ガーリックjrについて語ってみた | 極星十字相殺拳

極星十字相殺拳

北斗の拳やキン肉マン、ドラゴンボールについて普通「どうでもいいやろ」と思うことを真剣に自由きままに考える、そんなブログです。

自分の少年時代に、作品を通じて愛と友情と正義を教えてくれた製作者の皆様に、心から敬意と感謝申し上げます。

極星十字相殺拳-120114_1837~010001.jpg 300年前神様と神の座を争った魔族ガーリックの息子。「300年後に蘇る」というガーリックの断末魔のとおり、その意志を継ぎ、神への復讐と地上支配に立ち上がった。

ピッコロを襲った後、ドラゴンボールを集め神龍の力で永遠の命を手に入れた後、現れた神と闘い圧倒するが、悟空とピッコロが現れたため標的を二人に変更。変身して闘うも悟空・ピッコロの連携攻撃に怒り、切り札デットゾーンを繰り出す。しかし怒りで秘めた力を解放した悟飯に吹き飛ばされ、デットゾーンに閉じこめられた。
約2年後、5000年ぶりに魔凶星が接近したためパワーが増大し、自力でデットゾーンから脱出。天界に乗り込み、かつて父ガーリックが取り上げられたアクアミストを使い、地球人全員を魔族と化し魔族の理想郷を創り上げようと画策した。変身してピッコロと闘うが、本気を出したピッコロとの力の差は大きく劣勢になる。最後は再びデットゾーンを繰り出し天界もろとも全て吸い込もうとしたが、悟飯が魔凶星を破壊したため弱体化し、デットゾーンに吸い込まれていった。


ターレスやブロリーの影に隠れがちであるが、あのベジータやフリーザが目指した「永遠の命」という願いを神龍にかなえてもらったただ一人の悪役キャラである。

そして劇場版キャラでありながらTV本編にも登場したのもこの人だけである。

さらに声に至っては劇場版では神谷明氏、TVでは千葉繁氏と豪華すぎる待遇となっている。


にもかかわらず「ああそんなやついたな」程度にしか感じない人もいるかもしれない。何故永遠の命を持ち、TVにも出ていながらブロリーやクウラより存在感がないのだろうか?

俺自身ガーリックjrは声が神谷御大と千葉御大であるので嫌いなわけはなく、むしろ好きな敵キャラの一人ではあるが、もしリアルに「ガーリックってむっちゃ強いですよね!?」なんて言われると、ぶっちゃけ「いや別に・・」と答えてしまう。


などと考え、映画とTV本編を見直していたのだが、俺の中で一つ答えが出た。
「やっぱり圧倒的な強さがないからや」と。
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まず映画本編で見せた実力はというと、当時の悟空とピッコロが本気を出せばなんとかなるレベルであった。全く同じように二人を相手にしたラディッツと比べたら雲泥の差。永遠の命がなければ勝ち目はなかった。


TVでは、フリーザの後に登場したからフリーザより上かもと思ってしまいがちであるが、俺が観た印象だと通常時のフリーザにも劣ると思う。ピッコロとそこそこ闘えていたように見えるが、あくまで魔凶星のおかげであり、しかもその恩恵がありながらピッコロに


「笑わせやがって!あの程度のパワーでいい気になれるとはな」
「パワーが上がったがスピードが鈍っている・・もはやきさまに勝ち目はない!」


と一方的にボコられるレベルである。
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それに悟飯にも身体を貫通されたり、クリリンの蹴りにダウンし、頭上からの気功波で地面に埋もれたりと圧倒的な強さは感じられない。あんた永遠の命がなかったら何回死んでるよって感じだ。むしろ永遠の命があるために真正面からの悟飯の攻撃をいつまでもまともに受けたりと防御がおろそかすぎる。


そして俺が一番小物感を感じたのは悟飯の気功波を避けるシーン。

捕まっていたピッコロとクリリンに不意をつかれ、動きを封じられたガーリックjr。しかしピッコロの身体から力が抜けそのスキをつき二人を振りほどく!迷いを振りきって放った悟飯の気功波が迫る!
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ガーリックはとっさに地面に伏せて身をかわした!って・・

そんないいガタイして伏せてよけんなよ!!

気功波を伏せて避けた悪役なんて俺初めて観たよ!

そら零距離射程でかめはめ波を受けながら「なんなんだ今のは?」と言ったブロリーや、手の平だけで魔貫光殺砲を受け止めたターレスやかめはめ波の中を突き進んだクウラに及ばんわ。

ここはぜひ実際に動いているのをご覧いただきたい。じわじわ笑いがこみ上げてきますよ。


ただデットゾーンだけはガーリックjrしかできない技であり、これについてはすごい技だと認めなければならないだろう。けどガーリックjrが自力で脱出できるぐらいならフリーザ様なら朝飯前のへのカッパだろうな。あれなんかデットゾーンまでショボく思えてきたぞ。

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最後はデットゾーンに吸い込まれて終わりというオチまで映画と一緒という悲惨な結末を遂げたガーリックjr。結局ガーリックjrも最後は悟飯の魔凶星への一撃で敗北した。つまりガーリック一味は全員悟飯一人に敗北したわけだ。

確かにピッコロやクリリンがガーリックjrの気を逸してはいたが、あれは二人とも自分自身が悟飯の邪魔になっていると判断してシールドを解除させるために囮になったためで、事実上悟飯一人に負けたも同然だろう。闘いが終わった後、悟飯とピッコロにこんな会話がある。


ピッコロ「ガーリックjrごときに、孫の力など必要ない!」

悟飯「え・・でも・・」

ピッコロ「本来ならば悟飯、お前一人で充分な相手だったはずだ」


ピッコロの言う「本来ならば」とは、『秘めたる力を自在にコントロールできていれば』ということだろう。映画で初対面時に「摩訶不思議なパワーを感じる」「やはり只者ではなかった」と悟飯の潜在パワーを見ぬいておきながら、最後は「ガキが・・」と見くびったのがガーリックjrの敗因であった。


極星十字相殺拳-120114_1811~010001.jpg だが、彼の価値は強さではない。主人公孫悟空不在でもこれだけの物語が作れるんですよと証明させたことにある。細部に不満点はあるが、俺はこのガーリックjr編はアニメオリジナルの中ではかなり好きな部類に入る。特にピッコロの身体が神様のダメージの影響で思うように動かなくなるという展開が上手いと思う。これがあるからこそ、ピッコロに力が戻ったとき、カタルシスが感じられるのだ。


余談だが、これと同じように孫悟空不在で地球を守れるかっていう展開に出来きれず救いようのない駄作に終わったのがGTの超17号編である。アルティメット悟飯、超ウーブ、悟天、トランクス、そしてベジータとこれだけのキャラがありながら全員噛ませ犬になったのは本当に見るに耐えなかった。