02/03/12 DVD: margin call (original & dubbing) | **コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**

映画+音楽+本+雑貨+ご飯+お酒+「おべんきう」=私。

お化けと人間と自然、怖いのは? ブログネタ:お化けと人間と自然、怖いのは?



カネ。




**コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**

**コティの在庫部屋**


「マージン・コール」

Margin Call


レンタル日初日にゲットし、ポスターを8枚も見つけ出し、意味もなくブログネタに参加してまでこの記事を書こうとする

ワタクシの、この映画にかける情熱を、皆様におもんぱかって頂けたら幸いであるwww


もうね、何度も言うけどこれを日本で公開しないと決めたヤツは誰だ責任者出てこい。

おかしいって、こんな傑作を公開しないのは。これはもうスクリーンで見たら大興奮だよホント。

同じようなテーマだったウォール・ストリート、あんなもん公開するのやったらこっちにしろ!!!

この映画の緊張感、シリアス感、がぷりよつ感に比べたら、ウォールストリートなんてあなた、黄色いひよっこよ。

これぞまさしくワタクシが、本腰を入れて何度でも見たくなる、そういう映画。今年一って言っちゃってもいいかも!

デルトロ絡みの映画がない限りw


とにかく、これだけ解りにくい話を、よくぞここまで解り易く書いたなってのがまず凄いと思う。

金融だの証券だのなんて話は、ニュースで聞く以上の事に関しては、殆どの人がちんぷんかんぷんだったりする。

勿論私も。その私に話が解ったんだから凄いのよ。そういう意味でこれは間違いなく脚本賞貰っていい映画。

この辺の語り口の仕掛けがとても巧いの。ちゃんとわざとらしくなく、登場人物に語らせる場面達が素晴らしい。

(勿論脚本だけじゃないのよ。前にも書いたけど、NY批評家協会賞の新人監督賞も貰ってるし、

インディペンデントスピリット賞でも作品賞にノミネート。それだけじゃなく、ナショナルボードオブレビュー賞

新人監督賞をゲットし、更にはインディ作品トップ10に選ばれている。更にローリングストーン誌の人気映画批評家

ピーター・トラヴァースが選ぶ2011年ベスト10では8位にランクイン。9位がツリーオブライフってのはまあいいかw)

それと、普通こういった群像劇というのは、当然登場人物の一部がクローズアップされるから、

例えば絡みのない人物同士だっているのが当り前な訳よ。それがね、ないのよこの映画。ほぼ全員が絡むの!

この辺、いい意味で海外テレビドラマっぽいのかもしれない。製作サイドも脚本もよく勉強してると思う。

製作に今回もかなりいい役で出ているザカリー・クイントが入ってて、彼はほら、ヒーローズの人だからさ、

その辺もよく観客の心理を突いて来てるのかなとは思うけど、でもこの全員の絡み具合がまたいいのよ。

だってさ、キャストが全員一流俳優なんだもん。これは全員絡ませなきゃ勿体ないってもんよ。いやあ天晴。

金融界の大スキャンダルが人間ドラマの一大絵巻になってる。貶すところが全然なくて、逆に困る程いいwww


余り粗筋も書かれていない作品なので、ザクッと書いてみるね。


某大手金融会社の大量リストラが行われ、若手ホープのABベテラン上司Cも思いがけず対象となる。

Cは去る直前、AにUSBを託し、「用心して扱えよ」と一言残す。気になったAがその夜会社で一人でファイルを開くと

そこにはCが独自に計算していた、会社の想定上の損失額が途中まで書かれており、それを最後まで計算すると

世界を奈落の底に陥れるに違いない程の、大損失額となる事を発見。

ABと、今度直属の上司となったDに連絡し、事の次第を伝えると、今度はD上司Eに連絡。Cを探すが行方不明。

ABDE揃ったところで今度はEの上司になるFFと共に会社を握る危機管理を専門とするGなどとご対面。

深夜、問題が広がりを見せる中、社の大御所、Hがヘリコプターでやってくる。

利益になる事しか考えたくないと言い放つオヤジHが辿りついた結論は、「全部処分しちゃえば?」

顧客には何の得にもならないものを売りつける事によって自分の立場と自分のカネを守ろうとするHに対して、

会社のためになる事しかしたくない、と言い放つEは、Dでさえもがついて行く程、社で最も人望の厚い人間。

その人がそっぽを向けば会社どころかここにいる全員が路頭に迷いかねない。さあ、どうする。翌朝はすぐだ。


どれが誰だか書いちゃうと、この映画は全然面白くないのよね。その意外性がまた見どころの一つなので。

で、さっきも書いたけど、とにかく全員が絡む訳。そのどれもが、ホントに全部が映画の見どころ。

大物HとEのタイマンはるシーンとか、AとBの若い2人のシーンとか(特にBがあらゆる場面で笑わせてくれるw)、

Eと、Eの上司のFの場面なんて涙なくしてはいられなかったわよワタクシ。ホントに。見て貰えれば解ると思うけど。

HとGのシーンも良かったなあ。それと、話の息継ぎを作ってくれる、AとBとDのシーンがとってもいい。

最後の方で出てくる、CとGのシーンも味があって良かったし、そうそう、CとDが早朝話してるとこも凄くいい。

DとBが車に乗ってるとこも私は好きだなー。Dのその時の台詞がまた、最高にエグいんだなあ。


性格悪い役も似合うねえ、サイモン・ベイカーw でも今回も更に奥さまのハート鷲掴みは決定。

だってさあ、これだけスーツの似合ういい男が総出でいるのに、彼だけなんだもん、上半身脱ぐの(爆笑。

あれはどう考えてもサーヴィスでしょうよねえwww まあ、腕とか背中しか映んないけどね。奥さま、大注目ですわよ!

そうそう、解ってはいたけど、想像以上にいい男だなあと思ったのがベタちゃん。何せスーツが似合い過ぎ!

(スーツは、ヒューゴ・ボス、ブルックス・ブラザーズ、ブルガリ、ドルガバ、プラダ、セオリーなどをクレジットで確認)

背丈もあるし、頭も小さいし、顔は薄いし(ココポイント)、もうホント絵になる。それでいて癖の強い役が似合う!

デミねいさん、私は良かったと思うなあ。抑えた感じで。ねいさん、今辛いだろうけど頑張ってね!と密かに応援w

ケヴィンちゃまがいいのは当然。もういつ見ても彼は天晴過ぎる。あの声がまたいつ聞いても素敵。

あの彼が最後に見つけた答えの在りかがまたケヴィンちゃまらしくていいのよ。

あれは本気であり、本気じゃないのよね、だから彼は別れた妻の家の庭であんなことするのよね。


ああ、リリース日に見て良かった。すっごく好きだこの映画!!!!! J.C.チャンダー脚本・監督ばんざーい!


街の灯りが液晶に映る。

街の値段が液晶に映る。

液晶に俺の価値が映る。



☆☆☆☆☆


…とまあ昨日ココまで書いて記事を上げ、本日これを吹替え版で見てみた。

一度見た映画をすぐさま吹替えで確認したくなるなんて、デルトロ映画以外では私にとってはかなり異例の事。


ええと、いつも通り確かに吹替えだと情報量が増えるのだけど、今回、それが顕著ではなかった気がする。

字幕だけでも十分に、意味が通じるだけでなく、雰囲気も醸し出されていたのではないかと。字幕翻訳者さん天晴。

そして、2度目に見ると更に、キャラのそれぞれの特徴がもっと良く見えてくる。それがまた面白い。

誰もがいいばかりでも悪いばかりでもない。誰もに、善と悪が存在しているという、その事が実に巧く表現されている。

それが一番よく解るのが、ベタちゃんの役なんだよね。言ってみれば中間管理職一歩手前、みたいなね。

彼自身は自分を「乗り遅れ」だと思っているから、その辺の劣等感も若干ありつつも自負もあるというね。

だからどこか驕ったところも見えるのだけれど、その裏に隠されたナイーブな一面が彼をまた魅力あるキャラにしてる。

そういうキャラのベタちゃんと、勝ち組キャラ、サイモン・ベイカーさまのガチンコシーンは短いけれどとても印象的。

また、ベタちゃんのキャラは吹替えにすると細かい訳文によってもっと見えてくる。未婚である事もちゃんと語られる。

吹替えの声がいいなあと思ったのはデミねいさん。雰囲気もあって素敵なお声でした。


それが誰のための穴なのかなんて考えるのかい?

そんなの、俺じゃないに決まってるじゃないか。

俺はまだこの世で生きるのだもの。飼い殺しされたまま。



*****


マージン・コール [DVD]/ケヴィン・スペイシー,ポール・ベタニー,ジェレミー・アイアンズ
¥4,300
Amazon.co.jp