のページには、集団自殺時の録音テープ『死のテープ』が残っている。

なんでも公開される時代なんですね。


この惨劇は9.11の同時多発テロが起きるまで、故殺(意図的に人を殺すこと)としてアメリカ内で最も被害者を出した事件となっていたらしく、事件の大きさを物語っている。


そんな、あまりにも凄まじい惨劇を元にした本作は、取材陣が教団の村に取材をしに行くというスタイルで始まる。

そのメディアが、潜入取材を得意とするVICEというのが、現代的で面白い。


だけど作品では、教団の闇が上手く描けてなくて、あんまり怖くない。

怖くないのに突然、集団自殺が始まるのだから、なんだろうなぁって消化不全を起こしてしまう。


あと、本作のほとんどが潜入したVICEのカメラで映されるという主観ショットで作られている。

正直なところ、メディアが1日中、何でもかんでもカメラに収めてるわけではないので、そこで違和感を感じてしまう。

『なんでここでカメラ撮ってるの?』みたいなシーンが何回もあって、作品を構成するために、主観にしてるのが伝わってきて、とても萎える。

リアリティってすごく大事なのに。


同じく主観ショットで作られた映画といえば『ブレアウィッチプロジェクト』が有名だけど、あれはストーリーが飛びすぎるんだけど、逆にそれがリアルで良かった。


で、もう一個萎えるのが、血糊が雑すぎる。

オレンジ色の血糊ってハッキリ分かる。

なぜオレンジ?

あと、銃で2発撃たれたくらいでは死体は血でベチャベチャにならないと思う。


ということで、思ったよりB級作品で、教団の恐ろしさがあんまり伝わってこない作品でした。