私も読書 9月 | 都内 中堅校からの大学受験2026

都内 中堅校からの大学受験2026

2020年に都内の私立中高一貫校に入学した息子の日常を綴っております。

意外にたくさん読めました。

久しぶりの村上春樹さんは『街とその不確かな壁』です。やっと図書館の順番がまわってきました。ネットをみるといろいろな解釈がありました。そういうのを見て回るのも村上春樹さんの作品を読む楽しみの1つです。

以下、今月読んだ本と備忘です。

 

 

【小説 など】

『街とその不確かな壁』

久しぶりの村上ワールド。

「ぶ、ぶ厚い、2週間で読めるかなアセアセ」と怖気付きましたが、きれいな文章に心が癒されて読みきりました。あとがきは読む時間がありませんでした。

心のバランスを失いかけている主人公が、現実と異世界(顕在意識と潜在意識)をいったりきたりします。

 

 

『メインテーマは殺人』

イギリスの推理小説。イギリスの作風が苦手な人は読みにくいと思います。

ストーリー自体は面白かったです。読みながら筆者(主人公)と一緒に犯人探しができます。

この小説によると、花粉症には生姜とはちみつが効くらしいです。

 

 

『あした死ぬ幸福の王子』

老人と若者(王子)の対話形式でハイデガー哲学のエッセンスを理解していく本です。最後はオスカー・ワイルドの『幸福な王子』のストーリーが混じっています。

著者の飲茶さんは哲学のエッセンスをわかりやすく伝える本をたくさん書いています。

 

 

『二番目の悪者』

大人の絵本。未就学児はもちろん、小学生高学年の読み聞かせにもお勧めです。

噂話、風評、SNSのお作法につながるお話です。

 

 

『超新釈 5分後にエモい古典文学』

①古文(原典)、②あらすじ、③筆者の解釈による超新釈の3構成です。

③は現代の高校生・大学生の登場人物にやきなおした筆者の小説です。

①古文(原典)が主役だと思っていたのですが、③が主役で、

文章量も、③>>>>>②>>①

でした。ちょっと期待したものとは違っていました。

 

 

 

【小説以外】

『12歳から始める心が折れない技術』

育児の参考になります。平易な日本語で書かれていますが、12歳の子が共感できる内容は少ないと思います。

 

 

『アイデンティティのつくり方』

「2章「自分」と向き合う」の「好きなことで生きていくの落とし穴」は高校生になったら頭の片隅に入れておきたい内容です。

「3章 コミュニティの中の自分 」もよかったです。多様性という言葉の使われ方は本来の意味とずれてきています。

あと、自己紹介が苦手(プレゼンが苦手、広告代理店が存在する意義)の話は、「それな!」と思いました。

 

 

おそらく私は誤嚥性肺炎になりやすい人です。ブロガーさんがこちらの本を紹介していたので積読して読みました。有酸素運動や筋トレで防げるらしいので、トライしようと思います(まだ実行していない)。

 

 

『友だち幻想』

学校で教えるべきは、「みんな仲良く」ではなくて、気の合わない人とでも一緒にいる作法を身に着けること。ということが一番言いたかったことだと思います。

 

 

『暇と退屈の倫理学』

※リンクをはるのにアマゾンをみたら、2022年度に東大・京大で1番読まれた本だそうです。

 

GWぐらいに読んだのですが、なんとなくまとまらなくて下書き保存で塩漬けになっていました。まとまったわけではありませんが、カビてきそうなので開放します。


筆者によると、人間は退屈が苦手で、歴史的にみると退屈しのぎのために自分の命や全財産をなくす人はめずらしくないそうです。

この本を読んで私が連想したのはスマホです。最初は暇つぶしだったかもしれませんが、今や完全に食われています。依存症、昼夜逆転、課金、承認欲求、SNSに心がざわつく、SNSの炎上(病む、自殺におよぶこともあり)。まさに「退屈しのぎで自分の命や全財産をなくす」です。

 

筆者は、自分の退屈という感情に折り合いをつけて生きていけるようになれば、倫理学としては次のフェーズ「他人の暇(と退屈)を認める」になると言っていますが、そんんな日は来るのでしょうか。