これは、わたしの20年近くにわたる、

都内、ないしは周辺の「音盤ぶらり旅」でも

実に印象深い想い出のレコ屋さんでした。


前稿で、もう渋谷・新宿に決めた!と

書きましたが、本稿は「番外篇」とでも

捉えてください。

テーマがあちこちでスミマセン(*´σー`)


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そろそろ都内も殆んど行きつくしたかなぁ・・・

と思っていた頃でした。

創刊号から愛読している、

「レコード・コレクターズ」や、

姉妹誌「ミュジック・マガジン」に広告を

毎月のように出しているF店

以前から気になっていましたので

脚を伸ばしてみようかな、と思ったのです。


ここまで書いたら、事情通の方なら・・・・・

ははぁ、あの店か?!とお分かりかと思いますが

よかったら、お付き合いください。


お店は下北沢にありました。

小田急線で行かなくてはなりません。

新宿から始発で出ている私鉄です。

観光で乗った事にある方なら、

「ロマンス・カー」等で有名です。


往時は全盛を誇った「向ヶ丘遊園」が

あったりします。今は廃墟と化しているはずです。



昭和レコ屋よもやま話 昭和レコ屋よもやま話

新宿から15分くらいでしょうか。

若者の文化の街、ライヴ・ハウスの街、

色んな表情を持っている「下北沢」に到着します。

都内から離れているにもかかわたらず、

この街は独特の文化を発信しています。

街並みはなんという事はないのですが

不思議な雰囲気が漂うところです。


駅前から数分のところに、

このF店がありました。

ここはアナログ・レコード、それも輸入盤の

専門店で名前は全国区で知れ渡っているでしょう。

CDなどは一枚も売ってはいません。


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そして、特売日(セール)は開店時間が

遅いとの広告記事もありましたので、

その日は午後二時半くらいに到着しました。

行ってみると、まだシャッターが開いていません。


仕方がないので、座るところもなく

疲れてきましたので歩道のガードレールに腰掛け

じっと待っていました。

ほどなくすると、廻りに人が集まってきました。

様子を見ていると、どうも同じ目的で

集まった同好の士らしいのです。


間もなく、一台のタクシーがお店の前に停まりました。

颯爽と降りてきたのは、

ここの店主でした。

初めてのお見かけしたのですが、

雰囲気上察しがつくというものです。


「どうも、お待たせしました、スミマセン・・・」

ではありませんでした。

普通なら、そういう言葉が発せられる場面です。

ただ、シャッターを開けて、待っている人々を

視線で誘導しているのみです。

いわば、お客様を一時間以上も待たせておいて・・・・・

それはないよなぁ・・・・・(`ε´)

まず、最初の違和感はこれでした。


※そして、今回の中古レコ屋探訪はアナログ目的としては

 初めての「ぶらり旅」だったのです。

 何もかも新鮮に感じれる、若い(今よりはちょいとですが(*^.^*)

 わたしだったのです。感受性がビンビン跳ねている時期でした。

結局、その日かぎりで

わたしは「ブラック・●●●●」へは

足を運ぶ事はありませんでした。


この高田馬場以外にも

都内の山手線界隈の中古屋さんを

ほうぼう尋ねたのですが、

時間をかけて行ったわりには

おしなべて、収穫はなかったので

(同業者の皆様スミマセン)

これを機会にして

やめる事にしました。


長い物にはまかれろ、という事が

身にしみて分かったからです。


つまり、都内の大手=例えば、

デイスク・ユニオンの

各店を廻ったほうが効率も良く、

狙いのブツにも遭遇する確率が高い、

という事が分かったのです。

当たり前のようですが、

実際あちこち探訪しての結果としての

実感、事実でした。

レコファン各支店廻りも結果が出ました。


個人経営の各お店もそれぞれの個性があって

これが面白いといえば、そうなのですが

絶対滞在時間が二日しかありませんから

(働く身としては、これが限度です)

やはり効率良く過ごしたいのです。


これ以来、渋谷・新宿地区が

メインとなりました。


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昭和レコ屋よもやま話 昭和レコ屋よもやま話

この稿①で触れた、同じ高田馬場の

噂の名店「タイム」ですが、

レコードの盤面チェック=几帳面な

商品扱いが、この名店の所以(ゆえん)たる・・・の根拠かな?

と思って帰ってきました。

いわゆる「町の中古屋さん」の品の良い、

典型的なお店だ、という事です。


一番面白かったのは、

二階にも売り場があって

そこの商品は全部均一価格だった、

という事です。300円くらいでしたでしょうか。

守備範囲が広い方だと

思わぬ拾い物があるかもしれません。

でも、所詮300円ですから・・・・・('-^*)/。


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その後の「ブラック・●●●●」ですが、

帰ってからもHPの方はチェックしていましたが

KISS関連のネット通販をメインに

やられているようでした。

「レコード・バーゲン中」のバナーに行っても

「工事中」が長く続いていました。


・・・・・そうしてしばらくして、

サイトも消えていまいました。

おそらく廃業・・・したと思われます。


なんだか店主の面影が思い出されて

複雑な気持ちでした。

無念だったと思います。

でも、KISSは永遠です。


今も、どっかでKISSを愛しているんだと思います。

とにかく熱心にPCに打ち込んで

おられるので、

共通の話題でもと思い、CDのコーナーへ

行ってみる事にしました。


「おすすめのCDは何かありますか?」

と、わたしの好きなジャンルを伝えると

数種類棚から取り出してきました。


なるほど、知識はかなりお持ちのようです。

こういった言い方は失礼なのですが、

てっきりKISSオンリーの方だと思ってしまったのです。


せっかくですから、お勧めのCDを数枚買って、

レコードと合わせて、しめて二万円くらいになりました。


・・・・・でも、相変わらず

お客様は誰も来店されません。


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KISSだけでは限界がある・・・・・

そう思いました。



昭和レコ屋よもやま話 昭和レコ屋よもやま話

話しはそれますが、

こういったタイプの専門店は、以前から都内にありました。

ビートルズで有名な「ゲット・バック」=もとは原宿にありました。

R・ストーンズの「ギミー・シェルター」=今は無き、新宿の

大型店「ヴァージン・メガ」の二階に同居していました。


昨年、渋谷に行った時には

現在の「BOOK OFF」の前身のビル=渋谷パルコ・クアトロ

(同じビルですが、ここには西武系列のWAVEもありました)に

「ACDC」の専門店がOPENしていました。

これはさすがにビックリしていまいましたね。


わたしも「ACDC」はオーストラリアで活躍中の

70年代中半からの大ファンですが、

まさか「ACDC」で商売が成り立つとは

考えもしませんでした。


更に驚いたのは、先のR・ストーンズの「ギミー・シェルター」が

同じビルに移転開店したのです。

ギョッとしました(@_@)。

いくら渋谷のど真ん中でも・・・果たして、どういうものか?

・・・・・と思っているうち、

数か月後に、また渋谷に行ってみたら

どちらのお店も姿を消していて、

見事に「BOOK OFF」に変身していました


「ギミー・シェルター」

今はWEBオンリーのお店になったみたいです。

時代の流れと言うべきでしょう。

「ACDC」のお店のその後は分かりません。


やはり都会と言えども、

こういったワン・アーティストの専門店の経営は

難しいものなんだなぁ・・・と痛感しました。


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でも、このKISSのお店のオーナーは

ネットにHPをUPして

まだまだ頑張るつもりらしいのです。

この点は、前述の「ギミー・シェルター」より

数年も先見の明があったという事になります。


HPはキチンと更新されていきました。