藤原洋のコラム -17ページ目

~新科目が2021年秋学期からスタートします!是非受講下さい!~
~8月2日に第11章・12章ビデオ収録、7月5日第1章公開ビデオ収録~

 

 SBI大学院大学は、当社の社員教育にも活用している、技術の本質の分かる経営者、経営の分かる技術者を育成する経営大学院、MBA(経営学修士)取得のための経営大学院です。当大学院は、2008年に eラーニングを基本とする学校法人として開校し、財務、会計、組織論、国際金融などの経営学科目に加えて、「人間学」と「デジタル」の習得をその特徴としています。4月1日から北尾吉孝理事長・前学長から新学長を拝命したことを記念し、新科目『DXの本質~インターネットによる全産業デジタル化~』の授業を秋学期から開始することとなりました。

 今回は、7月5日から開始したビデオ収録が15回に及び、8月に佳境を迎えたSBI大学院大学内のビデオ収録用スタジオでの収録の様子と公開講義の様子をお伝えします。

 

 

●シラバス(講義計画)は、以下の概要となっています。

授業科目名: DXの本質 ~インターネットによる全産業デジタル化~
科目区分: 戦略・マーケティング(応用
必修・選択の別: 選択
配当年次: 2年次
単位数: 2単位(学習期間1学期)
担当教員: 藤原 洋

 

1.授業の概要

 DX(デジタルトランスフォーメーション)は、「デジタル変革」と呼ばれ、「デジタル化」と「変革」の2つの要素から構成される。「デジタル化」とは、手段としてのデジタル・テクノロジーを駆使することであり、「変革」とはビジネスモデルを変換することである。本講義では、ビジネスのデジタル化に必要な「デジタル・テクノロジーの本質」とこれによってもたらされる「各産業分野にけるビジネスモデルの変革の本質」について学ぶ。インターネットの本格的普及から30年を経過した今日、産業構造は大きく変化した。本講義では、インターネットの発展経緯とこれによって起こった社会、特にビジネス環境の変化について述べた後、今起こっている技術革新の本質としてのDXについて展望する。

 

2.学習目標

 社会を変えるのはテクノロジーであるという歴史観に基づく価値判断が重要であり、そこで、次の時代を読むには、技術革新の本質を理解することが求められる。本講義では、技術革新がもたらす産業構造の変化のメカニズムを解明すると共に、現在社会にとって大きな影響を与えたインターネットをはじめとするデジタル・テクノロジーによるビジネスモデルの変革の本質を把握し、今後の社会発展の展望を描けるようになることを学習目標とする。

 

3.授業計画

第1章

・産業革命史における第4次産業革命(DX革命)の位置づけ

 産業革命史を理解するために、科学技術の本質と産業革命とは?動力革命とその推進原理、重化学工業革命とその推進原理、デジタル情報革命とその推進原理、今日の日本と世界の置かれている状況、第4の産業革命(DX革命)の必然性について述べる。その後に、経産省の提言するDXによる「2025年の崖」、DXによる持続可能な環境とエネルギー問題におけるビジネスチャンスを概観する。

 

第2章

・情報通信における技術革新と市場の変化

 DXを支える情報通信技術の革新による市場の変化を理解するために、情報通信分野における課題、ネットワークそのものの進化、こちら側に登場したWebとモバイル通信の仕組み、あちら側の変化をもたらすポータル、SNS、P2P、IoTについて述べた後、情報通信産業で進行するDXについて述べる。

 

第3章

・インターネットによるビジネス環境の変化

 DXに向うビジネス環境の変化を理解するために、インターネット・ビジネスを変えたベストエフォートの考え方、インターネットによって登場したビジネスモデルの考え方、およびインターネット・ビジネスの成長の法則について触れる。

 

第4章

・DXレポート『2025年の崖』について

 あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する動きが起きつつある。しかしながら、PoC(Proof of Concept)で終わる企業も多い。そこで、ITシステムが今後DXを実行していく上での大きな課題であることから、DXを実現していく上でのITシステムに関する現状の課題やその対応策の概要について述べる。

 

第5章

・ビジネスインフラとなったインターネットとWebとは?

 DXの基本技術としてインターネット技術について理解するために、インターネットとは?IPとは?インターネットとIPの意義について学ぶ。 また、もう1つのDXの基本技術としてのWebの基本について学ぶために、WWWと「ネットワークのこちら側」のブラウザとは?WebブラウザのためのHTMLとは?HTTPとは?について学ぶ。

 

第6章

・通信キャリア/ISP/データセンター/オンプレミス/クラウドとは?

 DXの基本としてのインターネット・ビジネスの基本を理解するために、インターネット・ビジネスとは?通信キャリアとは?ISPとは?について述べる。データセンターとクラウドについては、DXの拠点としてWebサーバーを収容するiDC(インターネット・データセンター)ビジネスについて理解するために、インターネット・インフラ事業iDCとは?iDCの市場動向、新たなiDC事業の方向性とは?について述べる。

 

第7章

・検索エンジンと広告ビジネス

 DXを推進する上で、インターネットを通じた自社製品・自社サービスへの顧客の誘導が重要である。そこで、検索エンジンのビジネスを理解するために、情報検索、メタデータとデータベース、検索エンジンについて述べる。また、インターネットによる広告について理解するために、ネット広告の標準ツール、次世代ネット広告とは?ネット広告ビジネスの進化について述べる。

 

第8章

・「インターネットメディアと広告手法」

 DXの推進には、インターネットメディアの活用が不可欠である。そこで、インターネットによるメディアビジネスを理解するために、メディアの歴史と現状、メディアのビジネスモデル、ネット広告の種類について述べる。
 次に、DX推進の鍵となるネット広告の活用法、およびその効果測定、広告を超えた企業のデジタルマーケティング戦略について述べる。

 

第9章

・企業DXの具体化シナリオ

 センサーやIoTによって現実世界で発生するあらゆる事象がデータ化されるようになり、デジタル空間(サイバー世界)を流れる膨大なデータを取得し、活用することで、新たな価値を創出することが求められる。
 そこで、如何にしてこのデジタル空間を、利益を生む源泉へと変えられるか?について述べる。すなわち、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルについて述べる。
 企業にとって不可欠な販売、すなわち、流通のDXにとっては、Eコマース・ビジネスの理解が不可欠である。そこで、Eコマース/インターネットオークションとは?Eコマースの市場規模、インターネットオークションの現状と課題について述べる。

 

第10章

・自治体DXの具体化シナリオ

 政府において「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」が決定され、目指すべきデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」が示された。このビジョンの実現のための住民に身近な行政を担う自治体、とりわけ市区町村が実行するDXの具体化施策について述べる。

 

第11章

・インフラDXの具体化シナリオ

 社会経済状況の激しい変化に対応し、インフラ分野において、データとデジタル技術を活用して、国民ニーズを基に社会資本や公共サービスを変革することが求められる。そのために業務そのものや、組織、プロセス、建設業や国土交通省の文化・風土や働き方を変革し、インフラへの国民理解を促進すると共に、安全・安心で豊かな生活を実現する動きが始まっている。本章では、そのインフラDXについて述べる。

 

第12章

・教育DXの具体化シナリオ

 教育や科学技術イノベーション、文化芸術、スポーツの各分野において、高まる新たなニーズや期待に随時機動的に応えつつ、ポスト・コロナ期のニューノーマルに的確に対応していくために必要なDXに係る取組を早急かつ一体的に推進していかなければならない局面を迎えている。本章では、教育分野におけるデジタル化に向けた取組について述べる。

 

第13章

・農業DXの具体化シナリオ

 農業従事者の高齢化や労働力不足等の課題に対応するには、農業の成長産業化を進めるために、デジタル技術(ロボット・AI・IoTなど)の活用を強力に進め、データ駆動型の農業経営を実現し、消費者ニーズに的確に応えるために価値を提供していくことが不可欠である。本章では、これを実現する農業DXについて述べる。

 

第14章

・社会におけるDX推進リーダー養成の具体化シナリオ

 企業は、既存ビジネスの効率化や対応力向上のためだけでなく、ビジネスモデルの転換、新規ビジネスの創出にデジタル技術を活用する必要がある。そのためには、社会におけるDX推進リーダーを養成する必要がある。本章では、その具体化について述べる。

 

第15章

・DXレポート『DX加速化』について

 今般、デジタル変革に対する現状への危機感を持つ我が国企業は増加しているものの、その危機感を起点に「DXの取り組みを始めている企業」と「まだ何も取り組めていない企業」に二極化しつつある。日本において、デジタル化が急務となった今、DX推進のさらなる加速化を目的とし、DXを推進する上での課題を整理しそれらへの対応策を示す。

 

 

●7月5日に開催された第1回公開講座について

 『DXの本質』という今回の講義シリーズは、全15章構成ですが、第1章についてのビデオ収録を兼ねた公開講義を7月5日に行いました。今後、MBA取得を目指されている多くのビジネスパーソンに受講して頂きました。受講者は、金融、商社、通信キャリア、製造業、起業家の皆さんで、当社の顧客企業からも参加があり、日頃の恩返しが少しはできたと感じました。また、当社は、DataセンターカンパニーからDXセンターカンパニーへのビジネスモデルの転換と次なる成長を標榜していますので、受講者の皆さんと共に歩み未来を展望する良い機会になったと思いました。

 

 

 

●おわりに

 全15章の資料作成は、この夏の土日とお盆休みで行い、大変骨が折れましたが、経営学の実践を教える当大学院の教材づくりは、体系的にDXを整理する良い機会となりました。この有意義な「夏休み」の成果を、受講生の皆さんとの交流が始まるこの秋以降、大きなチャンスとして本業にフル活用したいと考えております。

 

2021年8月25日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋