今回はごくごく初期の四国犬の台メスをご紹介します。といっても、この2頭とも私が生まれる前に活躍していた長春号や楠号熊号と同じ戦前の犬です。おそらく四国犬として記録が残っている最初の雌犬のうちの2頭かと思います。
私も見たことがない犬ではありますが、今回の2頭は共に長春号,楠号の交配のお相手となり、四国犬のルーツに於いて重要なポジションを担った犬ですので、写真と簡単な所見だけでもご紹介させていただこうと思います。
■「阿波系」といわれる犬とは
美智号は昭和7年に山出しにて登録、所有者は岡山の安原氏となっています。私も実物を見たことがありませんが上の写真に記載されているところによると毛色は淡赤、しかし写真で見る限りは今の赤毛くらいの色だったかも知れません。
この犬は阿波系と言われています。阿波系については『主要系統の渡来経路考察Ⅲ』(←クリックで関連記事が別窓で開きます) の記事で簡単に概要をご紹介していますのでご参照ください。
上記の記事でも書いていますが、特に戦前において吉野川流域から山出しで出た犬の記録はこの美智号くらいしかありません。日本犬保存会に登録されている徳島の山出し犬に関しては数が非常に少なく、地域的な特徴を洗い出せるほど犬群のデータが残っていないのが現状です。そういった状況を考えると私個人としては正直な話、美智と白の2頭についてもはっきり『阿波系』と言いきってしまっていいものかと思ったりもしています。
しかし狩猟の環境を考えてみると、この吉野川流域は古来から紀伊半島より猟師が犬を伴い、海を渡って獲物を求めていた地でありましたし、本山町より西へは地形が険しかったために犬もなかなかそこを超えていくことができなかったようです。そのような訳で本川の犬よりも紀州の犬との交雑が進んでいたものと思われます。
この美智号の有色紀州犬のような表現をみても、その事は想像に難くないものではないでしょうか。(be-so)
_______後編につづく。
頬白四国犬の元祖、美智号。
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