【旅する占い師】ロジウラブックス営業雑感 -29ページ目

【旅する占い師】ロジウラブックス営業雑感

北海道から鹿児島に移住して10年経ちました。
☆旅する占い師!☆
鹿児島市 名山町バカンスを中心に県内各地のイベント等に出店しています。
タロット占い10分程度¥1000~

実家を出るべきか? - 新たな道を進むための決断

「料理長、やってみるか……」

そう口にした瞬間、俺の中で何かが確かに動き出した。

57歳、無職、実家暮らし。

そんな俺が、また飲食の世界に戻る。それも、ただの調理スタッフではなく料理長として。

これは、まさに「運命の輪」が動き出した証なのかもしれない。

俺はもう一度、ナオキからもらった店の詳細を見直した。
 

──レストランの場所は、電車で約1時間半。
──週6勤務、昼と夜のシフト。
──給与は決して高くはないが、生活には十分。
──住み込みも可能。

住み込みも可能。

その言葉に、俺は目を止めた。

「住み込み……か」

ナオキは「通いでも全然OKですよ!」と言っていたが、店の上に住めるスペースがあり、そこに入れば家賃はかからないという話だった。

つまり──俺は実家を出ることができる

だが、そう簡単に決断できることじゃない。

実家を出るということは、両親を置いていくということだ。

母は最近、狭心症と診断されたばかり。父も足腰が悪くなってきている。兄貴は遠方に住んでいて、あてにならない。

俺が家を出たら、両親はどうなる?
 

「……でも、このままずっと実家暮らしのままでいいのか?」

57歳になっても、俺はずっと「実家の息子」でしかない。

確かに、家にいれば生活には困らない。でも、それはただ「現状維持」を選んでいるだけだ。

タフティメソッドの本には、こんなことが書かれていた。

 

「望む未来をスクリーンに映し、それを信じて行動すれば、現実はその通りになる」

俺が今「実家で両親の面倒を見続ける未来」をスクリーンに映せば、それが現実になる。

でも、「新しい道に進み、独立して生きる未来」を映せば、そっちの方向に進む。

つまり──俺がどちらの未来を選ぶかで、すべてが決まるのだ。

「……実家を出るべきか?」

決断の時が来た。


父と母の反応

その夜、俺は両親に「仕事が決まった」ことを報告した。

「料理長? お前が?」

父は目を丸くした。

「まあ、昔の仲間に誘われてな」

「そうか……まあ、お前がやりたいならいいんじゃないか」

珍しく、父は素直に受け入れた。

母も「よかったじゃない」と喜んでくれたが、俺が「住み込みもできる」と言うと、表情が曇った。
 

「……つまり、家を出るってこと?」

「ああ、そうなるな」

母はしばらく黙り込んだ。

「……でも、お父さんと私は? これからどうするの?」

「それは……」

言葉が詰まる。

母の心配は当然だった。

俺が出てしまえば、父と二人で生活することになる。
でも、父も年々体が弱っている。

「兄貴にも相談してみるよ。介護サービスとか、使えるものは使ったほうがいいと思うし」
 

「でも、私たちだけで大丈夫かしら……」

母の不安げな声が胸に刺さる。

「……それでも、俺は仕事をしたいんだ」

母は目を伏せた。

「お前の人生だ。好きにしろ」

珍しく父が口を開いた。

「だけどな……お前が家を出たら、もう戻ってくるなよ」

「……え?」

「いい歳して、またフラフラ帰ってこられても困る。やるなら、覚悟を決めろ」

俺は父の顔を見た。

厳しい言葉だが、父なりのエールなのかもしれない。

「わかったよ」

俺は静かに答えた。


決断

翌日、俺はナオキに連絡を入れた。

「住み込み、お願いできるか?」

「もちろんです! ユウスケさん、ほんとにやってくれるんですね!」

「……ああ、決めたよ」

57歳にして、俺はようやく新しい道を踏み出す。

実家を出るというのは、不安がないわけじゃない。

でも、これ以上、何もしないまま歳を取るのはもっと怖い。
 

タフティメソッドの本には、こうも書かれていた。

「人生を変えるのに、遅すぎることはない」

俺の人生は、ここから変わるのかもしれない。

いや、俺が変えるんだ。

 

タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド

 

 

奇跡のような仕事のオファー - 友人の紹介で思わぬ仕事が舞い込む

「……話、聞かせてくれるか?」

俺は、目の前に座るナオキの顔をじっと見つめながら言った。

タフティメソッドを実践し、「成功した未来」をスクリーンに映し続けて数日。

まさか、こうして具体的な仕事のオファーが舞い込むとは思っていなかった。
 

俺は、57歳、無職、実家暮らし。

世間的に見れば「終わった人間」と言われてもおかしくない。

でも今、目の前にいるナオキは、そんな俺を「必要な人材」として見てくれている。

「本当に、俺でいいのか?」

「もちろんです! ユウスケさんの料理の腕、知ってますから。俺、昔からユウスケさんに憧れてたんですよ!」

「……そんな大層なもんじゃないさ」

俺は照れ臭そうに言いながらも、心の中でじわじわと嬉しさが広がっていくのを感じていた。
 

「具体的に、どんな店なんだ?」

「カジュアルなレストランなんですけど、料理長が突然辞めることになっちゃって、今、新しい人を探してるんです。でも、急だからなかなか良い人が見つからなくて……」

「料理長?」

「ええ、料理の総責任者ですね。メニュー開発とか仕入れの管理とか、キッチン全体のまとめ役です」

「……俺が、料理長?」
 

俺は思わず苦笑した。

「ナオキ、俺はもう57歳だぞ? しかも、しばらく飲食業から離れてたんだ。そんな俺が、いきなり料理長なんて……」

「ユウスケさんならできますよ!」

ナオキは食い気味に言った。

「昔、一緒に働いてたとき、ユウスケさんの料理のセンス、マジですごかったじゃないですか。俺、ずっと覚えてますよ。あの時、ユウスケさんが考えた新メニュー、めちゃくちゃ評判良かったですよね?」

「……そんなこともあったな」
 

確かに、20代の頃は料理に全力を注いでいた。
メニューの開発も好きだったし、お客様に喜んでもらえるのが何より嬉しかった。

だが、現実は厳しかった。

飲食業界の過酷な労働環境、安月給、長時間労働……。それが嫌になって、俺はこの世界から離れた。

それなのに、今になってまた戻るのか?
 

「運命の輪は回り続ける」

ふと、タロットカードのことを思い出した。

俺は「塔」ではなく、「運命の輪」のカードを引いた。

つまり、これは「新しい流れが生まれる」ことを示していた。

「……どうする?」

心の中の俺が問いかけてくる。

再び飲食の道に戻るのか? それとも、また別の未来を模索するのか?

俺は、静かに目を閉じた。
 

「自分の人生を再編集しろ」

あの老人の言葉が、頭の中でこだました。

料理人としての道を諦めたのは、過去の俺の選択だ。

でも今、目の前には新しい可能性がある。

「……給料はどれくらいだ?」

俺がそう聞くと、ナオキはパッと顔を明るくした。

「やってくれるんですか?」

「話だけ聞かせてくれ」

「ありがとうございます! 具体的には、月給◯◯万円で……(※詳細省略)」
 

ナオキは熱心に条件を説明してくれた。

正直、めちゃくちゃ良い待遇とは言えないが、57歳の無職に舞い込んだ話としては、悪くない。

何より、俺の腕を信じてくれる人間がいる。

「……よし、やってみるか」

俺はそう呟いた。

ナオキの顔が、子供みたいに嬉しそうに輝いた。
 

「お前の未来は、まだ何も決まっていない」

あの老人の言葉が、俺の胸の中で確信へと変わった瞬間だった。

 

 

 

12.タフティメソッドを試す - 「意識のスクリーンを変えれば現実が変わる」

「あの老人、一体何者なんだ……」

俺は商店街のベンチに座りながら、さっきの出来事を反芻していた。

「人生を再編集しろ」
「自分の未来をハッキリと決めろ」
「意識のスクリーンに成功した自分を映し続けろ」

これまでの俺なら、そんな言葉を聞いても「スピリチュアルな戯言」と笑い飛ばしていたはずだ。

でも、タフティメソッドの本を読んで以来、俺の周りではシンクロニシティのような出来事が増えている。

昔の同僚と再会し、仕事を持ちかけられたり、望んでいたことが現実になったり。

 

「……もしかすると、本当に人生を変えられるのかもしれない」

俺はタフティの本を開き、該当のページを探した。

「世界はあなたのスクリーンである」
「過去や現在の状況に囚われず、望む未来を意識のスクリーンに映すことで、それは現実となる」
「自分の現実を選べ」

これが、タフティメソッドの基本的な考え方だった。

今の俺のスクリーンには何が映っている?

──無職の57歳。
──実家暮らし。
──両親の介護問題。
──彼女とも別れ、孤独。

これが「俺のスクリーン」に映っている映像だ。

この映像を映し続けている限り、俺の人生はずっとこのままなんだろう。

 

「……なら、映像を変えればいいのか?」

もしタフティメソッドが本当に機能するなら、俺は「成功した未来」をスクリーンに映す必要がある。

問題は、どんな未来を映すのか、だ。

俺は目を閉じ、ゆっくりと呼吸を整えた。

57歳、実家暮らし、無職──この現実は変えられる。

そう信じて、新しい映像を意識のスクリーンに映す。

成功した未来を描く

俺は目を閉じたまま、リアルに想像することにした。

──俺は、充実した仕事をしている。
──人に感謝され、楽しみながら働いている。
──自由な時間とお金がある。
──両親の健康も安定している。
──新しい人間関係が生まれ、支え合って生きている。

この未来を、ただ「願う」のではなく、「すでに叶っているかのように感じる」 ことが重要らしい。

俺は深く息を吸い、笑顔になってみる。

「俺は順調だ」「人生は思い通りになっている」

言葉に出すと、少しだけ気分が良くなった。

──これでいいのか?

そう思いながら、目を開けた。

当然のことだが、周囲の景色は何も変わっていなかった。

「……まぁ、こんなもんか」

すぐに効果が出るとは思っていないが、何か違う手応えを感じた。

 

タフティメソッドの本にはこうも書かれていた。

「現実が変わるのは、映像を変え続けた先にある」

「スクリーンの映像を固定すれば、それに応じた出来事がやってくる」

つまり、俺はこれを継続する必要があるのだろう。

最初の変化

俺はその日から、毎朝と夜に「成功した未来を映す」という作業を続けた。

最初は違和感しかなかった。

でも、「57歳、無職、実家暮らし」という現実をスクリーンに映し続けるよりはマシだった。

そして、数日後。

ちょっとした変化が起きた。

その日、俺は商店街の喫茶店でコーヒーを飲んでいた。

すると、偶然隣の席に座ったサラリーマン風の男が、こんな会話をしていた。

「……いや、マジで人手が足りないんだよ。店長が辞めるとか言い出してさ」

「それヤバくない?」

「ヤバいよ。来月には営業できなくなるかも」

「どんな店だっけ?」

「レストラン。カジュアルなとこだけど、料理人がいなくなると完全にアウト」

俺は、気づけばその会話に耳を傾けていた。

「……料理人?」

まさか、こんな形で俺の過去のスキルが関係してくるとは思っていなかった。

興味を引かれながらも、特に話しかけるわけでもなく、ただ黙って聞いていた。

 

すると、何の偶然か、俺の視線と男の視線がバチッと合った。

「……あれ?」

男の表情が変わる。

「もしかして、ユウスケさん?」

俺は驚いた。

「え……?」

「ほら、昔一緒に働いてた、ナオキです!」

……ナオキ?

あのナオキ?

昔の飲食業仲間のひとりで、俺より数歳年下の料理人だったナオキだ。

「久しぶりすぎて気づかなかった! ユウスケさん、今何してるんですか?」

「いや、まぁ、いろいろあって……」

「今、飲食の仕事してないんですか?」

「……まぁな」

「マジか、それならウチの店、手伝ってもらえません? ちょうど人手が足りなくて」

 

俺は驚いた。

数日前、俺が「意識のスクリーン」に映した未来は、「仕事をして、楽しみながら生きている自分」 だった。

そして、今こうして仕事の話が舞い込んできた。

偶然? いや、ここ最近の流れを見る限り、これはただの偶然じゃない。

 

「……話、聞かせてくれるか?」

俺は、久しぶりに未来に対する期待を感じていた。

意識のスクリーンを変えれば、現実が変わる。

──本当に、そんなことが起こるのかもしれない。

 

タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド

 

 

 

 

謎の男再び現る - 「自分の人生を再編集しろ」と意味深な助言を受ける


 

「運命の輪」

あのタロットカードを引いてから、俺の中で何かが変わり始めていた。

正確に言えば、何かが変わる「予感」がしていた。
 

タフティメソッドの本に書かれていた「意識のスクリーンを変えれば、現実が変わる」という考え方。

今までは半信半疑だったが、シンクロニシティのような出来事が続くうちに、もしかすると**「本当に人生を変えることができるのかもしれない」** という気がしていた。

いや、そう思わなければ、これからの人生に希望が持てなかった。
 

そんなことを考えながら、俺は駅前の商店街を歩いていた。

気晴らしに本屋へ寄ろうか、それともカフェでコーヒーでも飲もうか――

そう思っていたその時だった。

「お前、考え始めたな?」

突然、後ろから声をかけられた。

驚いて振り向くと、そこにはあの老人が立っていた。

駅のベンチで「お前の人生はこれからだ」と言った、あの謎の老人だ。
 

「……またあんたか」

俺は少し驚きながらも、妙に落ち着いていた。

この数週間、いろいろな「偶然」が重なりすぎて、少しずつ自分の中の「現実」が変わっているのを感じていた。

「どういうことです?」

俺が聞くと、老人はニヤリと笑った。

「ようやく、お前の意識が動き始めたということだ」

「意識が?」

「そうだ。お前は今まで、ただ過去にしがみついて生きていた。何かを変えようとしなかった。だが、最近は少し違う。お前は、自分の人生を変えられるかもしれないと、ようやく気づき始めた」
 

老人はポケットから煙草を取り出し、ゆっくりと火をつけた。

「でもな、それだけじゃまだ足りん」

「足りない?」

「お前、自分の人生をどうしたい?」

「……どうしたいって、そりゃまあ、もうちょっとマシになってほしいとは思いますけど」

老人は煙を吐き出しながら、フッと笑った。
 

「それじゃダメだ」

「え?」

「“マシになってほしい” なんて曖昧な考えでは、何も変わらん。お前は今、何もかもを失った状態だ。だからこそ、ここから**“新しい自分”** を作れるんだよ」

「……新しい自分?」

「そうだ。お前の人生は、今までの経験と過去の延長線上にあると思っているかもしれんが、それは違う。お前は、“人生を再編集する” ことができるんだ」

「人生を再編集?」

「そうだ。映画と同じだ。過去の出来事に囚われるな。今までの自分のストーリーを書き換えろ。新しい未来を作るんだ」
 

俺は言葉を失った。

人生を再編集する?

そんなことが、本当にできるのか?

いや、そもそも「再編集する」ってどういうことだ?

老人は俺の表情を見て、さらに続けた。
 

「お前はタロットをやっていたんだろう?」

「……まあ、一応」

「タロットには、“未来を決めるカード” なんてものはない。あるのは、“今の流れ” を示すものだけだ。だが、それに引きずられる必要はない」

「……つまり?」

「運命は決まっていない。お前が望む未来を映し出すことで、それを現実にすることができる ということだ」

タフティメソッドと同じことを言っている……?

俺は思わず本屋で買った本の内容を思い出した。

「人生はあなたが意識のスクリーンに投影した映像によって作られる」

「自分の現実を選べ」
 

まさか、あの本に書かれていたことが、こんな形で現実とリンクしてくるとは思わなかった。

「お前はまだ、自分の人生をコントロールできることを知らないだけだ」

「……でも、どうやって?」

俺がそう聞くと、老人はニヤリと笑い、俺の肩をポンと叩いた。

「簡単なことだ。まずは、自分の未来をハッキリと決めろ。そして、それをすでに手に入れたかのように振る舞うんだ」

「すでに手に入れたかのように?」

「ああ。意識のスクリーンに、“自分が成功している映像” を映し続けろ。そうすれば、現実は勝手にそれに追いついてくる」

「……そんな都合のいい話があるんですか?」

「あるさ。ただし、それを信じて行動するかどうかは、お前次第だがな」

そう言い残し、老人はくるりと背を向けた。
 

「待ってください!」

思わず呼び止めたが、老人は振り返らなかった。

「また会おう。その時、お前がどんなスクリーンを映しているか、楽しみにしているぞ」

そう言うと、老人はそのまま商店街の雑踏の中に消えていった。

俺は呆然としながら、その背中を見送った。
 

「人生を再編集する」

「自分の未来を映し出せ」

「現実は、意識のスクリーンに追いつく」

俺はタロットカードを握りしめながら、深く息を吸い込んだ。

この言葉を、どう捉えるかは俺次第だ。

でも、何かが確実に動き出している。

俺はまだ終わっちゃいない。

いや、ここからが本当の始まりなのかもしれない。

 

 

 

10.タロットが示す新たな道 - 「塔」ではなく「運命の輪」が出る

彼女と別れてから数日間、俺は何もする気が起きなかった。

母の体調は相変わらずで、父も弱ってきている。
兄貴に相談しても「そっちで何とかしてくれ」と突き放される。

そして、彼女との別れ。

これまでギリギリのところで耐えてきた気持ちが、一気に崩れ落ちるのを感じた。

タフティメソッド? 意識のスクリーン?

そんなものを信じたところで、結局、人生は思い通りにはならない。

仕事もない、家族も頼れない、恋人もいない。

俺にはもう、何も残っていない。

そんな絶望の中、俺は久しぶりにタロットカードを手に取った。

タロットを引く理由

「……占いなんて、もう意味ないよな」

ぼんやりと呟きながら、カードをシャッフルする。

タロット占いをやめると決めて以来、カードを触るのはこれが初めてだった。

でも、今の俺は誰かを占うわけじゃない。

ただ、自分自身の未来を知りたかった。

この先、俺はどうなるんだ?

どんな未来が待っている?

もう、どうしようもないところまで落ちた俺に、何か希望はあるのか?

そんなことを思いながら、一枚カードを引いた。

ゆっくりと裏返す。

「塔」……ではなかった。
 

そこにあったのは――

「運命の輪(The Wheel of Fortune)」

「……マジか」

思わず息をのんだ。

タロットをやっている人間ならわかる。このカードが何を意味するのか。

運命の輪は「変化」「転機」「流れが変わる時」を示すカードだ。

今の状況がずっと続くわけではない。何かが変わる。

思いがけないチャンスや、新たな展開が待っている。

「……そんなこと、あるわけないだろ」

俺はカードをテーブルに放り出した。

こんな状況で、何が変わる?

タロットはただの偶然の産物だ。カードが出たところで、俺の人生が突然好転するわけじゃない。

それでも――

「でも、塔じゃなかったんだよな……」

**塔(The Tower)**が出れば、それは「崩壊」「破壊」「衝撃的な出来事」を意味するカードだ。

俺の人生は、すでに十分崩壊している。だから、また塔が出ると思っていた。

でも、出たのは「運命の輪」

これは「新しい流れが生まれる」ことを意味する。
 

「……信じろってことか?」

俺は天井を見上げながら、ぼんやりと考えた。

タフティメソッドの本に書かれていた「世界はあなたのスクリーン」という言葉。

もしかすると、俺のスクリーンに映る映像が、ここから変わっていくのかもしれない。

運命の輪は、確かに**「変化」を示すカード**だ。

そして、それが「良い変化」になるか「悪い変化」になるかは、自分次第だとも言われている。
 

「……今のままでいいわけがない」

俺は深く息を吸い込み、カードを見つめた。

ここから、何かが変わるかもしれない。

いや、変えるんだ。

タフティメソッド、意識のスクリーン、そしてタロット。

すべてが繋がっている気がした。

俺の人生、まだ終わっちゃいない。

そう思えたのは、久しぶりのことだった。