天井の落とし穴
ついにその日は来た。
部屋のエアコンが壊れて早3週間。
昼下がりにもなると、とてつもない室温上昇・・・
無気力を超え、僕ドザえもん。
2度のキャンセルをくらった末、ようやく修理の
おっさんが現れた。
・・・助かった。
だが修理は、開始から難航を極める。
クーラーの心臓部は天井にあり、天井をぶっ壊さ
なければ修理ができないという、有り得ない構造の
アパートだということが発覚。
天井を壊すのに2時間。
エアコンの修理に1時間。
部屋は、漆喰と油とホコリでめちゃくちゃだ。
もちろん天井は、別途修理工事が必要だ。
だが、しばらくしておっさんは首を横に振った。
「駄目だ。モーターがイカれているから、交換が必要だ」
モーターを注文するのに1週間。
さらに、また工事の手配をとるのに数週間・・・
いつになることやら。
修理工のおっさんも汗だくだが、手伝っていた
俺も汗だく且つ、精神的にも疲労いっぱいだ。
惨めだ。
「さて、帰ろうかな」
「忘れ物はっと、無いね・・・」
「あとは、OK、部品も持ったよと・・・」
なにやらそわそわなかなか帰らない修理工。
「はいはい、やれやれお疲れさん」
という感じで扉を閉める俺。
俺は知らなかった。
このシチュエーションでチップが必要だということを。
こんな惨めな状態も、修理工には関係ない。
修理代は大家が支払い、だがチップは入居人が
払うという、この国のシステム。
後日、友人から聞き、そのことを知った俺。
そして、チップの代わりに、ペット入り水1本をあげるという、
よく旅行の本に書いてある、
「やってはいけないこと・・・チップをあげる際、ボールペンやジュースなどの
物品をあげることはやめましょう。とても失礼です。チップは必ずお金で。」
を、やっていたことに気がついた。
次の修理日は、クーラーの必要が無くなる秋までやってこないだろう。
そして無残に壊されたままの天井・・・
死にそうに暑い部屋・・・
俺が悪いのか?
いや違うと思いたい。
でも誰に怒れば・・・いいんだ・・・嗚呼無情。
ヘアデザイナー求む
紹介します。近所の床屋の杉山クンです。
彼は、僕の髪を約5年に渡って切ってくれました。
彼にたどりつくまで、幾多の髪切り職人とすれ違い。
あるときは、青山の美容院に行き、超場違い勘違い体験をしつつ。
もちろん日本での話。
気に入った床屋を探すのは、日本でも困難を極める。
・・・ましてや、ここはロス。
既に俺の髪はハリネズミの域を超え、ヘルメット化していた。
決断の時がやってきた。
いやむしろ、とき既に遅しだ。
・・・かといって、高額は払いたくない。
迷いに迷った末、何を血迷ったか学校生協のキャンパスヘア
に飛び込んでしまった俺。
カンボジア出身の「ヘアデザイナー」。
「ハサミは時間がかかるし、仕上がりも悪いわ」
彼女が取り出したるは、電動バリカン。
快調にバリカンを滑らせるヘアデザイナー・・・
恥ずかしいが、思い切って中田ヒデの写真を持参した俺。
だが数度の手直しを経て、彼女の持てる全ての力を出して
もらった結果出来上がったのは、
どこからどうみても、角刈りムエタイ選手。
14ドル。
俺はこの値段が高いのか安いのか、
判断できないでいる。
ロス摩天楼にハネト舞う
ねぶた祭り・イン・リトルトーキョー。
よかったでつ(-^□^-)
たまにはこんなのもありか・・・
いや無しだ。
しかし大迫力であった。
今日は、ロス式の祭りを見た気がする。
もちろん路上での飲酒、喫煙は無し。
喧嘩や酔っ払いもいない、極めてクリーンだが
且つ、心から楽しめる雰囲気がある。
リトルトーキョー。
周辺地域は、ビジネスアワーが終わればスラムの様相、
危険が漂うエリア。
しかし、二世の方々をはじめ、日系アメリカ人は実に元気そう。
彼らが体験した過酷な過去を知れば、
祭りのパレードで見る、その笑顔が眩しくさえ見える。
リトルトーキョーにある、ジャパニーズアメリカンミュージアム。
ロスに住む日本人として、一度は訪れて損はないと思う。
ライオンバス
動物園。
いろいろ行ったが、今のところ一番は、随分前に
行った多摩動物公園だ。
ライオンバスというアトラクションがある。
バスに乗ってライオンが飼われている草原を
行くのだが、草原の真ん中で、突然バスが停車する。
すると、どこからともなく、ライオンがバスに向かって
のそのそと歩いてくる。
そして突然!
グァバっとバスにライオンがかぶりよってくるのだ。
バスの側面は全面ガラス張りになっていて、
客席は、ガラスに向かってすえつけられている。
即ち、俺は突然ライオンに襲われたかのような
気分を味わうことになる。
俺は、不覚にも客席でひっくり返った。
となりに居合わせたおっさんもひっくり返った。
よく見ると、バス上部にビーフジャーキーがぶら下がって
いるではないか・・・
完全に、びっくらこいた・・・
ビバ、多摩動物公園・・・
さて。
サンディエゴ動物園。
ここは世界最大の動物園。
確かにすごい。
だが、あまりの広大さを目の前に、いつの日かの
リベンジを期しつつ、徒歩での制覇を断念、
ガイドバスとロープウェイで園内を一周し
帰路についたのだった。
遠い記憶の彼方・・・
この感じ・・・
そうか、思い出した。
俺は歩くのがきらいだった。
だから多摩動物公園でもライオンバスにだけ
乗ったんだっけ。
値付けと旗振り
プライシング、所謂、値付けだ。
お客が買いたいと思う、最も高い値段をつける行為、
とでも言おうか。
売る側と買う側の高度な駆け引き。
最近では、マクドナルドが価格改定により、
日本での全国一律価格をやめると発表した。
土地によって、所得差があり、競争環境も違い、
そもそもファーストフードの受容性も異なるだろう
から、価格が異なって当然だ。
以前グランドキャニオンのふもとにあるマクドナルドに行ったら
ビッグマックセットが10ドル以上もしていた。
しかし、物資の輸送、僻地でのバイト人材の確保にはコストが
かかり、そしてグランドキャニオンにはファーストフード好きの
アメリカ人の胃袋を満たす代替手段がないのだとしたら、
十分筋が通る話だ。
ただし、日本のマクドナルドの話、価格を改定します
と言って東京など都市部を多めに値上げする、
そういうことだろう。実質値上げということだ。
消費者とハンバーガーショップの高度な駆け引き。
さて。
メキシコのティファナに行った。
アメリカ側から、歩いて国境を越える。
従ってメキシコ手前のアメリカ側の町は、そうしたニーズに
応えるかのように、町中駐車場と、旗を振るメキシカン
のおっさんだらけだ。
40度を超えるであろう、目のくらむような炎天下、
一歩でも多く歩きたくない俺は、プライシングに着目した。
ハイウェイを降りたすぐの駐車場は1日7ドル、
ちょっといくと、5ドル。4ドルというところもある・・・
一見不規則なプライシング・・・
しかし・・・そうか。なるほど。
国境に近ければ近いほど価格が上がり、大変でも
距離を歩く覚悟があれば駐車料金は安いのか。
俺は歩きたくない。
俺は、自分の「気づき」に感謝した。
数ドルのカネならくれてやる。持ってけ資本主義。
国境から激近で、しかも、
「どんだけ停めてもたったの12ドルだよ、セニョール」
た、高い・・・ ここだ。
俺は颯爽と車をおり、自分の「判断」に満足しながら国境へ向かった。
さて、数時間後。
メキシカンを満喫し国境の町に戻る。
だがアメリカ側に越境したところで、自分の目を疑う。
停めたはずの駐車場が、無い。
そう、入国と出国では、高速道路を挟んで
ゲートが正反対の場所にあるのだ。
俺は、すぐそばにある1日4ドルの駐車場を横目に
とぼとぼと、そこから最も遠い駐車場に向かった。
さっき食べた油ギトギトのメキシカンが
原因なのか、暑さからなのか、それとも
駆け引きで敗れ去った敗北感からか、疲労困憊だ・・・
あの駐車場は何故あんなに高くてやっていけるのか。
値段を「読む」ことは難しい。
高いから良いとは限らない。
常に高度な判断が求められる、売る側と買う側の
勝負の世界。
いやしかし単に俺のような、ガイドもろくに読まずに行く連中が
アメリカには多いのも事実だろう。
メキシカンの旗振りのおっさんの笑顔が
脳裏から離れない。
楽天か
学校のインターナショナルオフィス。
メキシコ人の彼は、ビザ関連でトラブルがあるらしく、
事務所の担当者と激しく口論。
結局彼の主張は通らず、一旦退却の様相。
帰り際、にもかかわらず白い歯を見せウィンクしながら、
そばにいた俺に向かってささやいた。
「見たかい?ロスにはたくさんナイスな人がいるんだ。
だから辛抱強くならなくちゃいけない。」
ラティーノはポジティブだ。
そのビザは切れてるから、一度メキシコに帰国すると、
もうアメリカには戻れないって、さっき事務所のおっさん
はそういってたはずだ。
俺も不屈の精神で不可能を可能にしたい・・・そうなのか?
サーキットの狼
俺は走り屋。
最初に買ったクルマはオッサンニッサン180SX(S13)。
アクセルを踏み込む、エンジンがうなりを上げる。
素早さが信条のシフトダウン、そしてコーナリングでの
馬の雄叫びにも似たタイヤ音。
改造にいったいいくらつぎ込んだだろう。。。
全てが懐かしい。
俺は走り屋。
でもロスでのあまりの自動車保険の高さに卒倒しそう
になりながら、ガソリン価格の高騰に喘ぎながら、
どノーマルホンダシビックで守りの走りに甘んじているが、
まだ熱いマインドは忘れてはいない。
今日は初めての運転免許ドライビングテスト。
ここロスでのドライビングテストの難しさをご存知だろうか。
一発合格できるのは一握り。普通は幾多の辛酸を
なめ、ようやく勝ち取ることができる、価値有るライセンス・・・
「はい、じゃあはじめま~す。」
「OK、いいよ~、いいね~」
狂おしいほどにコーナーを攻めながら、
CVCCエンジンは静かなうなりを上げ、
テストは順調に進む。
「はい、じゃあこれで終わりですから。」
合格を確信しながら免許センターに戻る。
だが試験官は駐車するなり言い放った。
「だめだめ。信号無視、危険運転、あんた絶対不合格。」
俺は走り屋。
だがここロスでは、その牙は抜かれている・・・
試験官との認識の相違は認めざるを得ない。
いやしかしそれは、即ち単に俺がテンパッて周りが
見えていなかっただけ。
今日は寝よう。明日も早い。
パーティと飲み会の違い?
パサディナにてホームパーティ。
とりあえず、その前にノートンサイモン美術館。
ゴッホやモネ、マチス、ピカソ、
モジリアーニ、セザンヌ、マネ、それにドガ等
コレクションは一見の価値有りだと思う。
アジアの仏像コレクションについては、
これだけ集めて何がしたかったのかな、
と正直感じてしまうわけだが、
ポール・ゲッティ然り、アメリカには
金持ちのおっさんがいるもんだ。
さて。
アメリカ人知人宅にてパーティ。
最高に楽しいひと時だったが、今後の留学生活で
ホームパーティを楽しむために、今日思ったことを。
1.とりあえず何か持参
料理はホストサイドとのことだったので
ソフィアのスパークリングワインとビールを持参。
そんなの常識かも知れないが。
デザートを持ってきた人もいた。
手ぶらでもOKだと思うが、その場合にはより動くとか。
2.アイデンティティを放つ
必ず初対面の誰かと会うはずで、そこで自分がどういう
人間なのか、手短に、でももっと聞いてみたい、くらいの
自分を語る。いや語れたらいいなと。
こっちで他の人のそれを聞くと面白いストーリー持ってる。
3.酔わない
これ重要だと思う。飲みより会話。
おしゃべりに花を咲かせる。
話すことで分かり合う。
っていうか、皆強いし、皆のペースで飲んでたら一人泥酔
になるし。
酒乱パーティは別にあるけど、場合によっては上の感じも
いいかなと。オトナかなと。
熱狂ジャズ野郎
今日はロングビーチジャズフェス。
観客のほとんどは黒人。
こんなに多くの黒人を見たのは初めて。
原色のファッション、独特のアクセント、
テンションの高さ、全くもってセクシーだ。
2千人くらいはいただろう。
総立ちで、老若男女踊り狂っていた。
みんなが体を揺らすと、会場全体が揺れるような感覚になった。
最高にうねってた。
暗闇で、難しい顔をして聞き入るのも好きだけど、
ジャズ本来の姿はこれじゃないかって思った。
それにしても、おっさんがみんなかぶっていたツバ付き
帽子、かっこよかった。買わなきゃ。
ぶっこみかどうか
アマゾンで120ドルするPC用スピーカーを購入した
ら、送料が12ドル。
ジャズライブのチケットをチケット会社からEメールで
受け取るのに、メール送信手数料が2.5ドル。
そして家具。
家具は重いし大変なのは分かる。
でも配送料200ドルはないだろう。結構買ったよにゃー。
家具屋のおっさん曰く、
「だって最高のドライバーが行くんだよ。」
・・・この家具屋が異常なのかと思ったら、
イケアでもとられた。
日本では無料で当然だったサービスが、こっちでは有料。
でもそうじゃなくて、日本では、予めそういうコストが
商品代金に組み込まれているだけなのか。
メンタリティも違う。
こっちでは、何でも自分でまずは何とかしてみよう、
という心意気を感じることがある。
これはいくら、これはいくら、とはっきり明示されるのが
好き。ぶっこみプライスは嫌。
嗜好が人によって激しく異なる。それを認め合う文化がある。
すなわち、もし配送料をただにすると・・・
俺の場合さ、どうにかして自分で持って帰るから、配送料代分を
引いてよ。
と、こういう人が続出するからややこしいわけだ。
たぶん・・・
