初心者同志 -43ページ目

フォルティ ・ タワーズ

海外の、それも英国で作られたコメディなんかを、わざわざ見る必要があるの?


と思う人がいるかも知れない。


「日本人なんだから、日本のお笑いを見ればいいじゃない!」


うん、確かに、その通りだと思う。

例えば、「24 -TWENTY FOUR」のような海外ドラマだったら、

その面白さは、見た人ならば誰でもわかる。

面白さを改めて説明する必要がない。


でも、お笑いの場合は、なにを面白いと思うか、の部分が重要だ。

それは、生まれ育った環境、生活している国や地域によって、

大きく違ってくる部分がたくさんあるのだと思う。


私たちが面白い、と思って見ている日本のお笑い番組も、

海外に住む人たちに見せたとき、同じような反応が返ってくるだろうか、と

考えると、やっぱり日本人と同じように笑っている外国人というのは

とても想像できない。


逆に私たちが、中国や韓国で放送されているお笑い番組を見て、

その国に住んでいる人たちと同じように、

お腹を抱えて笑うようなことがあるだろうか、と思うと、

やっぱり、それもきっと、ないだろう、と思う。


前回紹介した、「空飛ぶモンティ・パイソン」を初めて見たときも、

実は、同じことを思った。


面白いなあ!・・・でも、これを見て、日本人が面白いと感じている部分は、

きっと本当に面白い箇所の半分にも満たないんだろうな。


海外で製作されたコメディを見ているときによく思うのは、製作者が、


「当然、ここは大笑いしてくれよ!」


という思いで作っただろうシーンを、よく理解できないまま、

サラッと素通りするように見てしまったときだ。


なんだか気まずいような、乗り遅れたような思いに駆られて、

その作品と、見ている自分自身に、ものすごく距離感を感じてしまう。


そんな瞬間に出会うのが嫌で、私は友人にも、絶対に

英国のコメディを紹介しなかった。


簡単に言えば、よく知っている友達にさえ、「面白いねっ!」

言ってもらえる自信がなかったのだ。


まあ、友人も、見たいと言ってくれた人はいなかったんだけど・・・・・・。

そもそも、みんな興味ないんだ、うっ、うっ、う。


前置きがものすごく長くなってしまった。


そんな中で、一つだけ例外で、友人に見せて、本気で一緒になって

ゲラゲラと笑いながら見ることのできた作品がある。


それが、「フォルティ・タワーズ」だ。


Fawlty Towers

FAWLTY TOWERS(低価格版)   ◇ 2008年3月19日発売 

物語は、田舎町にあるホテルを舞台に、

その経営者バジル・フォルティ(ジョン・クリーズ)のどこまでもいい加減で、

ホントに最低な経営者ぶりと、それによって起きる、従業員や

宿泊客とのトラブルが描かれていく、シチュエーション・コメディ。


昨日までのこのブログでは、モンティ・パイソン以後の英国製コメディを

紹介したい、と書いたけれど、主演でバジル・フォルティを演じた、

ジョン・クリーズは、モンティ・パイソンのメンバーの一人で、

この作品が製作された当時は、まだまだモンティ・パイソンが全盛の時代。


なので、正確には、以後の作品とはいえない。


ただ、「空飛ぶモンティ・パイソン」とは全く違う趣のコメディで、

しかも最も好きな作品なので、どんな作品よりも最初に紹介したいと思う。


番組の形は、日本でいう、シチュエーションコントに近くて、

日本人になじみやすくなっているのも特徴の一つ。


ただし、1話が約30分でありながら、その中身はとても濃密だ。


ほぼ、描かれるシーンはホテルの中のみという、限定された中で、

従業員、なじみの客、普通の宿泊客などが入り混じり、

人間関係が幾通りにも交差していきながら、

ときには、すれ違いや、勘違いによって起きる誤解などが、

番組の間中、休みなく描かれていく。


そこに、傍若無人なバジル・フォルティの経営ぶりが加わって、

物語はさらに加速していくのだから、ホントに目まぐるしい。


反面教師な教材として、やってはいけないことを学ぶために、

英国では、実際にホテル従業員の教材としても配布されたという

逸話のあるバジル・フォルティの駄目な経営者っぷりが、本当におかしいのだ。


もし、海外コメディにこれまで興味はあったけれど、

実際に自分で見てみるまでには至らなかった、という人。


本当に面白いと感じられるか疑問に思っている、という人。


そんな人たちはぜひ、試してみて欲しい。


「フォルティ・タワーズ」は、英国コメディの最高の入門書になると思う。



コメディの発掘。

今、日本は、第何次かのお笑いブーム、らしい。


今見ているお笑い番組といえば、インターネットの動画配信サイト、

ミランカ内で無料で配信されている、「内村さま~ず」くらいという

私にとっては、あまり実感できないことではある。


それでも、その中に、海外のお笑いまでは含まれていないことくらいは、

理解できる。


実は私は、数年前に日本で、あの「Mr. ビーン」が大人気に

なったときも、決して日本人が海外のコメディ作品を評価したからこその

盛り上がりだ、とは思えなかった。


むしろ、みんながなにか面白いと言っているので、

よく分からないけど、ちょっと自分もそのブームに乗ってみた、という、

連鎖反応のような、あまり中身のない、寒々しい盛り上がりのように感じられた。


「Mr. ビーン」以降にもたくさん製作された、海外の傑作コメディ作品たちが

その後、ほとんど紹介されることも、評価されることもなく、

「Mr. ビーン」以前に製作されていた作品が、改めて、再評価されることも

なかった現実を思うと、そんな私の考えは、決して完全な的はずれだった、

とも言えなかったのではないか、と思う。


お笑いの魅力とは、なんだろう。


私は、思う。


それは、びっくりするくらいおかしい瞬間に、ふいに出会えることだ。


そして、それが1番味わえる瞬間とは、きっと、こういう時だ。


まったく、自分では想像もしていなかった、新しい創造の瞬間を、目の当たりにした時。


だとしたら、海外のコメディから目を背けつづけるのは、もったいない。


なぜならそこには、日本の文化では決して生まれることがなかった、

新しい創造の瞬間で溢れているからだ。


というわけで、次からは何回かに分けて、

私が実際に見た作品のみの範囲内で、その新しい創造で溢れた、

英国製コメディを、いくつかご紹介の予定。





モンティ・パイソン以降。

昨日、モンティ・パイソンについて、少しだけ書いたので、

その勢いに乗って、もう少しだけ。


そもそも、私がモンティ・パイソンを初めて見たのは、

日本で、あの「Mr. ビーン」が大きな評判を呼んでいた頃から、

さらに少しあとのこと。


「Mr. ビーン」が大ヒットしたことで、同じ英国BBCで放送された

傑作コメディとして、NHKが紹介、放送されたのが、昨日も書いた、

「空飛ぶモンティ・パイソン 」の字幕版だった。


それまで私は、なんとなく聞いたことがあった【モンティ・パイソン】とは、

チャーリー・チャップリンや、バスター・キートンのように、

一個人の名前だと勝手に思っていた。


うーむ、今思うと、すごく恥ずかしい・・・・・・。


当時、「Mr. ビーン」があまり肌にあわなかった私も、

この「空飛ぶモンティ・パイソン」については、一度観たあと、

しばらく番組の内容が頭から離れなかったくらいの衝撃だった。


最初の2回を録画しないで見てしまったことを、

それからしばらく、後悔しつづけたくらいだった。


そもそも、「Mr. ビーン」のようなコメディが、なぜNHKで

放送されたのかといえば、それは元々放送されていた

英国のBBCというチャンネルが、日本でいう国営放送だから。


つまり、BBCとは日本のNHKなのだ!


ということがわかると、「空飛ぶモンティ・パイソン」や、「Mr. ビーン」

といったコメディの凄さがわかる。


NHKで放送される際には、実はいくつかのシーンが編集されて

いたようだけど、本国の英国で放送される際は、もちろん

ノーカットで、宗教の問題から王室問題、同姓愛に至るまで、

扱われるネタは、なんでもあり。


そんなコメディが、ときには、BBCが真面目にニュース番組を

放送しているその裏番組として、もう一つのBBC2のチャンネルで

平然と放送されているというのだから、なんだか驚くというより、

うーん、もう、圧倒されてしまう。


更にモンティ・パイソンについて言えば、英国のテレビの世界では、

コメディに関しては、モンティ・パイソン以前と、

モンティ・パイソン以降、という区切りが作られてしまうくらいの

すごい影響があったという。


ただ、【モンティ・パイソン】という名前はとても有名だし、

日本でも度々紹介されるので、彼らが携わった作品については、

そのほとんどが知られている作品ばかりになっている。


でも、それ以降に作られた、「モンティ・パイソン以降」として区切られる、

比較的新しい、英国の傑作コメディは、意外と知られていない。


それは、ちょっともったいない!


ということで、それらの作品の紹介については、明日につづく。


ちなみに、コメディではないけれど、BBC製作のドラマは

NHKでよく放送がされていて、私の一番のお気に入りは、

「不思議の国のアリス」


日本だったらアニメにしてしまうのだろうし、

米国だったら、精巧なセットとCGで作ってしまうだろう、

あの世界観と物語を、ほぼすべて現地のロケーションと、

演じている人間の顔だけ出ている着ぐるみのみでやってしまうのが、英国!


英国、すごいのです。




尊敬すべき二人。

まさに今月に入ってから、アーサー・C・クラーク作品を

読み返していたとき、その彼が死去した、

というニュースを聞き、


つい先日、このブログで映画や海外ドラマの吹き替えについて、

ジャッキー・チェン作品だけは字幕では見ない、と書いたときに、

声優の広川太一郎氏が死去した、

というニュースを聞いた。


元々、二人とも大好きだった人たちだ。


でも、上記のようなキッカケもあって、改めて注目しようとしていた

その矢先に、その人たちからは、もう二度と新しいものが

生まれることはないという事実を突きつけられるなんて、

なんだか、ちょっと皮肉めいたタイミングのように思えて、とても悲しかった


なぜなら、すでに亡くなった人が過去にした仕事、として

それらを見るのと、いまだ現役で活躍している人が、

これまでにやってきた仕事、として見るのとでは、

抱く思いがまったく違ってくるからだ。


今回のことを機会に、改めて、この二人がこれまでに

してきた仕事について調べてみたら、自分の知らないものが、

あまりに多いことに驚いてしまった。


アーサー・C・クラークの書いた小説については、まだまだ

読んでいない作品がたくさんあることはわかっていたので、

そんなに驚くことはなかったけれど、広川太一郎氏の過去の仕事については、

知っていてもいいはずなのに、今回調べてみるまで気づくこともなかった

仕事が本当にたくさんあった。


ジャッキー・チェン映画は常に吹き替えで見てきた私にとって、

広川太一郎といえば、もちろん、マイケル・ホイだ。


でも、それ以外の吹き替えのお仕事、

たとえば、ジェームス・ボンドは、吹き替えで見たことがないし、

スノークをやっていたというテレビアニメのムーミンは、

新しい方しか知らないので、まったく聞いたことさえないみたいだ。


ただし、一つだけ、とても密接に関われた作品がある。


それは、モンティ・パイソンだ。


数年前にNHKで放送されていた【空飛ぶモンティ・パイソン】の字幕版を

見て以来、ネット上のあらゆる所で、古きよき思い出のように語られていた、

伝説の吹き替え版を、ずっと見たい、と思っていた。


それが先月、「日本語吹き替え復活版」としてDVDのBOXで発売されると知り、

私はすぐさま購入。

私にとっては、マイケル・ホイですっかりおなじみとなっている

あの名調子を、まさか、こんな傑作コメディの中で楽しめるとは

思ってもみなくて、一気に見てしまった。


あまりに面白いので、ぜひ、改めて、テレビだけでなく、

映画作品も含めて、すべての作品を一からこのキャストで吹き替えしてほしいな、

なんて思ったくらいだけど、それも、叶わぬ願いとなった。


もちろん、ジャッキー・チェンの声を担当する石丸博也氏との

絶妙な掛け合いも、今後、新作映画でジャッキー・チェンとマイケル・ホイが

競演するようなことがあっても、もう二度と見られない。


アーサー・C・クラークだって、あれだけ、ずっと先の未来と、

宇宙を描き続けてきたけれど、これ以上先の、現実の未来を

その目で実際に見ることはない。


ああ、なんて、すごい事実、そして現実なんだろう。


偉大な作家と、偉大な役者に、改めて、心からの哀悼の意を表する。


「HEROES/ヒーローズ」放送終了の感想。

先週、「HEROES/ヒーローズ」の日本での全放送が終了した。


日本ではスーパードラマチャンネル で約半年に渡って、

吹き替え版、2ヶ国語版、2ヶ国語/一部英語字幕版の

全3タイプで放送がされた。


これまで、ずっと毎週見続けていただけに、

もう来週は放送がないんだな、と思うと、なんだか寂しい。


放送話が残り少なくなってきていたときも、

ああ、もう終わってしまうんだなあ、なんて思っていて、

ふと、気が付いた。


ドラマが終わるのを、こんなに惜しいと思いながら見るのは、

いつ以来だろう。


シーズンという形で区切られ、多くのエピソード数で1作品が完成する

海外ドラマの場合、むしろ、早くその結末を知りたくて、

もっと早く次を見たい、と思わせる作品ばかりが最近続いていたので、

なんだかそんな思いになるのは、とても久しぶりだな、という感じがした。


「HEROES/ヒーローズ」には、他のドラマと同様、

数々の人間関係や、事件、謎が存在している。

SF系群像劇ドラマは、これまでにも海外でたくさん作られてきたけれど、

その中でも、それらの中身の濃さでいえば、間違いなくトップクラスだと思う。


にも関わらず、「HEROES/ヒーローズ」では、

それらの回答を一切、先送りにしたりしないストーリーが展開する。


私たち視聴者は、物語の展開を辛抱強く待たされるようなことがないのだ。

全て見終わったいま、全23話もある中に、ここまで物語を

詰め込めたのは、驚異的にさえ思えた。


逆に言うと、


「なんだ、やればできるんじゃないか!」


と、事件の真相を思わせぶりに少しずつ見せながら、

その真実についてはずっと先送りにしてしいる、他のドラマのことを、

なんだか叱咤激励したくなるくらいだ。


物語の序盤、特別な能力が自分の中にあると気づいた

様々な人たちの日常を描くところから始まり、突如、それが、

世界を救う物語へと発展していく、「HEROES/ヒーローズ」


見始めた人は、その登場人物の多さと、目まぐるしいまでの開、

壮大すぎる目的や、数々の謎などに、この作品は、

いったい何シーズンかけて完結する物語なのだろう、と思うかも知れない。


最初に言っておくと、「HEROES/ヒーローズ」

第1シーズンで描かれていくことになる、数々の謎やその物語は、

ほぼ、第1シーズンの中で全て、完結する。


第4話、突如起きる印象的な展開と共に、かけられる言葉、


「世界を救え!」


の答えも、最終話でしっかりと全て、帰結していく。


いったい、第2シーズンでは、改めてどう物語を製作していくんだろう、

と心配なるくらいだ。


とはいえ、気になる言葉も、ほんの僅かだけど、

最終話に出ていたので、どうやら、物語は今回の「世界を救う」という以上の、

大きな目的を見つけることになる。

の、かもしれない。


「HEROES/ヒーローズ」に関するする詳しい感想は、

これまでに書いてきた記事もすべてまとめた上で、

改めてもう一度だけ、書く予定。




HEROES !

HEROES / ヒーローズ Vol.1       ◇現在発売中
HEROES / ヒーローズ DVD-BOX 1  ◇2008年3月20日発売予定
HEROES / ヒーローズ DVD-BOX 2  ◇2008年5月15日発売予定