小学生の頃は少年野球をしていた。
残念ながら自分には才能が乏しく、
応援する側に回ることになるのだけれど、
先輩、同級生、後輩達は素晴らしい活躍をしてくれた。
2学年上のE先輩は、
小中学校でエース。
頼もしく優しい先輩だ。
元ヤクルトの若松さんをOBに持つ中学校から、
若松さんと同じく北海高校へ進み、
1年秋には外野手レギュラーとなり、
春の甲子園大会出場を成し遂げる。
そして自分の同級生達は、
中学校でもスタメン9人中7人が小学校時代のメンバーで、
3年時には北海道大会準優勝という輝かしい成績を残した。
その原動力となったバッテリーのKとSは、
E先輩の後を追い、
北海高校へ入学する。
E先輩と、K、Sは同じ下宿で生活を共にしていた。
E先輩3年、
K、S、1年の夏の南北海道大会予選前。
3年生はこの時、髪の毛を5分刈りにすれば、
それが最後の坊主頭。
1年生は5厘刈りだ。
KとSは下宿の部屋で、
バリカンを持ち5厘刈りにしていた。
そこへ入ってきたE先輩、
「おっ、ちょうどいいな、俺もやるわ」
と言って、
バリカンを奪い自分の頭を刈り始める。
KとSの、
「あぁっ!Eさん・・・」
そう、バリカンの刃は、
1年生用の5厘のまま。
Eさんの頭はバリカンを入れた一部分が、
見事に5厘になっていた。
「お前ら早く言えよーっ」
「スイマセン」
「しょうがない、やれ」
KとSは、
必死に笑いをかみ殺しながら、
E先輩の髪を刈った。
E先輩の頭は1年生と同じく、
青々とした5厘刈りとなってしまったのだった。
E先輩、
同級生達からは、
気合入ってるなとからかわれ、
試合でのスタンド観客からは、
帽子を取った頭を見られた時に、
「北海、1年レギュラーで出てるぞ」
「すげえな」
と声が聞こえたという・・・
・・・・・・
続く
このエピソードは本人達に聞いた話ですが、
ずいぶん前のことなので少し脚色も含んでいます。