Sea Breeze Season8 -67ページ目

酒の力とは言っても

7月も半ばを過ぎ、梅雨が明けた頃の週末。


男6人女2人のグループ。


そのうち1組は夫婦らしい。


朝から来ていたそのグループ。


はじめはみんなで飲んでいたが、


そのうち好き勝手に行動しはじめた。


海に入る者。


飲んでいる者。


スポーツ新聞を読んでいる者。
(意外と競馬の予想をしているお客さんは多い)


その中のひとりがビーチに出て行った。


海に入るのかと思ったら、向かった先は二人組の女の子のところ。


女の子というより大人の女という雰囲気。


この二人もうちのお客さんだ。


二人とも黒髪のロングヘアーで見事なプロポーションをしている。


後ろ姿を見ていると、


どんな美人なんだろうと思うくらい素敵なお姉さま方だ。


男はパラソルの下に座っているその後ろ姿に声をかけた。


が、正面に回って二言三言話したら、さっさと戻ってきてしまった。


「ふざけんなよ!


といいながら。



知らない人が見たら、さえない男がお姉さま方に軽くあしらわれたように見えただろう。


理由はわかっていた。


男が引いてしまったのだ。

とにかくこのお姉さま方のメイクが派手なのだ。


そこまでするかというくらいド派手で賑やかな顔に仕上がっている。


腰ミノを巻いてハワイアンダンスを踊ったら似合いそうだ。


文句を言いながら戻ってきた男は、仲間と飲み始めた。


やけ酒ぎみに。


朝、来たときはこの男だけはそれほどビールも飲まず静かにしていた。


が、今はガンガン飲んでいる。


酔った勢いでまたフラフラと出て行った。


今度は酒の力を借りてナンパしようというのだろう。


でも泥酔している男に声をかけられて喜ぶ女の子などまずいない。


この後も何人かに声をかけていたが、


1人もモノにできなかった。


当然だ。


その間に、このグループも、


一人減り、


二人減り、


残ったのは、この男とあと二人だけ。


酔っぱらいを連れて帰る役目らしい。


結局、海に入ることもなく、ただ泥酔しにきたこの男は、


連れの二人に両脇を抱えられて運ばれるように帰って行った。


酒の力も景気付けにはいいが、飲み過ぎては何の力も発揮しないということだ。

外人さん

ここは米海軍基地が近くにあるので、外人客が来ることも少なくない。


この日もそういうお客さんが休憩に立ち寄った。


8月も半ばの土曜日。


お客さんも帰り始める夕方近く。


軍人風の体格のいいおじさん。


テーブル席を指して、


「スワッテモイイデスカ?」


と、聞いてきたので席を勧めた。


日本語はカタコト程度では話せるのだが、かなり英語が混じっている。


読むほうはもっと苦手なようなので、メニューをひとつひとつ説明した。


注文は、フランクフルトといかの丸焼き。


それに、ジョッキで生ビール。


海を見ながらビールを飲んでいる。


やがてジョッキはカラに。

多分、もう1杯生ビールを注文するだろう。


すると予想通りジョッキを持ってこっちを向き、


「ヘイ、マスター!」


と言った。


よくおじさん達からは、お兄ちゃんとか兄ちゃん、

若い人なら、お兄さん、

とは呼ばれることは多いが、


「マスター」と呼ばれたのは初めてだ。

バーベキュー

8月13日


お盆休み初日の土曜日。


お客さんが帰ったあとの海の家を貸し切って、


恒例のバイトのお疲れ様会を兼ねたバーベキューを行なった。


メンバーは現役のバイトとバイトOB。


女の子のバイトは友達まで連れてきた。


OBに声をかければ、野菜や魚介類は無償で手に入る。

OBの中には農業や漁業をやってる家もあるのだ。


調理道具や調味料は海の家の調理場にある。


バーベキューの道具も炭も海の家に揃っている。


自分たちで買うものと言えば、肉、飲み物、焼きそば、その他足りない食材を少々。


雨が降っても屋根があるから濡れる心配はない、飲み過ぎても寝る場所はいくらでもある。


電気も水道もOKだ。


こういう時、夜の海の家ほど便利な場所はない。


そこを使えるのも特権だ。

バイト達もこういうバーベキューは初めての経験で大盛り上がりだった。


この日は流星群の見える日で、みんなで見ようと言っていたが、


あいにくの曇り空で見えなかった。


でも、その頃にはただのヨッバライの集まりになってので、誰もそんなことは覚えていない。


特にバイト達はテンション上がりまくりだった。


奇声をあげて砂浜を走り回るもの。


いつ準備したのか花火を始めるもの。


相変わらず飲んでいるもの。


ひとりで焼いて食べているもの。


酔って寝ているもの。


もうみんな自由だ。


こうなるまでには、かなり大騒ぎをしたのだが、その乱れっぶりは伏せておくとして、


こうして5時から10時頃まで、約5時間におよぶバーベキューは幕を閉じた。


因みに、


今回も男女合わせて14~15人いたが、かかった費用は25,000円程度。


一人2,000円もかかっていない。


毎回女の子は無料。


それでも安上がりだ。


これも海の家ならではの楽しみ方。


夏の夜の楽しいひとときだ。