【旅する占い師】ロジウラブックス営業雑感 -30ページ目

【旅する占い師】ロジウラブックス営業雑感

北海道から鹿児島に移住して10年経ちました。
☆旅する占い師!☆
鹿児島市 名山町バカンスを中心に県内各地のイベント等に出店しています。
タロット占い10分程度¥1000~

彼女との別れ - 「もう私たち無理かも」と言われ、さらにどん底へ

母の体調が悪化し、父の足腰も弱くなり、いよいよ介護という現実に向き合わなければならなくなった。

兄貴に相談しても、遠方にいることを理由に「そっちで何とかしてくれ」と言われ、俺はますます孤立した気分になった。

57歳、仕事なし、実家暮らし。
これまでも厳しい状況だったが、ここへきてさらに厳しさを増している。
 

「……これ以上、何を失うんだよ」

そう思いながら、俺は彼女と会うために駅へ向かった。

最近は母の看病や家事に追われ、彼女と会う時間も激減していた。
「久しぶりに会いたい」と連絡すると、すぐにOKが返ってきたが、どこか素っ気ない感じがした。

嫌な予感がする。

俺たちは、いつものカフェで向かい合った。
 

「忙しそうだね」

彼女はコーヒーをかき混ぜながら言った。

「ああ、まあな。母さんが倒れたし、父さんも足が悪くなってきてるし、色々とバタバタしてて……」

「そっか……」

彼女の返事は短い。

「最近、連絡も少なかったし、正直ちょっと寂しかったよ」

「悪い……ほんとに色々あってさ」

「うん、わかってる」

彼女はそう言ったが、その表情にはどこか冷めたものがあった。

「……でもさ」

彼女がカップを置き、俺をまっすぐ見つめた。
 

「私たち、もう無理かもしれない」

心臓が止まりそうになった。

「……え?」

「私たち、何か噛み合ってない気がするんだよね」

「そんな……いや、確かに最近あまり会えてなかったけど、でも、それだけで……」

「それだけじゃないの」

彼女は静かに首を振った。
 

「ユウスケのこと、ずっと応援したいと思ってた。でも……なんだろう、最近は、お互いに違う方向を向いてる気がするの」

「違う方向?」

「うん……私は、もっと前を向いていたいの。でも、ユウスケは、なんていうか……いつも苦しそうにしてる」

俺は言葉を失った。

「もちろん、家族のことが大変なのはわかるよ。だからこそ、無理してほしくないし、幸せになってほしい。でも……私は、もうどうしたらいいのかわからなくなってきた」

「俺は……そんなにダメか?」

「ダメなんじゃなくて、合わなくなってきたんだと思う」

彼女の言葉が、鋭いナイフのように胸に突き刺さる。
 

「ごめんね」

彼女は申し訳なさそうに言った。

「ずっと考えてたんだけど……やっぱり、別れたほうがいい気がする」

俺は答えられなかった。

言葉が、喉に詰まったように出てこなかった。

「……わかった」

それだけ絞り出すのが精一杯だった。

彼女は、少し寂しそうに微笑んで、立ち上がった。
 

「元気でね」

そのまま、彼女は店を出て行った。

俺は、一人テーブルに座り続けた。

コーヒーは、すっかり冷めていた。


さらにどん底へ

実家に帰ると、父がリビングでテレビを見ていた。

「遅かったな」

「ああ……」

「……何かあったのか?」

「いや、別に」

そんなこと、父に話せるわけがない。

俺は自室に戻り、ベッドに寝転んだ。
 

母の体調悪化、父の衰え、兄貴の無関心、そして彼女との別れ。

立て続けに起こる出来事が、俺の心を完全に押し潰そうとしていた。

「もう、ダメかもしれないな……」

タフティメソッド? 意識のスクリーン? そんなもの、何の役にも立たなかった。

未来を思い描くことすらできないほど、俺は追い詰められていた。
 

人生のどん底。

そう思いながら、俺は深いため息をついた。

 

 

 

8.両親の体調悪化 - 介護の問題が現実味を帯びる

ここ最近、妙なことが続いている。

タフティメソッドの本を読んでから、意識のスクリーンに映したことが次々と現実になっている気がする。
たまたまかもしれないが、「誰かに奢ってもらいたい」と思えば本当に奢ってもらえたし、「仕事の話が来たらいいな」と思えば、昔の仲間から誘いがあった。

 

「これは、ただの偶然なのか……?」

そんなことを考えながら、俺はリビングに向かった。

すると、そこには母がソファに座り込んで、苦しそうに胸を押さえている姿があった。

「母さん!? どうした!?」

慌てて駆け寄ると、母は苦しげに顔を歪めた。

「ちょっと……息が苦しくて……大丈夫、大丈夫だから……」

「全然大丈夫に見えないけど!」

俺は急いで父を呼んだが、父も体調が良くないのか、ゆっくりと歩いてくるのが精一杯のようだった。

 

「母さん、病院行こう」

「いいのよ……ちょっと疲れてるだけだから……」

そう言いながら、母は額の汗を拭う。
普段なら「心配しすぎよ」と笑ってごまかす母だったが、今回は違った。顔色が異様に悪い。

「……救急車、呼ぼうか?」

俺がそう言うと、母はかぶりを振った。

「それだけはダメ。大げさにしないで」

母は昔から病院が嫌いだった。少しくらいの体調不良なら寝て治す、というのが彼女のスタンスだった。
だが、今の状態は明らかに普通ではない。

 

「じゃあ、タクシーで行くから。いいな?」

「……うん」

珍しく母は反論せずに頷いた。

それが、逆に怖かった。

父と一緒に母を支えながらタクシーに乗せ、近くの総合病院へ向かった。

現実としての「老い」

検査の結果、母は軽い狭心症と診断された。
幸いにも大事には至らなかったが、「これからは無理をしないように」と医者に釘を刺された。

帰りのタクシーの中で、母はため息をついた。

「……こんな体になっちゃったのね」

「母さん、ずっと無理してたんだろ? もう少し自分の体を大事にしろよ」

「そうね……でも、まだまだ家のことやらなきゃいけないし」

「家のことは俺がやるよ。もう無理しなくていいから」

母は俺の言葉に微笑んだが、その目にはどこか寂しさが滲んでいた。

その後、実家に戻ると、今度は父がげっそりとした顔で俺を見た。

「おい……母さん、大丈夫なのか?」

「大丈夫ってわけじゃないけど、命に別状はない。でも、これからはちゃんとケアしないといけない」

「そうか……」

父は少しホッとしたようだったが、すぐに表情を曇らせた。
 

「……俺も、最近調子が悪くてな」

「え?」

「腰が痛いのは前からだったが、最近は膝までおかしくなってきた。歩くのがしんどいんだ」

俺は言葉を失った。

母だけじゃない。父まで弱っている。

つまり、介護の問題が目の前に迫っているということだ。

介護の現実

それから数日、俺は家の中の仕事をできるだけ引き受けた。
母の代わりに買い物に行き、料理をし、洗濯をし、父の足腰が痛まないように部屋の配置を変えた。

だが、正直に言えば、俺一人では限界がある。
 

「兄貴に相談するか……」

俺には遠方に住む兄がいる。昔から仕事が忙しく、滅多に実家に帰ってこないが、両親のことは気にかけているはずだ。

そう思い、久しぶりに電話をかけた。

「もしもし、兄貴?」

「おお、どうした?」

「ちょっと相談があるんだけど……母さんが狭心症って診断されてさ。あと、父さんの足も悪くなってきてる」

「……マジか」

電話の向こうで、兄貴が息を飲むのが分かった。
 

「だから、これからのことを考えないといけないと思うんだよ。介護のこととかさ」

「……そうだな。でも、お前、まだ実家にいるんだろ?」

「まあ、そうだけど」

「じゃあ、そっちで面倒見れるんじゃないか?」

俺は一瞬、言葉を失った。

「いや、そりゃ俺もやるけど、一人じゃ無理だよ。お前も何かしら手伝えないか?」

「俺も仕事が忙しくてな……介護施設とか考えた方がいいんじゃないか?」

「でも、母さんは施設なんて嫌がると思う」

「じゃあどうしろっていうんだよ?」
 

兄貴の言葉に、俺は何も言えなかった。

俺一人で、両親の介護をどうにかできるわけがない。

でも、現実として、両親はもう若くない。
そして、俺は57歳で無職に近い状態。

未来をスクリーンに映せば変えられる——そう思い始めた矢先に、これだ。
 

「……試されてんのか?」

俺は天井を見上げながら、呟いた。

これから俺は、どうするべきなんだろう。

 

 

 

 

 

奇妙な出来事が増える - 何気なく考えたことが現実になり始める

タフティメソッドの本を買ってから、俺はその内容を繰り返し読んだ。

「世界はあなたのスクリーンである」
「過去や現在の状況に囚われず、望む未来を意識のスクリーンに映すことで、それは現実となる」
「自分の現実を選べ」

本には、まるで魔法のようなことが書かれていた。
最初は「そんなバカな」と思ったが、頭の片隅では「もし本当にそんなことができるなら……」という期待もあった。

とりあえず、試しに「自分の未来をスクリーンに映す」というのをやってみることにした。

まずは簡単なことからやってみよう。
 

「そうだな……久しぶりに、誰かに奢ってもらえたらいいな」

俺はソファに座りながら、そう思った。
最近は金もないし、誰かに奢ってもらえるようなことは全くなかった。
でも、本当に「望む未来を映せば現実になる」のなら、それが起こるはずだ。

そうして翌日、俺はいつものように駅前のカフェで時間を潰していた。

すると、突然背後から声をかけられた。
 

「ユウスケ? もしかしてユウスケか?」

振り向くと、そこには昔のバイト仲間だったヤスが立っていた。

「お前、めっちゃ久しぶりじゃん! 何やってんの?」

「いや、ちょっとコーヒーでも飲みながら考え事をな……」

「マジか! 俺、今ちょうど仕事帰りでさ、良かったら奢るよ」

「えっ?」

思わず耳を疑った。

「いやいや、悪いよ。そんなつもりで会ったわけじゃないし……」

「いいからいいから! たまには昔話でもしようぜ!」

そう言って、ヤスは俺の分のコーヒー代を払い、俺に手渡した。

「……マジか」
 

俺はコーヒーを受け取りながら、心の中で驚いた。

昨日、「誰かに奢ってもらえたらいいな」 と思っていたことが、実際に起こったのだ。

もちろん、単なる偶然かもしれない。でも、それにしてはタイミングが良すぎる。

その後、ヤスとしばらく話し、久々に懐かしい気分になった。
だが、俺の頭の中は、別のことでいっぱいだった。

「……本当に、思ったことが現実になった?」

そう思うと、少し試してみたくなった。

その翌日、俺はまた「スクリーンに映す」実験をしてみた。
 

「そうだな……誰かが、俺に仕事を紹介してくれる、とか?」

俺は、そんな未来をスクリーンに描いた。

すると、その日の夕方、スマホが鳴った。

「もしもし?」

「ユウスケ? 久しぶり! お前、まだ仕事探してる?」

電話の相手は、昔の飲食仲間のナオキだった。

「え? まぁ、そうだけど……」

「実は今、俺が働いてるレストランで人手が足りなくてさ。もし良かったらどうかと思って。昔、お前と一緒に働いたことあるし、信頼できるからさ」

「……マジか」
 

またしても、俺が「スクリーンに映した」ことが現実になった。

この偶然の一致は、一体なんなんだ?

本当に「意識のスクリーン」を使うと、現実が変わるのか?

俺はすぐに答えを出せなかったが、確かに、ここ最近は妙なことが続いている。
 

そして、極めつけはその翌日のことだった。

俺は駅前を歩きながら、ふと「タロット占いの客がもう一人だけでも来たらいいな」と考えた。

もう店を畳むと決めたとはいえ、最後にもう一度だけ誰かを占ってみたいという気持ちがあった。

すると、その夜、信じられないことが起こった。

スマホに見知らぬ番号から着信が入ったのだ。
 

「もしもし?」

「あの……タロット占い、まだやってますか?」

俺は一瞬言葉を失った。

「え、ええ……」

「以前、友人が占ってもらってすごく良かったって言ってて。
最後にどうしてもお願いしたくて」

俺は心臓がドクドクと高鳴るのを感じた。

ついさっき、「もう一人だけでも占いたい」と思ったばかりだったのに、それが現実になったのだ。

この出来事が単なる偶然と言えるだろうか?
 

もしかして、本当に「世界は俺のスクリーン」なのか?

俺は本を開き、改めてタフティメソッドのページを読み返した。

「過去や現在の状況に囚われず、望む未来を意識のスクリーンに映すことで、それは現実となる」

俺は今、まさにそれを体験しているのかもしれない。

この力が本物なら、俺の人生も変えられるかもしれない——。

そんな期待と興奮が、俺の心を支配していた。

 

 

 

 

 

タフティメソッドとの出会い - 本屋で手に取った本に「人生は自分のスクリーン」と書かれていた

「店を手伝わないか?」

タカシからの誘いを受けた帰り道、俺の頭の中はぐるぐると回っていた。

飲食業にはもう戻らないと決めていたはずだった。
体力的にもきついし、長時間労働が当たり前の業界。
なのに、なぜかタカシの言葉が頭から離れない。
 

「偶然にしてはできすぎてるよな……」

そう呟きながら、俺はいつものように駅前の本屋に立ち寄った。特に目的があるわけじゃない。
ただ、時間をつぶすにはちょうどいい場所だった。

雑誌コーナーを冷やかし、ビジネス書の棚を眺め、自己啓発のコーナーへ足を運ぶ。
何かのヒントが見つかればいい。そんな気持ちだった。

そして、ふと手に取った本のタイトルに目が止まった。
 

『タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド』

表紙には、どこか神秘的な雰囲気を漂わせる女性のイラストが描かれていた。

「……人生を思い通りに?」

今の俺にとって、それはあまりにも魅力的な言葉だった。

パラパラとページをめくると、最初の方にこう書かれていた。

「世界はあなたのスクリーンである」

その瞬間、俺の脳内で何かがつながった。

あの老人が渡してきた紙切れに書かれていた言葉と、まったく同じだったのだ。
 

「……なんだこれ」

ページをめくる手が止まった。

偶然だろうか? それとも、何かのメッセージなのか?

半信半疑のまま、俺は本の内容を読み進めた。

「人生は、あなたが意識のスクリーンに投影した映像によって作られる」
「過去や現在の状況に囚われず、望む未来を意識のスクリーンに映すことで、それは現実となる」
「自分の現実を選べ」

次々と飛び込んでくる言葉が、妙に俺の心に引っかかった。
 

「意識のスクリーンに映す……?」

俺はふと、タカシと再会したときのことを思い出した。

実はここ最近、昔の飲食業のことをよく考えていた。
辞めたことを後悔しているわけじゃなかったが、「もしあの時、違う選択をしていたら」と思い返すことが増えていた。

そして、その矢先にタカシと出会い、「手伝わないか?」と誘われた。
 

これは、ただの偶然なのか? それとも、俺が無意識のうちに「スクリーン」に投影していたことが現実になったのか?

俺は本を閉じ、しばらく考え込んだ。

もしかすると、本当に自分の人生を作っているのは、自分の意識なのかもしれない。
 

タフティメソッド。

この本には、俺の人生を変えるヒントがあるかもしれない。

そう思った俺は、レジに向かい、本を手に取った。

 

 

 

 

シンクロニシティの始まり - 偶然、昔の同僚と再会し「店を手伝わないか?」と誘われる

あの奇妙な老人と出会って数日が経った。

「世界は、お前のスクリーンである」

渡された紙切れに書かれていた言葉の意味は、いまだによく分からない。
結局、俺の人生がどうなるわけでもないし、相変わらず未来は見えないままだ。
 

タロット占いを畳む準備をしながら、俺はふと、昔の職場のことを思い出していた。
飲食業界にいた頃は、確かに忙しかったが、それなりに充実していた気がする。
だが、体力的な厳しさや職場の人間関係のストレスに耐えきれず、辞めた。
それが正しかったのかどうか、今となっては分からない。

「もし、あの時違う選択をしていたら……」

そんなことを考えながら、ふらりと商店街を歩いていた。

そして、その瞬間だった。
 

「……ユウスケ?」

唐突に自分の名前を呼ばれ、俺は驚いて振り返った。

そこに立っていたのは、昔の同僚だった。

「……タカシ?」

10年以上も前に一緒に働いていた料理人のタカシだった。
俺より少し年下で、当時はまだ修行中の立場だったが、料理の腕は確かだった。
 

「久しぶりじゃねえか!」

タカシは笑いながら俺の肩を叩いた。
相変わらずガタイがいい。
俺とは違い、現役で料理の世界にいることが一目で分かった。
 

「お前、今何やってんだ?」

「……まあ、占いとか色々やってたけど、今月でやめることにしたんだ」

「占い? マジか」

タカシは少し驚いたようだったが、それ以上は深く聞かずに、「そうか」とだけ言った。
 

「で、タカシは?」

「俺か? 実はさ、今、小さな店をやってんだよ」

「店?」

「そう。親父の代から続く定食屋を引き継いでさ。
でも、今、人手が足りなくて困ってんだよ」

「へえ……」

「お前、昔は料理やってただろ? もしよかったら、ウチで手伝わねえか?」
 

俺は言葉を失った。

まさかこんな偶然があるなんて。

仕事がなくなった矢先に、昔の同僚と再会し、仕事の誘いを受けるなんて。
 

「……こんなことって、あるんだな」

「ん?」

「いや、ちょっと不思議に思っただけ」
 

偶然の再会。
まるで、何かに導かれているような感覚。

あの老人の言葉を思い出した。

「お前の人生はこれからだ」

この出来事は、ただの偶然なのか?
それとも、何かの意味があるのか?

俺はタカシの顔を見つめながら、答えを出せずにいた。