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**コティの在庫部屋**

映画+音楽+本+雑貨+ご飯+お酒+「おべんきう」=私。

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それがなにか?


「できごと」
Accident

良く解んないけどさあ、この無冠詞の辺りが既に不条理演劇の匂いがするんだろうか(違。
多分記憶に残っている限り初めてのハロルド・ピンター脚本。原作は別の人だった。1967年作品。

現代の我々からすると、その余りの肉食度の高さに若干、いやかなり引くんだけどこのヒロインw
なんつーの?表情が張り付いてて怖いってのもあるけど、誰に対しても肉食視線攻撃バリバリなので
ラストの虚ろな目を見ても何の同情心も起こらないし、寧ろ私はあそこでやっちゃえ先生!
とまで思ったwww そんくらい好感度の低いヒロインだったんだけど、男性はあれがいいんだろうなあ。
あの、骨の髄まで吸い取ってやるぅ!的なヤル気満々な感じがさ。

主人公スティーヴンにしてみればまさに不条理極まりない出来事だった訳で、あの女学生のお陰で、
教え子は亡くすし友人の妻は狂うし自分の仕事も上手く行かないし前妻と関係持つしでw、
勿論自業自得の部分もあるけど、というか結局そこなんだろうな、不条理演劇の成せる業って。
外からの力によって「何でこんなんなっちゃったの?」という思いをさせられているように思えて実は
それってただのきっかけであって、あんたの中にこそ既に危なく燻ったものがあったんじゃないの?
と気付かせるというね。多分そうなんだろうと、若い頃解らなかったことをひとりごちてみるw

現代映画に比べてはるかにテンポが悪い分、ジワリジワリとサスペンス要素が効いて来る感じはある。
その中で、今でこそ若い40代の、ミドルクライシスとでもいう不安定な心持ちを巧く描いている。
何もかも満ちている筈の40代の男の、不覚にも知ってしまった、心と身体の老いへの焦り。
いやぁしょっぺえしょっぺえ。

チャーリーという主人公の友人が、主人公スティーヴンの影=もうひとりの私、なんだろうと思う。
だから最後にスティーヴンはああいう行動に出るんだろう。陰でしか出来なかった行為を今度は自分が。
決してスカッともしない行為なんだけどね。まあファムファタル=アナが最後にああなるのは当然としてw

イマイチ気持ちのいい話じゃないんだけど、もう1本借りちゃったんだよなあ、ハロルド・ピンターw
まあそのうち見てみるか。

言ったでしょ?
バカにして言ってるんじゃないのよ。
でも大バカだわ。

******


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どす黒。


     



「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」
Hamlet Liikemaailmassa
Hamlet Goes Business

考えたらハムレットという話はデンマークやノルウェーが舞台な訳だから、隣国フィンランド出身の
スマキ監督が撮るのは自然っちゃ自然な流れなのよね。しかし省略しにくいなあアキカウリスマキw

大昔、確かBSでこれを深夜にOAしていてビデオに録画したのを見たんだけど、当時は面白さが解らず
途中、というか冒頭だけ見てお終いにしてしまった記憶あり(苦笑。若い頃は解らなかったなあこれ。
でも今見るとメチャクチャ面白い。やぱしある程度年齢行かないと解んない映画ってあるね。
特に文学絡みの場合、解ったつもりでいても、その深みって言うか、いやもっと単純な話で、
要するに、鑑賞どころが掴めないんだろうね、精神的に若いと。私も歳食ったってことかなw

アレンジを施されているところはしっかり独自の味で、オリジナルに忠実なところは原作通りという、
メリハリのはっきり効いた作品なのが素晴らしい。特に冒頭ね、これがラストに響いて来るんだけど、
あそこでああいう殺し方で入るってのがまたショッキング。ぶっちゃけ殺し方に限ってはオリジナルの、
耳から注入ってのが大好きなので、あの方法は少々興醒めなんだけど、ああだからこそ
ラストに絡んでくるんだなあというのが解ると、あれはあれで味だなと。そんな翻案部分も好きだ。

また、オフィーリア(映画ではオフェリア)はハムレットと別れて気が狂ってしまう筈なんだけど、
映画ではまともだからこその悲劇というか、そんなのも悪くなかった。何よりあのバスタブ!
あれは素晴らしいよね。あれだけは今まで見たどのハムレットよりもいい死に場所だと思ったw
髪がこう、ふわあっと湯船に広がって行く様がこちらに伝わってさ、悲しくて美しくて私は好きだ。

原作=元台本にない筈の台詞で繋いでいるってのも、現代劇に無理なくさせるためだったとしても、
余り不自然ではないのがいい。この辺りが非常に上手い。流石だなと感心しきり。

しかし可哀想だったのはレアティーズだよなあw 徹底的にコキおろされるキャラ造詣。
本来は、父と妹の敵とばかりにハムレットに刃を向け、しかし自ら策略にはまった事を知り、
自分にも迷いなく死を与えるという正義感に溢れた役なんだけど、何あの情けなさはw
彼のラストはアヒルの場面より爆笑したくらいよ。あんなのドリフじゃん。

逆に深みが増していたのはオフィーリアだろうなあ。父ポローニアスに言われるまでもなく彼女は、
ハムレットを信じておらず、逆に自分の懐に入れようと目論んでいる。がしかしそこは揺れる女心で、
ふとした瞬間に彼を信じたいと思ってしまったりもする。この辺り、現代に置き換えたからこそ出来る
複雑な=今の我々にも共感しやすいキャラ造詣なのだろうと思う。
アイスを食べたいと言い、その食べる姿をハムレットが見ているなんてシーンはちょっと「テス」っぽく、
あれであの後それでも「イヤ」って言っちゃうのはさすがにハムレットが気の毒にもなったりねw
謀略家クローディアスが役者上がりで、その昔シーザーを演じたって下りもお約束的とはいえなかなか。

ホレーショはハムレットの運転手で、ハムレットに対して忸怩たる思いみたいなのを抱えている。
スマキ監督の特徴である、労働者階級を描いているとすればこのホレーショ(映画ではシモ)だろう。
ホレーショが最後に真実を知るという役割を担うのは原作と同じだけど、こちらのシモは語り継がない。
というか、語り継ぐべき物語ではない事をシモは知ってしまうのだし、語り継ぐ事は身の破滅にもなる。

ハムレットを知っている人にこの映画の結末は、「やるなあ」と思わせる。
(サイトによってかなりネタばれしているところがあるから、気をつけて記事を読んで頂きたいw)
が、よくよく考えるとあれもありかなと私は思うんだよね。
イーさん版ハムレットなんかを見ると良く解るんだけど、ハムって何処か父親を恐れているよね。
偉大だからこそ、敬わなければならないからこその恐怖。畏怖の念から来る脅威というかね。
だからそれが反面教師になっちゃったっていうか、我慢ならなくなっちゃったっていうかさ。

イーさんハムレットは余りにナイーブ過ぎたし、ケネスのおっちゃんハムは余りに大袈裟過ぎたし、
メルギブ親父のハムは余りに勇まし過ぎたけど、スマキ監督版ハムは余りにどす黒で狡猾過ぎる。
だから最後はああなって当然なのだ。ある意味勧善懲悪なハムレットだとも言える。
しかしまあ、弄り甲斐のある話だよなあ、ハムレットって。そこがいいんだけど。

繋がれたままの子犬のような
あなたやあなた方の魂を
掃除機で吸い取ってしまおう。

*****


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合掌。


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ブログというものを初めて「面白い」と思ったのは、にっけいしんぶん新聞というブログに出会った時だ。
その頃巷では丁度、性愛文学の巨匠と言われた渡辺淳一氏の「愛の流刑地」が話題で、
それが日経新聞という、真面目なお父さん達のバイブル的ニュースペーパーに連載だったもんで、
センセーショナルな言葉と共に語られる機会が多かったと記憶している。
その余りの内容wに興味を持った私が行き着いた場所が、先のブログである。
こちらのブログがなかったら、ブログというものに興味を持つことはなかっただろうし、愛の流刑地を
愛ルケと、そして渡辺氏の事をズンイチなるキャッチコピーで親しみを込めて呼ぶこともなかったろう。
いろいろな意味を込めて、にっけいしんぶん新聞には感謝している。

ズンイチをマトモに読んだ事は一度もない。
第一あのミルトンの「パラダイス・ロスト」と同じタイトルの「失楽園」という小説でズンイチは、
○上○という男女の究極の死を描いており、若かりし頃の私はすわ冒涜と耳を疑ったもんである。
(失楽園の内容は、間違って映画を見に行っちゃった親友のKちゃんから聞いたw)

でもエッセイは軽妙で、いい得て妙!的な文章もあり、週刊誌に連載されていた「鈍感力」は、
時々目にしては「ほほう」と思う事も一度ではなかったように覚えている。

昨年、我が愛するB'zが25周年を迎え、久し振りにドラマの主題歌を手掛ける事になった。
これまた愛する俳優の一人、長谷川博己さん主演の日テレ系のドラマで、タイトルは「雲の階段」。
これの原作がまさにズンイチであった。ショックであった。はしぇがわさん+B'z+ズンイチ。
どう転べばその組み合わせになるんだ!と暫し呆然としたものだった。
が、幕が落とされたら視聴率はそこそこいいし、主題歌も内容にあったメロウなもので、
流石は私の愛するB'z(&はしぇがわさんby電気ウナギ犬)と鼻が高かった(お前がかよ)。
内容もところどころ読んでみたがそう悪いものではなく、ズンイチの初期はこんなだったのねーと
何だかちょっと感慨深かった。

良くも悪くも我々の世代は、若い頃からズンイチの世界がすぐ傍にあり、繰り返される批判の裏で、
でもこれだけ書けるってある意味凄いかも、とほんの少し思ったりしていた。
少なくとも、おフランスで白仏賞を貰えたのは余りに美しい翻訳のせいだと噂される作家よりは、
ズンイチの方がなんぼかマシであった(暴言御容赦ぷりーず)。

これまたお父さん達の読む週刊誌がこぞって「60歳からのセックス!」を提唱し続けていたのが、
大体半年前までになるのだが(コティ調べ。月曜朝刊広告参照)、その中の某雑誌のフィニッシュに
ズンイチは寄稿(もしくはインタビューか?)し、いい加減にしろよ!と息巻いていた(見出しで)。
ズンイチは擁護するのかと思っていたのだがどうやら違った。まあ内容は知る由もなかったが
(買えないよ幾らなんでもw)、いずれにしてもズンイチの名前はいつもあちこちで轟いていた。

もう少し長く生きて、まだまだセンセーショナルな物書きでいて欲しかったなあと心から思う。

壷井栄や下村湖人など、品行方正な純文学を好みとするうちの母に言わせればズンイチなんぞ、
何の感慨もない作家の一人らしいが、いや勿論その方が普通なんだろうと思うが、
読んでもいない私が言うのもなんだけど、こういう作家はどの国のどういう時代にもいて然るべき、
そういう存在なんじゃないかとふと思ったのである。
私の拙いブログに来て下さる読者様のキーワードに「ファニー・ヒル」が多く存在する事から考えても。

心よりご冥福をお祈りいたします。

*****


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これ聞いてた↓

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リリースされて一週間。殆どこれしか聞いてない。
考えたらこれ、同じタイトルの教科書、あるでしょう、英語のw 懐かしい人もいるかもね。

ラリー・カールトンと共作した前作のアルバムに比べればパンチは弱いが美メロ満載
良くも悪くも大人向けのアルバムなので、大人でしかもインストが好きって人以外は受け付けないかも。
勿論まっちゃんだから売れ行きは悪くないけど、上記以外の人にはエバーグリーンアルバムには
なりにくいかなという点で。ちなみにワタクシにはエバーグリーンですよ勿論w

桑名正博のカバー「月のあかり」が泣かせる。まっちゃんは若い頃桑名のバックを務めていた。
だからなのか、哀愁の中に優しさが溢れており、桑名がもうこの世にはいないという事を改めて。
絶品なので一度聞いて頂きたい。
個人的にはタイトルソングが最高に好き。某女優さんが出ている宅配会社のCMソングです。

6月にはライブじゃ。ぐへh
まっちゃんのブルーノートが取れたなんて奇跡。今年映画館に行けなくても我慢出来る程の悦び。
ぐへへへへへhhh


閑話休題。


4月、仕事を持ち帰らずにいられた日は全くなく、多分かなり疲れていたんだと思う。
本当はしないといけないおべんきうがほぼ完全に滞っており、連休にしようかと思っていたのだが、
なんかさすがにもうくたびれ過ぎて、現在も完全にやる気を失っているw まあ、そんな時もあるか。
今年はそれでなくても今後夏にかけて多忙になるので、1回休みもありかなあと漠然と。

GWには沼津で寿司を食べたり、久し振りにゆっくり買い物をしたり、飲んだり飲みを断ったりwと
それなりに楽しく過ごさせて貰い、若干リフレッシュ出来た。
頭の痛い問題は公私まだまだあり、今後メンタル弱い自分の側面を否が応でも見る事になろうが、
まあそんときゃそん時かなと、半ばヤケッパチで思う事にしている(こら)。

「人生が上手く行っているように見える人」を見ると、正直いい気持ちがしない時がある。
頭では解っている。そうそう人生上手く行ってる訳がないってね。でもね、というさ。

「ふぞろいの林檎たち」の確か一番最後のシリーズで、中井貴一が言うんだよね。
「時々自分より下の人達の事を思う。そうすると、恥ずかしいけれど、安心するんだ」みたいな事。
まだ若い時分これを聞いて、悲しいけれど真実だと思い、また真実だけれど悲しいなと思った。
20年近く前のドラマじゃなかったかなあ。その時に既にこれを書けるって、山田太一って凄いよね。
私は下を見て安心したりはしないけど、自分より上を見てもやもやはする(苦笑。

勿論、例えばブログなんてのはいいところだけを書く事が出来る訳だから、真実の姿なんて解らない。
だからこそ、この場に自分の弱さを曝け出している人を見ると、人間味があっていいなあと思う。
(弱いことを殊更アピったりひけらかしたりして、人の気を引こうとするのとは違うよ。念のため)
男性でも女性でも、そういう人はきっとチャーミングな人なんだろうなと感じる。
素敵な人と会って、素敵な物を食べて、素敵な物を手に入れて、素敵な時間を過ごして、って、
人生それだけじゃないでしょう。そんなの全然魅力ない、と最近思う。

なもんで、ワタクシも魅力ある人間になるべく、奥歯にものの挟まった言い方ではあれど、
弱音を吐きだしてみたw

まっちゃんの音楽は、弱くダメダメな自分と向き合わせてくれ、落ち込んだ背中を優しく支えてくれる。

最後まで読んで下さった皆様に、朝霧高原と沼津の素敵写真をどうぞ。










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シェイクスピア(断言。

  

   




「塀の中のジュリアス・シーザー」
Cesare Deve Morire
Caesar Must Die

今年見た中では断トツでピカイチ。こういうのを見たくて映画見てるんだよって気分。
正直巷の評判はイマイチなんだけど、まあど真ん中シェイクスピアもので全く翻案されてもいないし、
取っつきにくいのは仕方ないにしても、でもシェイクスピアものが嫌いでなければ、そして何より
ドキュメンタリーも嫌いでなければ絶対気に入ると思う。金熊貰ってるし、76分だし、是非。

素人の囚人達があそこまで役者魂丸出しになるって事への敬意も勿論あるのだけれど、
やっぱし私としては、シェイクスピアってすげえなとあらためて心から思えた。
演じる人間の感情をとことん剥き出しにさせる台詞の威力。
何かの評で、この映画の役者が段々役にのめり込んで行くってあったんだけど、それもそうだが、
逆に役にのめり込めば込む程、現実に跳ね返って来るショックの大きさっていうのかな、その凄みね。

最後、キャシアス役が「芸術を知ってから、この監房は牢獄になった」って言うんだけど、
偉大なる芸術は人の魂を解放させるにもかかわらず、彼らの身体は決して解放される事はなく、
むしろその矛盾の間に立ち込める罪の重さに愕然とすると言うかね、なんかそんなものを感じた。

それにしても、この話も決してシーザーが主人公ではなくw、当たり前だけどブルータスなのよね。
んで、民衆を扇動するアントニーは、この話の中では特別ワルって訳じゃないけど、
でもコリオレイナスでは民衆扇動者は、完璧に悪者だったじゃない?
それを考えると、シェイクスピアは果たしてアントニーを善人としてのみ描いているのかなと、ふと。

コリオレイナスと似てるよね、ちょっと。あれも主人公が殺されて、オーフィディアスが生き残るし。
シェイクスピアってのはナンバー2を描くのが天才的に上手いよね。ナンバー2と、悪役。
ブルータス、リチャード3世、オーフィディアス、イアーゴ、シャイロック。魅力ある人物多過ぎだよw
昔はシェイクスピアの女性像とかに興味があったけど今はいっこもw その代わりこのラインだな。

いやあ、圧巻でした。登場する監督も良かったよ。音楽も控え目だけど主張があって、いい。
ちなみにブルータス役の人は、減刑されて今は役者だそう。人生、何が起こるか解らんもんだ。

かつて一番の慰みだった
1杯のエスプレッソすら
今の私には涙ほど苦い。

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