掃除屋社長の日常や雑感をつづるブログ

たまには役に立つ内容があるかもしれません

 

 

 

会社を経営していると、「忙しい」という言葉をよく使います。

「今月は忙しい。」

「人が足りないくらい忙しい。」

「仕事が多すぎて回らない。」

仕事がないよりは、忙しい方が安心します。

 

 

朝から動き回っている。

電話もよく鳴る。

予定表も仕事で埋まっている。

社長自身もあちこち走り回っている。

 

 

 

こういう状態を見ると、

「うちも仕事が増えたな。」

と思います。

ところが、月末になって数字を見る。

あれだけ忙しかったのに、

なぜか思ったほど利益が残っていない。

こんなことがあります。

 

 

 

 

私も長く会社をやっていると、

「忙しい=儲かっている」ではない

ということはよく分かります。

むしろ忙しすぎる時ほど、一度立ち止まって数字を見た方がいい場合があります。

 

 

 

例えば、清掃の仕事で考えてみます。

一日に5件の現場を回っている。

朝から夕方まで予定はびっしりです。

社員も忙しい。

車も走りっぱなし。

一見すると、かなり仕事をしている会社です。

 

 

 

でも中身を見ると、

現場から現場への移動に時間がかかっている。

小さな仕事が多い。

単価が低い。

駐車料金がかかる。

資材費もかかる。

現場ごとに報告書を作る。

請求書も細かく分かれる。

こうなると、売上以上に手間が増えていることがあります。

 

 

 

一方で、一日一つの現場だけ。

朝から夕方まで同じ場所で仕事をする。

移動もほとんどない。

売上は先ほどより少ない。

でも利益はこちらの方が残る。

こんなことも普通にあります。

 

 

つまり、見るべきなのは仕事の量ではありません。

「その忙しさが、どれだけ利益につながっているか。」

です。

忙しさには、大きく分けると二種類あるように思います。

一つは、

利益を生む忙しさ。

 

 

 

もう一つは、

利益を生まない忙しさ。

利益を生む忙しさなら、多少忙しくても問題ありません。

受注が増えている。

適正価格で仕事が取れている。

生産性も高い。

社員一人当たりの売上や利益も増えている。

これは良い忙しさです。

 

 

 

問題なのは、利益を生まない忙しさです。

やり直し。

クレーム対応。

移動。

待ち時間。

社内確認。

何度も同じことを入力する事務作業。

連絡不足による確認電話。

急な人員調整。

ミスによる再訪問。

これらも全部「忙しい」には含まれます。

 

 

 

社員からすると、一日中仕事をしています。

でも会社から見ると、ほとんど売上を生んでいない時間もあります。

少し厳しい言い方をすれば、

忙しいのではなく、無駄な作業が多いだけ

ということもあります。

 

 

 

これは経営者自身にも言えます。

朝からメールを見る。

電話する。

社員から相談される。

見積りを作る。

現場へ行く。

銀行へ行く。

また電話が鳴る。

帰って請求書を確認する。

気付けば夜。

「今日もよく働いた。」

となります。

 

 

 

私もそんな日はあります。

でも家に帰ってから考えてみると、

「今日、会社を良くする仕事を何かしただろうか。」

と思うことがあります。

 

 

 

電話に対応した。

問題を処理した。

急ぎの仕事を片付けた。

確かに仕事はしています。

 

 

 

でも、

新しい仕組みを作ったわけではない。

利益率を改善したわけでもない。

営業の仕組みを考えたわけでもない。

社員が楽になる方法を考えたわけでもない。

ただ目の前の仕事を処理して一日が終わった。

これは経営者にとって少し怖い状態です。

 

 

 

忙しさは、仕事をした気にさせてくれるからです。

予定がびっしり入っていると安心します。

逆に予定が空いていると、

「こんなに暇で大丈夫かな。」

と思います。

 

 

 

でも経営者の場合、その空いた時間で考えることも仕事です。

利益率を確認する。

価格を見直す。

仕事の流れを変える。

新しいサービスを考える。

採用について考える。

社員に任せられる仕事を探す。

こういう時間は、見た目には何もしていないように見えます。

 

 

 

机に座ってコーヒーを飲んでいるだけに見えるかもしれません。

でも、その一時間で会社の仕組みが変われば、社員全員の何百時間を減らせる可能性があります。

経営者まで毎日予定をパンパンにしてしまうと、こうした時間がなくなります。

 

 

 

だから私は、

経営者には少しくらい暇な時間があった方がいい

と思っています。

もちろん、本当に何もしないという意味ではありません。

会社全体を見る余白です。

現場に入っている時は、その現場しか見えません。

電話対応をしている時は、その電話のことしか考えられません。

 

 

 

目の前の仕事から少し離れて初めて、

「あれ、この作業って本当に必要なのかな。」

と気付くことがあります。

会社全体も同じです。

社員が忙しそうだから人を増やす。

これも少し注意が必要です。

本当に仕事量が増えているなら、人を増やす必要があります。

 

 

 

でも、その前に、

「なぜ忙しいのか。」

を見た方がいい。

無駄な作業が多い。

移動が多い。

二重入力している。

段取りが悪い。

仕事が特定の人に集中している。

そもそも利益の出ない仕事をたくさん抱えている。

こういう状態で人を増やすとどうなるでしょうか。

無駄をする人まで増えてしまいます。

 

 

 

人件費だけ増えて、利益はさらに減る。

これは避けたいところです。

だから、

「忙しいから採用しよう。」

の前に、

「この忙しさは、本当に必要な忙しさなのか。」

を考える。

これは結構大切だと思います。

 

 

 

会社が成長すると、仕事は増えます。

社員も増えます。

管理業務も増えます。

何もしなければ、会社はどんどん忙しくなります。

だから経営者は、仕事を増やすだけではなく、

仕事を減らすことも考えなければならない。

 

 

 

前回書いた、利益の低い仕事をやめることもその一つです。

無駄な会議をやめる。

不要な報告書をやめる。

二重入力をやめる。

社長への細かい確認を減らす。

移動の多い仕事を見直す。

機械やシステムを使う。

一つ一つは小さなことです。

 

 

 

でも社員10人が毎日10分無駄な仕事をしていれば、一日100分です。

年間で考えれば、かなりの時間になります。

その時間にも給与は発生しています。

つまり、

時間の無駄は、そのまま会社のお金の無駄

でもあります。

 

 

 

売上を増やすことは大切です。

でも、売上を増やす前に、

今の会社の中に無駄な忙しさがないか。

一度探してみる。

もしかすると、新しい仕事を一件取るより、そちらの方が利益が増えるかもしれません。

社員が忙しい。

社長も忙しい。

予定表もいっぱい。

それだけで安心しない。

会社経営で大切なのは、

どれだけ忙しかったかではなく、忙しくした結果、何が残ったか。

だと思います。

 

 

 

利益が残った。

現金が残った。

仕組みが残った。

社員が育った。

お客様との関係が残った。

次につながる何かが残った。

そういう忙しさなら意味があります。

 

 

 

でも、一日中走り回って、

「今日も忙しかったな。」

だけで終わる日が続いているなら、一度その忙しさの中身を疑ってみる。

会社が暇になることを怖がるより、

利益を生まない忙しさを怖がる。

経営者には、そんな感覚も必要なのではないでしょうか。

 

 

 

Vol.481

 

 

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ではまた次回お楽しみに

 

 

 

 

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