今回はリクエストをいただきました登美号をご紹介いたします。
この犬は陸奥号の母であり、長春系の血統上、重要な位置を占めている台メスです。
しかし、残念な事に非常に記録が少なく、私も実際に見ることができませんでしたので写真のご紹介と血統からの観点を中心にご案内させていただきます。簡単で申し訳ありませんがどうぞご了承ください。
■優秀な血統の台メス
登美号は古城先生が陸奥の作出のために高知の美久利屋から譲り受けた台メスです。父は長春号、母方の祖父がゴマ号という、名犬の血を引いています。
冒頭の写真をご覧ください。目元や尾の型に長春号の表現が見て取れます。体型は若干幡多系の雰囲気もありますが、メスらしい胴体からぐいと伸びた後肢のバネ感はまさに本川系の表現といっていいでしょう。
私はゴマ号も長春号も見ていませんのでどちらに似ていたとは申し上げられませんが、ひとつはっきりと言えることは登美号の額から耳の表現は陸奥号のそれに大変良く似ているということです。陸奥の父犬長昭号は典型的な「丸頭丸吻」でしたので陸奥の頭部の広がりと耳の付き位置はまさに登美号からもたらされたものでしょう。
■古典犬は毛色の記録が少ない
そういえば、私は古城先生からこの犬の毛色をはっきり伺わないままにしてしまいました。会話の断片を繋ぎ合わせて考えると、黒胡麻だったように思います。
当時の事を思い出してみると古城先生にしても綾田氏にしても、先輩方は毛色に関して宇和島陸奥号のようによっぽど特徴的なものでない限り、あまり細かくおっしゃいませんでした。
毛色,色調は言葉では表現できかねるものだと了解されていたからかも知れません。これについては松本克郎先生も会誌の論文内で「下手な筆では表現出来ないからご容赦願う云々…」と書かれています。
そういうわけで今となっては想像力を働かせるしかないものですが、モノクロとはいえ平島氏の手による素晴らしい写真が残されていることは大きな救いと言えます。まったく、氏の功績は絶大なるものです。
■ゴマ号の血統を陸奥号に
登美号は陸奥号の血統構成に「ゴマ号」という大きなアクセントをもたらしました。
登美号の母犬富士鷹女号はゴマ号の表現をよく現しています。尾型やマスクもさることながら耳の付き位置と保持角度が本川系とは決定的に違う点に注目していただきたいと思います。
ゴマの直子である富士鷹女号の娘=登美号を台メスとすることで、陸奥の血統には3代前にゴマ号が組み込まれることになりました。
私は本川系だけのベタな血統ではなく、3代前のゴマ号の血統混入が名犬【陸奥号】を作った大きな要因のひとつではないかと思っています。
(このテーマはだいぶ以前に日本犬保存会の会誌にも投稿したことがありますが、もう少し色々な犬や血統についてご紹介してから改めて詳しくお話させて頂きたいと思っていますので今回は割愛させていただきます)
古城先生は登美号を台メスに選んだ意図について話されることはありませんでした。
しかし、先生は私が何十年もかかってやっと理解できるようなプログラムを組んでブリーディングに取り組まれた方ですから、長昭号と登美号を使って会心の作出をされたのは偶然ではなかったはずです。
いまいちど陸奥号の血統構成図をじっくり見直して、その思いは一層深くなります。(be-so)
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