秋華賞トライアル・つぼみカップの激闘から2週間後、富士川厩舎の馬房では、マスター富士川と沖田がグリーンワールドの脚を入念にチェックしていた。
「ガッデム!まだ激走のダメージがひかないデスネ・・・。」
「秋華賞の出走権を手に入れたのに、まいったな・・・」 沖田が苦い表情を見せた。
「本番までまだ日はアリマス。ミーたちは、ダメージの回復に全力を注ぎまショウ!」
「はい!」
「あ、マスター。そろそろメインレース中継の時間ですよ?」
「もうそんな時間デスカ?!」
「ウワアアアアアア」
中山のメインレースは電撃の6ハロン戦、G2・雷風記念です!天候はあいにくの雨ですが、本番に向けたステップレースとして、短距離界の猛者が顔を揃えました!
1番人気は古馬・マッドヘリオス!百戦錬磨の逃げ足は、重馬場でも威力を発揮するでしょう!あと注目すべきは、3歳馬ウインドジュエルの参戦でしょう。春のクラシック戦線をわかせた同馬が、短距離界に殴り込みをかけてきました。 世代最高のスピードを武器に、古馬の牙城を崩すことができるか!
さあ各馬のゲート入り。続々と入っていきますが・・・マッドヘリオスがまた言うことを聞きません。うーん、呆れた馬でありますマッドヘリオス。 ようやく今入りますか・・・いや、入りません。脚蹴りを食らわせておりますマッドヘリオス。鞍上海老名、アタマを殴って無理矢理のゲートイン。
今ようやく入りました。五月蠅いところを見せておりますが一応のゲート入り。あとはスムーズに入っていって・・・さあ全馬16頭、準備が整いました。気合いが入ります。
「ガシャン!」
マッドヘリオス好スタート!今日もいったぞ、マッドヘリオス!これに負けじとウインドジュエルも続いた!前は激しい先行争いだ!
さあ、いった、いった!ヘリオスとジュエル!ヘリオスとジュエルがスピード比べ!後続はちょっとついてこれないか!グングングングン突き放す!この馬場でこのスピードは脅威です、マッドヘリオスとウインドジュエル!
「ウワアアアアアア」
スピードのある馬しか前に行けませんハイレベルの短距離戦、マジックブルボン三番手でやや追っつけ気味、バクシンマツカゼも好位続いてあとはどうか、有力どころトモミナンバーワンは中団あたり、
早くも前は第三コーナーから最終コーナーへ、マッドヘリオスにウインドジュエルが一馬身差に詰めてきたか、内から上がってくるバクシンマツカゼが今四番手から五番手に、後続どうか、後続まだ後方まで差があってさあ電撃の六ハロン戦、早くも前は最後の直線に向かってくるが、
さあマッドヘリオスが頑張るぞ、追ってウインドジュエル二番手から前に並んでくるか、内からバクシンマツカゼ三番手、あとはどうか、あとは混戦模様、混戦模様で何が突っ込んでくるか分かりませんが、
マッドヘリオスが先頭、さあ二番手からウインドジュエルがこれに迫った迫った、懸命にムチ、懸命にムチが入ってマッドヘリオス今日の鞍上は海老名正義、踏ん張る踏ん張るマッドヘリオスだが、
外からウインドジュエルが並んで来るっ、外からウインドジュエル、マッドヘリオスに並んで来てこれを交わしに掛かるっ、しかしヘリオス抜かせないっ、ヘリオスが根性見せて抜かせないっ!ジュエル食い下がる、ジュエル食い下がって差が無く懸命に前に出ようとしているが、
マッドヘリオスか、マッドヘリオスこのままか、ウインド二番手、三番手一馬身差でバクシンマツカゼだがこれはどうやら三番手まで、後ろからトモミナンバーワンがこれに襲いかかってくるが、
これはすごい!スピードが落ちないぞ、ヘリオスとジュエル!降りしきる雨を切り裂いてヘリオスとジュエルがゴールに突進だ!
前はマッドヘリオスにウインドジュエルがもう一度!もう一度ウインドジュエルがマッドヘリオスに並んで来てああっ、交わすかついに交わすかゴール板前、
ヘリオス!ジュエル!ヘリオス!ジュエル!マッドヘリオスとウインドジュエル、馬体をあわせて、今ぁゴールイン!!!
「ドオオオオオオ!」
これは分からないぞ!結果は写真判定に持ち越されます!
ああ、結果が出ました!ジュエル!ジュエル!
マッドヘリオス敗れるーーー!勝ったのは3歳牝馬・ウインドジュエルです!!!
そして二着にマッドヘリオス。そのあとはバクシンマツカゼとトモミナンバーワンあたり。
見ごたえのある逃亡劇は、サクラバクシンオー産駒・ウインドジュエルに軍配があがりました!短距離界にニューヒロインの誕生です!!!
「マスター!ウインドジュエル、やりましたね・・・!」
「フー!今日はジュエルに勇気をもらいましたヨ!
ミーたちも、”あたってくじけろ” ネ!」
「”あたってくだけろ”です!!!」
(つづく)