藤原洋のコラム -31ページ目

~ポストコロナ社会を見据えたワークスタイルについて~

 

 緊急事態宣言の解除と共に、「社会」は、「生命」と「経済」という重い課題を抱えながら、これまでとは異なる時代へ向って動き始めたように思えます。

 

 このたび、私も含めて当社のテレワークへの取り組みは、約3か月を経過しました。そこで、私自身が、感じたこと、気づいたこと、心がけていることについて述べさせて頂きたいと存じます。

 

●第2創業期に同期したテレワーク社会の到来

 当社の2020年の創業20周年を迎える第2創業期に向けて、2015年頃から準備してきたことは、次なる成長フェーズに入るための具体策でした。この新たな成長フェーズへの移行の意志を明確化するために、会社ロゴに「5G Innovations」を掲げ、新大手町5Gデータセンターへの開設と新5Gオフィスへの移転を実行しました。

 そこで、一貫して心がけてきたことは、5G時代の歴史的な情報通信インフラの進化に適合した、株主、顧客、従業員、協力企業のステークホルダー満足度の向上です。その中の1つが5G時代に相応しい「働き方改革」ですが、背景には、2020年4月は、「働き方改革関連法」が本格的に施行され、時間外労働規制の中小企業への拡大、ならびに大企業における同一労働同一賃金が適用されるタイミングであることがあげられます。しかし、新型コロナウイルスによる感染症拡大という誰も想定しなかった要因によって、「働き方改革」がかつてないスピードで進展し始めました。その中心をなすのが、 「テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)」の導入拡大です。

 テレワークは、古くからある概念ですが、ポストコロナ社会を見据えて、特筆されるべき今日の時代の変化を表す代表格であります。また、それと同時に、さまざまな事情や懸念から「働き方」を変えられずにいる人々が多いこともあります。何れにしてもポストコロナ社会の特徴の1つが、テレワーク社会であると言えます。

 テレワーク社会では、時間と場所をより有効に活用した就労・作業形態によって、企業にとっての競争力強化のみならず、新しいビジネスの創出や労働形態の改革、事業継続の向上をもたらすと共に、多様化する個々人のライフスタイルに応じた柔軟かつバランスのとれた働き方の実現に寄与することが期待される社会です。

 しかしながら、一方では、テレワークのための情報通信ネットワークの脆弱性によるサイバー攻撃による被害や情報漏洩などが、多発しています。従って、その対策としてのサイバーセキュリティの重要性が益々増大する社会であると切に感じる今日この頃です。

 

●テレワークとは?その効果とは?

 改めて、「テレワーク」(「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語)は、ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、結果的に、最も遅れていた日本社会の現在の働き方改革の中心に浮上しました。図らずも、労働人口の減少に伴い、従業員一人ひとりの生産性がより求められる中で、テレワークはその解決策の一つとして期待されています。
 今回、コロナショックによって、当社もテレワークを一気に導入したことで、以下のようなメリットがあることを痛感しました。

①災害や感染症の蔓延時にも通常と同じように業務を継続できる。

②通勤や移動の時間を有効活用し、大幅なコスト削減につながる。

 

●3か月間テレワークを使ってみて

 私自身、この3か月間、テレワークによって、色々なことを体感しました。

 最初に感じたことは、約5回/日のWeb会議を行ってきましたが、移動時間が、不要だということの価値です。その結果、これまで経験したことのない、会議出席が可能となりました。コンピュータのオペレーティングシステム(OS)に例えると、進化したマルチタスク、マルチスレッドOSが、実装され、同時に複数の仕事をこなせる環境が整ったと言えます。

 一方では、「管理職」と「非管理職」の各々の立場の人々が、「不安に感じていること・逆に機会と感じていること」に相違があることが分かりました。また、「テレワーク環境下でビジネスパーソンに必要なスキルと、それがすでに身に付けられているかどうか」についても把握することができました。

 また、企業経営の視点から、テレワークは、オフィス以外の場所を選択できる働き方ですが、実のところ、変化するのは働く場所だけではないことを実感しました。具体的には、オフィス空間が提供していたもの、例えば、意思疎通、人と繋がっていること、自律、セルフマネジメント、安定した日常等の実感が、どう変化したのかという点で、以下のようなことを感じた次第です。

〇テレワーク習熟速度は、技術系人材が圧倒的に速い。

〇多くの管理職が、「部下がさぼっていないか心配である」と感じている。

〇テレワーク未習熟の管理職層は、「業務指示とチームビルディング」に不安を感じている。

〇テレワークの導入で管理職層がより不安に感じていることに、「部下の心身の健康状態」が浮上している。

〇テレワーク導入で管理職層がよりメリットを感じているのが、「部下に自己管理習慣が身に着くこと」、「部下が無駄な業務を自発的に減らすこと」「部下の生産性向上」「部下のワーク・ライフ・バランスが改善すること」等である。

〇管理職と非管理理職の両方のやる気が向上すること。

〇テレワーク習熟者と非習熟者の2極化。

〇生産性の向上と共に、さびしさや不安が増え、つながりの希薄化が起こること。

〇テレワーク環境下で重要なスキルは「情報を伝えるための文章作成能力」「セルフマネジメント能力」。

 

●おわりに

 私自身は、情報通信産業の企業経営に関わっているから、ではなく、テレワークによって、効率が大幅に向上することを実感しております。しかし一方で、仕事上での人とのつながりが希薄になりがちだと考える人々もいることが分かりました。とはいうものの、これからも情報通信技術の高速化と高度化は、益々進むことは明白であるため、今回はくしくも感染症拡大の中でのテレワーク導入となりましたが、時代をより前へ進めるものであり、5G時代を迎え、人々の不安や孤独を払拭し、より創造的な活動につながるものであると確信しております。そして、テレワーク社会の進展は、当社の第2創業期の企業成長にとってプラスに働いていることを日々実感しております。

 

2020年5月27日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋