ブログネタ:禁断の恋の経験ある?
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いや、てかもう、そんな次元の低い話じゃない から。
「灼熱の魂」
Incendies
スペルから見て英語かと思ったんだけど、これフランス語で、「火事;感情の爆発」=firesって事らしい。
だから灼熱なんだなと。ちなみに1枚目のポスターのタイトルの意味は「歌う女」だと思う。これはキーワード。
中盤の、姉が勘違いしてるところは割とすんなりと「ああ、そう来るだろうなと」その後の展開が読めたのだけど、
さすがに解らなかったなあ。1+1=1の方程式。いやあ参った。マジで参ったよ。そう来るのかい。深いため息だった。
この年のアカデミー外国語映画賞って、イニャリトゥ監督×ハビハビの「BIUTIFUL 」とビア監督の「未来を生きる某 」と、
この映画がノミニーに入ってたんだよね。王様のスピーチ聞いてる場合じゃないだろうよ。
この外国語映画の中でオスカー作品決めてもよかったんじゃないかって程のクオリティの高さ。ある意味勿体ない年。
で、結局ビア監督の作品が賞を貰ったんだけど、インパクトから言うと、灼熱の方がずっしりと心には残るかなあ。
あれはあれで解り易くて良かったんだけど(多分そこが評価されたんだろう)、解るとか解んないとか言うところを
遥かに超えたところに、存在の神秘というか、意義というかが見える、この映画のパワーを私は大きく買いたい。
(余談だがこの年のアカデミー賞、ウィンターズ・ボーン が悉くノミニーのみで終わっているところを見ると、
やぱしあの方々はセンスがないなあと上から目線で言わざるを得ないw でもそうでしょ?)
中東の宗教戦争自体に理解が及んでいるかというとそうでもないんだけど、それに人生を翻弄されまくった女性が、
最も愛し最もその腕に抱きしめたかった筈の存在が、実は最も忌わしい存在になり変わっていた、という構図は、
宗教対立云々を抜きにしても我々にも無理なく思い遣れるだけの幅の広さを持った粗筋だと思う。
また、ギリシャ神話辺りの事を彷彿とさせる筋書きに、宗教的なものを見る事は容易く、その辺の巧さが光る。
原作ありとは言え、よくここまで表現したと思うと、天晴だ。
最初解らなかったのは、何故母親がいまわの際になって姉弟に謎の捜索をさせようとしたのか、という事。
幾ら自分の出自を解って欲しいからと言って、あんな事を押し付けるのは、親のエゴではないのか、という疑念が
どうしても抜けないまま見続けていたのだが、ラスト15分にその全ての答えが出るようになっている。
即ち、母がどうして命を縮める事になってしまったのか、という謎がそこで解けると、母が姉弟にさせようとした事は
決してエゴではなく、ある意味では復讐であり、そして愛であり、人生そのものの意味を問うものだったと見えてくる。
いやあ、凄いなこれは。
主人公のナワルを演じたルブナ・アバザルは7月にDVDになるシェイクスピア「コリオレイナス」の映画版、
「英雄の証明」にも出演との事で、大変楽しみだ。
英雄の証明さあ、もっと話題になるかと思ったんだけど、やぱし戦闘流血シーンが多いからか、評判も上がらず。
コリオレイナス自体がシェイクスピア作品の中でも知名度イマイチなもんで、仕方ないっちゃないかもだけど。
輪廻、と言う人もいる。
命の存在に義も不義もないのだから。
けれど、断ち切らねばならぬものがある。
命に義も不義もないのなら、尚更。
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