「第16回 アジア太平洋地域ITSフォーラム2018福岡」について | 藤原洋のコラム

~22年ぶりの自動運転など自動車情報システムの国際会議が日本で開催~

 

 去る5月8日から10日までの3日間、福岡で「第16回アジア太平洋地域ITSフォーラム」が、開催されました。私は、本フォーラムの日本誘致委員会から参加し、このたび実行にこぎ着けられたことに感慨深いものがありました。私の立場は、実行委員会副委員長として参画(委員長:中尾元西鉄副社長、副委員長:二橋トヨタ九州会長、安浦九州大学副学長、私の3名)し、プログラムの作成、講演者への依頼、イベント運営など全般に亘ってお手伝いさせて頂きました。


 初日は、中尾委員長のご挨拶、高島福岡市長のご挨拶(写真参照)、坂井総務副大臣のご挨拶、小川福岡県知事のご挨拶、天野ITSジャパン専務理事のご挨拶とアジアITS各国代表の登壇がありました(写真参照)。基調講演として小川知事、山本トヨタ自動車常務(写真参照)、米Ygomi社のRessel Shield会長(写真参照)、中国Huawei Technologies, LTE-product Line PresidentのVeni Shone氏、インドネシアのBlue Bird Goup Holding社長のNoni Purnomo氏(写真参照)が登壇されました。


 2日目は、世界の高度交通情報システムの各国の展開例が紹介されました。台北、シンガポール、オーストラリア・クイーンズランド州政府、アジア開発銀行などから先進的な取り組みについての発表が印象的でした。


 3日目は、私が登壇し(写真参照)、パネルディスカッションのモデレータを務めました。ここでは、以下のような内容について議論しました。シェアリング、コネクティッド、EV(Electric Vehicle、電気自動車)の3つの潮流がこれまでの自動車産業を急速に変化させようとしています。2021年には新車のうち80%以上がコネクティッドカーになるという予測もあります。またインターネット技術発展の恩恵を受け、バスや電車など公共交通もコネクティッドカー化していきます。本セッションでは、IoT、AIを駆使したV2X(車車間通信、車路間通信技術)ビジネスを先導するAuto Talks社とニューヨークなどライドシェアなどのOSを提供するVia社に6つずつ質問しました。インターネットの視点から、次世代のITSに対する展望について議論しました。(モデレータ: 藤原 洋, 株式会社ブロードバンドタワー代表取締役会長兼社長 CEO/スピーカー: Ram Shallom, Vice President, Business Development and Marketing APAC Autotalks, Israel/スピーカー: Yuta Iguchi, Partner - Million Steps, Via Representative in Japan)。

 今回のフォーラムを通じて、いよいよ、ITS (Intelligent Transportation System)が、自動車交通をより便利に、より安全に、より環境と調和するものにしていくために必須のものとなってきた印象を受けました。私、イスラエルを代表し米国で活躍している自動運転技術とライドシェア企業のAutoTalks社、Via社のパネルディスカッションは有意義なものでした。特に、V2X(車車間・車道路間・車歩行者間・車信号機間通信)に関する技術・市場動向、ライドシェアに関する技術・市場動向は、自動車に関する世界の最先端サービスに関わるもので白熱した議論を交わすことができました。


 最後に、本フォーラムを総括すると、参加者は、前年の香港大会の400人に対して、今回の福岡大会は、3500人を超えました。実行副委員長として大変嬉しく思いました。また、今回の参画を通じて、当社グループの事業もいよいよコネクテッドカー等自動車産業のデジタル化に関わる仕事が増えて来そうな気配を感じました。

 

http://www.itsap-fukuoka.jp/japan/

 

 

平成30年5月28日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋