掃除屋社長の日常や雑感をつづるブログ

たまには役に立つ内容があるかもしれません

 

「本当は使いたくないんだけどね」

劇薬を使う現場で、よく聞く言葉です。
危険だということは、使う本人が一番分かっている。

それでも使われる。
それは、技術がないからではありません。

 

 

現場で劇薬が選ばれる理由は、単純です。

  • 早い

  • 確実に落ちる

時間をかけて、
何工程にも分けて、
安全を確認しながら進めるよりも、

「一発で終わる」選択肢が、目の前にある。

 

 

単価が低い。
時間がない。
次の現場が詰まっている。

そういう条件が揃ったとき、
劇薬は“技術の代わり”として使われ始めます。

 

 

誤解されがちですが、
劇薬を使っている人ほど、
実は技術を持っていることが多い。

 

 

素材の特性も分かっている。
薬剤の危険性も理解している。
本来の手順も知っている。

だからこそ、
「これなら大丈夫だろう」という判断ができてしまう。

 

 

問題は、
その判断が、価格と時間に引っ張られていること。

 

本来なら、

  • 2名で

  • 換気を確保し

  • 防護具を着用し

  • 時間をかけて

やるべき作業。




でも現実は、

  • 1名

  • 換気は最低限

  • 防護具は簡略化

  • できるだけ短時間

ここまで削った状態で、最後に選ばれるのが劇薬。

つまり、
劇薬そのものが危険なのではなく、
そこに至るまでに削られた工程が危険なのです。

 

 

劇薬は、慣れる。

最初は、

  • 手袋を二重にする

  • 目に入らないように気をつける

  • 周囲を気にする

でも、
問題なく終わると、次から少しずつ省略される。

  • 今日は一重でいいか

  • ちょっとくらい大丈夫だろう

  • 急いでるし

こうして、
危険な作業が“日常”になる。

事故が起きたときには、
もう誰も「おかしい」と思えなくなっている。

 

もう一つ見逃せないのが、
技術が蓄積されなくなるという問題。

  • なぜ落ちたのか

  • どこが効いたのか

  • どの工程が重要だったのか

こうした感覚は、
工程を踏んで初めて身につくものです。

劇薬で一気に終わらせる現場では、
この“考える時間”が存在しない。

 

 

結果として、
技術は磨かれず、
「劇薬がないと仕事ができない」状態になる。

 

ここまで来ると、問題ははっきりします。

  • 危険だと分かっている

  • 技術もある

  • でも、選ばないと回らない

この状態を作っているのは、
個人の意識ではなく、構造です。

安い価格。
短い時間。
無理なスケジュール。

 

 

これらが重なると、
安全な選択肢が“現実的でなくなる”。

 

道具は、
楽をするためのものではありません。

判断を安全側に寄せるための装備なんです。

 

 

Vol.283

 

 

 

 

 

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ではまた次回お楽しみに

 

 

 

 

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