第55話 戦いは終わらない
ウッチーが開けた宝箱を見て、一行は落胆した。金銀財宝はあった。しかし、肝心の古代石鹸が入ってなかった。
「古代石鹸は失われてしまったのか……」トモキチが言った。
「村の長老に話を聞いてみてはいかがですか?」スンジンが言った。
「そうっすね。伝承されている話があるかもしれないっす」スゲが言った。
「そうと決まれば話は早い。アツ、行ってこい」モトが言った。アツは渋々、長老に会いに行った。
「古代石鹸は失われてはいない。製法もこの村に代々伝わっている。ただ、材料がドラゴンの糞なだけに、ドラゴンの巣にあるだけじゃ」長老が言った。
「ドラゴンの巣?どこです?」アツが尋ねた。
「ここから10kmばかり行ったラウゴの町外れにグリーンメタルというグリーンドラゴンがいる。奴は気性が荒くてラウゴは廃虚になってしまった。グリーンメタルはラウゴにあった古代石鹸を巣に持ちかえったそうだ」長老が話した。
翌朝、一行は馬車で街道を通ってラウゴへ向かった。街道を外れ、ラウゴに近づくと徐々に周囲が荒廃して行った。ラウゴに着くと強烈な塩素の臭いがした。一行は馬車をラウゴの入り口の門柱に繋ぎ、街外れの洞窟に入った。
「古代石鹸を求めてやってきたのか?だか我は古代石鹸を1個もやるつもりはない。このグリーンメタル様にひれ伏せ、洞窟に入ってきたことを詫びよ」グリーンドラゴンのグリーンメタルが竜語で言った。
「戦うと痛い目に遭うぞ、1個でいいんだ。石鹸を寄越せ」モトが竜語で言った。
「あいにく汚れて醜くなる人間を見るのが余の歓び。石鹸は渡せぬ」グリーンメタルが言った。
「では戦うしかないな。たかが石鹸一つのために!」モトが言った。
機先を制したモトらは、スンジンが加速の呪文を唱え、ハジメがウッチーに透明の呪文をかけた。スゲがアツの斧に打撃の呪文をかけ、モトとアツ、ボムソクがグリーンメタルを斬った。さらにトモキチとモトがグリーンメタルを斬った。グリーンメタルは倒れた。(つづく)