馬運車の後ろに停車したフェラーリ F50から、金ピカに着飾った女性が降り立った。
「ユーは・・・ミセス・ガッツ! ( ̄Д ̄; 」
「ムカッ・・・。何度言えば分かるのかしら?私の名前は”ガミラス”よ!」
「おーい、マスター!携帯電話忘れてますよー!って、あれ?ガミラス夫人!」
「沖田くん!この野蛮人をちゃんとしつけないとダメじゃない!」
「ミーが野蛮人?!」
「マスターがまた何か失礼なことを?」
「また、って・・・。」
「・・・。まあ、いいわ、今日のところは許してあげる。」
「なんだか、ご機嫌ですね。ガミラス夫人!」
「フフ、沖田くんわかる?今日はうちの期待の2歳馬が入厩するのよ。」
「へえ!期待の2歳馬ですか!」
「レッドバロンの今年の2歳馬の中でも、この子は文句なしにピカイチよ!オホホ」
「へー!辛口のガミラス夫人がそこまで褒めるなんて、よほどの素質馬なんですね!」
「ええ、レッドバロン初の3冠も夢ではないわ。オホホホホ!」
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「レッドバロンHCの女帝「ガミラス知美」か。親父から話は聞いたことがあるよ。」 祇園の料亭の一室で、有田が寿司をほおばりながら言った。
「あの赤い軍団のことか。たしか、リエマリアもそこの所有馬だったよな?」 と多良崎。
「YES。他にも星の数ほどの名馬を所有する競馬界の巨人デス。」
「巨人ねぇ・・・。睨まれたら怖そうだ。ワハハ。」
「ガミラス夫人のご主人は?競馬界とは無縁なのか?」 と多良崎。
「デスラー・ガミラス卿。フランス競馬界屈指の大馬主デス。」
「へぇ・・・!夫婦で日仏の競馬界を牛耳ってるわけか。」
「レッドバロンHCは、世界中に支部があるんだよ。その総本山がフランスにあって、そこのトップがガミラス卿ってわけさ。」 有田が続けた。
「今度のマイルCSにも、トモミナンバーワン号が出てくるはずデス。」
「人気の1頭だね。当然勝ち負けになるだろうな。」
「なあ有田、おれたちもマイルCSを観に行こうぜ。」
「そうだな、多良崎。ガッツさんのご尊顔を拝謁しにいくか。」
「それなら、スーパーキッドもその日の新馬戦に出走させマショウ。」
「いいよマスター、そんな無理しなくて。」
「レースに使いながら、仕上げていくのデス。」
「なるほど、調教の一環ってわけか。」
「YES。有田さん」
「それって、ただの手抜きじゃないのか?」
「シャーラップ!素人はだまってろ! (▼Д▼#)」
「まあ、いいんじゃないの?多良崎。 あ、スミマセーン、お寿司もう1桶!」
「まだ入厩して日が浅いってのに!この楽観主義者たちめ・・・。」
「そうそうマスター、そのレッドバロン期待の2歳馬ってのは?」
「ああ、ミラクルスター号のことデスカ?有田さん。」
「ミラクルスター・・・!」
「たしかに、2歳馬とは思えない馬体をしてマシタヨ。それに、むせ返るようなオーラを放ってマシタネ。」
「ほう・・・!」 勝負師・有田の眼が輝いた。
「嬉しそうだな、有田。」
「ヘヘッ。マルゼンエッジといい、そのミラクルスターといい、どうやら今年の2歳馬は当たり年のようだな。こりゃ歴史に残るクラシックになるぞ!」
「当たり年、か。うちの2歳馬も当たりならいいんだがな・・・。」 ぼやく多良崎。
「このネガティビアンめ!!! (-゛-;) 」
「このネガティビアンめ!!! (-゛-;) 」
(つづく)