ナイツ・オブ・ダークネス(シーズン1)第83話 | Gangbear Official Blog

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第83話 蝿の王


有機農法を行っている地方部に比べると帝都東京は蝿が少ない。蝿にとって、建物の中に侵入するのは蝿とり紙などのトラップがないので容易なことだった。


ナナミは基地で起きたごたごたのため、大隊を維持するための様々な書類の山と格闘していた。


「ん、蝿か?都心では珍しい……」ナナミは殺虫剤を持ってくるよう事務室に電話した。

次の瞬間、ハエはナナミの鼻の中に侵入した。蝿は鼻の中で気化して消えた。それと同時にナナミは気絶した。ナナミはベルゼブブに憑依された。


「殺虫剤をお持ちしました」大隊曹長がギンチョール片手にやって来た。
「蝿は窓の外に逃がしたよ」ナナミはギンチョールを受け取るとそれを大隊曹長の目に向かって噴射した。完全に不意打ちを受けた大隊曹長は両目を押さえてナナミの執務室から飛び出した。
「さて、六本木に行ってモトさんを殺しに行きますか……」ベルゼブブに憑依されたナナミはそう言うとデスクワークを放棄して六本木に向かった。


「SS第1特殊攻撃旅団主席参謀、モト・スタインホフ武装SS大佐に用がある。通せ」六本木の基地でSS中佐の身分証を門番の上等兵に提示しながらナナミが言った。


「大佐とのアポイントはありますか?」上等兵が言った。
「大佐の上官であるイハラ・フォン・ケルナー武装SS准将のアポイントならある。この電話番号に連絡してくれ」そう言うとナナミはイハラの携帯電話の番号を記したメモを手渡した。上等兵はメモを保安担当の少尉に手わたし、少尉がイハラに電話した。イハラのアポイントが確認できたため、少尉は上等兵にゲートを開くよう命じた。ナナミは車を中庭に止めるとベルゼブブに変身しながらモトの執務室に向かった。


「また刺客か?」強い邪気を放ったモトはKP89オートピストルをホルスターから抜き、スライドを引いて弾丸を装填した。ベルゼブブはモトの部屋のドアをノックすることなく、蹴破った。同時にモトはKP89の引き金を引いた。


「さすがは……だけある」ベルゼブブは生体エネルギーをすべて失い、魔界へと帰り、ナナミの遺体だけがのこされた。モトはY4の基地に電話をかけ、非番の魔術師を一人よこすよう命じた。(つづく)