北斗の拳書籍解説 「北斗の拳最強は誰だ」 | 極星十字相殺拳

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北斗の拳やキン肉マン、ドラゴンボールについて普通「どうでもいいやろ」と思うことを真剣に自由きままに考える、そんなブログです。

自分の少年時代に、作品を通じて愛と友情と正義を教えてくれた製作者の皆様に、心から敬意と感謝申し上げます。

コンビニで「リュウが最強である」と断じている本があるという情報を入手し、仕事が御用納めとなった本日買い求めたのだが、セブイレ、ローソン、サークルKいずれもなく、4件目となるサンクスでようやく入手できた。
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北斗の拳に関する書籍というのは、冗談抜きでろくなものがない。高評価できるのは武原堀江3御大のインタビューを掲載した不知火プロのデータ本くらいだ。とにかくいい加減なのである。どうせろくなもんじゃないだろうから、ブログのネタにしようと今回購入した次第である。

まえがきで「異論もあることは承知の上で」とあるので、思いっきり異論を述べさせてもらおうと思う。


○ケンシロウの項

「北斗百烈拳」→もう仕様って感じで誤植ってくれますね。「北斗百裂拳」ですから!もうこれで駄本認定もん。


「北斗破顔拳」→・・これはアニメで命名された技名なのだが。ひと通り目を通したかぎりではこの本の編集スタッフはアニメ北斗は殆ど観てない感じだ。何故・・


○ケンシロウはなぜ伝承者になったか

「リュウケンはこう考えたのではないか。ケンシロウは(略)いずれ強大な力を手に入れるだろう、と。」

→真・救世主伝説 ケンシロウ伝観てください。リュウケン本人がケンさんに説明してますから。

「トキは優しすぎる拳ゆえに北斗神拳を発達させるには心もとない」

→真・救世主伝説トキ伝とトキ外伝を参照してください。リュウケンの中では伝承者は一度トキに決定してます。


○胸の7つの傷は最高の伝承者の証

「二千年の歴史の中で7つの傷を持つ男は幾人かいたに違いない」

「六星だった者もいただろう、死兆星が輝く北斗七星だったものもいただろう。」

「ケンシロウの北斗七星は完璧な配列をなしている。これこそが最強の証なのだ」

はい?

体のどこかに七星のアザがあるのがその証とでも書けば良いものを、しょーもない世迷言書いて・・


○シンはリュウケンに7つの傷をケンシロウにつけるよう命じられたのではないか

ないわ!

億歩ゆずってハゲが言ったとしてもあの「そんな老いぼれの戯言とうに忘れたわ!」と言うシンが素直に聞くと思うのか?


○ケンシロウのその後を大予測

「リュウも幼き頃にケンシロウの拳を間近で見て北斗神拳伝承者になることを望んでいた」

→望んでませんから。「俺は伝承者になることを望んでいなかった!」と自ら拳を捨てますから。北斗の拳4で。


○シンの項

「ユリアを自分に振り向かせることができず、結局は自害に追い込んでしまったこと懺悔する」

→・・あれは・・懺悔か?


○バットの項

「バットが北斗神拳を身につけていたら、それは相当な強者になっていたことだろう」

→北斗宗家の血が流れていないので、良くてジャギ、アミバ、バランレベルと思いますが。


○スペードの項

「北斗残悔拳を受け、たわばっ!」

→たわばはマッド軍曹です。


○ソリアの項

「一撃で敗れた」

→もう一回17巻読んでください。どこが一撃ですか?ていうかソリアをスペード等と同じ雑魚キャラ扱いしないでください。


○レイの項

「妹レイア」なめんな。

「レイにとってマミヤとの別れが何より辛かったろう。叫びたいほと寂しかったにちがいない」

「死の直前、一筋の涙を流したことだろう。レイがマミヤとの別れに涙するのだ」

ねぇよ。笑って死んでいってるだろうが。アニメでも「悔いはない・・」と言ってるだろうが。


○アイリの項

「人形のようにしか生きることしかできなかったアイリ。原因はレイの過保護!?」

→ジャギにさらわれて悪党の中に投げ出されて心を閉ざしたからだろうが。


○ジャギの項

「北斗神拳の面汚し」

「卑怯、破廉恥、ろくでなし、そんな言葉はこの男のためにあるのではないか」

「北斗神拳二千年の歴史で最低の男」

→なんかジャギを貶めたら読者は満足するだろうみたいな安直な考えが見え隠れするのが、腹ただしい。

一回ジャギ外伝読んでみてください。価値観変わるから。

「ジャギはザコ相手にも北斗神拳を振るった描写はなく」

→顔をみて殺された部下はどう説明するんですか?


○トキの項

「当然トキを捕らえるのにラオウ本人が動いたわけではない。部下の誰かにやらせたのであろう」

ラオウ外伝とトキ外伝読んでください。拳王様自ら、トキと対面してます。


○マミヤの項

「レイに対する後悔がじわじわと大きくなってきた」

「どうして愛している、たったその一言が言えなかったのか」

→マミヤはケンシロウを愛していたからだろうが・・どんだけマミヤがケンシロウに気ある素振りしてたと思とんねん・・


○シュウの項

「シュウが目を潰さなかったら?サウザーと手を組むことをしたかもしれない。サウザーの配下になったかもしれない」

→正気ですか?盲目となる前はサウザー自身が「この道場でヤツと互角に闘えるのは俺一人」と認めていたほどの強さなのだから、むしろサウザーの抑止力になっていたと考えるのが自然じゃないですか?


○サウザーの項

「いつの日か南斗と北斗が拳を交える日がくるとオウガイは読んでいたはず。だからサウザーに期待をよせた」

→いつからお師さんがそんな野望を・・


○リュウガの項

「ケンシロウとの闘いではその拳を全て見切られ、かすり傷ひとつさえ残すことができない」

→もう一回13巻読んでください。頬に傷をつけてますし、拳が肩にヒットしてるでしょうが。


○フドウの項

「ラオウはケンシロウに負けたのだ。フドウとの闘いで味わった恐怖がラオウ敗因の一つとなったのだろうか」

→違います。拳王様を恐怖させたものは愛、そのため恐怖を拭うために、愛を捨てようとユリアを殺そうとしました。しかし拳王様はユリアを殺せず、「うぬへの愛を一生背負っていってやるわ!」と仮死状態にしました。

この時点で、拳王様はすでに恐怖を克服したのです。ケンシロウに対する恐怖がなくなったからこそ、北斗練気闘座で全くの五分となり赤子の闘いになったのでしょう。拳王様自身は「愛を帯びたなど恥辱!」と否定されてましたが、このとき、その心に愛を刻みつけておられたのです。

すなわち、拳王様の敗因は「愛を背負ったことに対して恥辱と思う気持ち」と「愛をもつ者に倒され、とって変わられることを願っていた」ことと「己の暴走を止めるために自ら倒れることを望んでいた」ことだと私は思います。


○ハンの項

「ケンシロウの強さを見抜けなかったのがハンの最初で最後の後悔だろう。」

「川へ落ちながらハンは自らの力を過信したことを悔いていたことだろう」

→むしろ強い相手と心ゆくまで闘えて、満足して死んでいったんじゃないんですか?私ならアニメで「帰れ!帰れケンシロウー!!!」と死ぬ間際までケンシロウの身を案じた優しき心が気になりますが。


○ヒョウの項

「魔界に入ってしまってからのヒョウは恐ろしく強い」

→言葉足らずです。北斗宗家の血が目覚めてからですね。それまではほとんど相手になってませんでした。

「万手魔音拳を放った際、ケンシロウの顔が一瞬恐怖にひきつった!目を見開き、汗さえもにじみ出る。あれはまさしくやられる!と思った顔ではないだろうか」

・・・はい?

ケンさんは途中で拳を止めてるでしょう、異変に気づいて。明らかに背後のシャチに気づいて拳を止めたんじゃないですか。ちなみにアニメではヒョウの涙に気づいて「な、涙!」と同じく拳を止めています。

「あの場面ではヒョウのほうが力量は上だったのではないだろうか」

→北斗宗家の天才児であるケンシロウのほうが上だと思います。ですが、カイオウの目論見どおり相討ちになっていた可能性は否定できないですね。


○黒夜叉の項

「外見からはザコキャラに見えてしまう」

→ショウエイシステムにケンカ売ってますね。


○リュウの項

「最も彼を成長させたのは、やはりサヴァ国での経験ではないだろうか」

→ええ~?一番影薄かったやん。それよりも拳王様の偉大さを知ったコウケツやバラン戦でしょう。

「母親はトウしか考えられない」

→今更・・絶対ラオウ伝観てないですね、スタッフ。まあ誰でもいいんですけどね。堀江御大の中ではレイナになってるんじゃないかなあ。


○ケンシロウとユリアの隠遁生活

「ケンシロウは余命数ヶ月のユリアと姿を消した」

→「うぬの命はあと数年はもとう!」と拳王様が延命したのはなんだったのか。


○結論:最強は誰だったのか?

「ヒョウの万手魔音拳のとき、ケンシロウの表情は敗北をも覚悟しているようにみえる」

→だから(略)ヒョウを持ち上げすぎ。


ツッコミどころとしては、これぐらいですね。正直、編集スタッフの妄想がふんだんに盛り込まれてるのでそれを笑って許せるかどうかですね。俺?元々ネタにする気で買ったんで怒りは感じてませんよ。こんな知識レベルでも本というのが出版できるというのが問題だと思いますが。


一度でいいからファンを納得させる書籍が発売されてほしいものです。