数年前の記事で恐縮ですが
太陽光発電世界1位——ドイツのソーラー事情
以下記事引用(2009年の記事)******************************************************************
(前略)ドイツの再生可能エネルギーは着実に開発が進んでおり、2007年にはドイツ国内全エネルギー消費(電力・熱・動力の合計)の8.6%を占めるに至っている。1998年に比べ、2.8倍という急成長ぶりだ。
EEG(再生可能エネルギー法)で買い取り価格が手厚く保証されているため、特に電力に占める再生可能エネルギーの割合は1998年に4.8%だったものが2007年には14.2%と、顕著な伸びを示している。「2030年までに50%」というドイツの目標は決して夢ではない。
中でも太陽光発電の勢いは驚異的だ。発電能力・発電量とも急上昇を続けており、ドイツは今や押しも押されぬ世界1位の太陽光発電大国である。ドイツを含めた欧州域内の旺盛な需要を背景に、太陽電池生産は年率50%のペースで増えており、経済危機の中でも成長産業として有望視されている。
しかし、ドイツは日射量が少なく、必ずしも発電条件には恵まれていない。EEGのおかげで何とか経済的に成り立ってはいるものの、冬の日照時間は9時ころから15時ころまでと短く、曇天も多い。太陽光発電推進派の中には「すべての住宅の屋根に太陽電池を設置すれば国内電力需要を100%カバーできる」という意見もあるが、実現の可能性は ない。すべての屋根が太陽光発電に適しているわけではなく、悪条件の場所に太陽電池を設置するくらいなら費用対効果の高い風力発電に出資する方が得になる からだ。
それでもドイツの太陽光発電が今後とも伸びると予測されるのは、工場の屋根、スポーツ施設の屋根といった大型太陽光発電の開発が見込めることによる。
例えばドイツで初めて大型太陽電池を設置したフライブルク市のサッカースタジアムは、太陽光発電のシンボル的存在として知られる。
加えて市民協会が主体となり、市民出資を募って建設された点でも特筆に値し、「環境保全のために何かしたい」という市民の熱い想いを集めて実現した記念碑的な設備である(1995年の設置第1期はEEG制定前なので、財政的には苦しかったはずである)。
古城で世界的に有名な観光都市ハイデルベルクのソーラーボートプロジェクトもユニークだ。
旧市街地の脇を流れるネッカー川には観光船が多数運行しているが、中でも独特のデザインで目を引くのが全長25メートル、重量41トン、定員110 人のソーラーボートだ。その名の通り太陽光発電で航行する電動船(バッテリー搭載)で、イルツホーファー船長兼オーナーによれば世界最大のソーラーボート だという。太陽電池だけで1日6回(計300分)の遊覧航行の電力をまかなえないので一部は一般電力を使っているが、それでも70%は自家発電というから なかなかの自給率だ。このソーラーボートは新しいアトラクション、そして再生可能エネルギー利用の象徴として環境都市でもあるハイデルベルク市が計画し、船主を募集し た事業である。船体には高価だが腐食しないステンレスを用いているため塗装を施す必要がなく、省資源仕様でもある(建造費は約100万ユーロと割高)。
観光と環境の目玉として導入されたこのソーラーボートはエンジンの騒音と振動が全くなく、まるで滑るように水面を進む。「太陽光って人と自然に優しいエネルギーなんだ!」、そう実感させてくれる素敵な乗り物である。
今から2年前の記事ですから、今はさらに太陽光発電の率は上がっているようです。ここで出てくるEEG(再生可能エネルギー法)は、太陽光発電や風力発電などで得られた電力は、高い値段で買い取るという法律で、各家庭や企業などで競って太陽光発電パネルなどを設置し売っていた訳です。もちろんその予算は行政が負うわけなので、その予算が負担になっているということも言われているみたいです。
ただ、政府が主体的かつ積極的に再生可能エネルギーの普及に取り組んだ結果、目標を上回る成果を得ていることも事実です。
また、再生可能エネルギーがシェアを獲得した結果、原子力発電のシェアが落ちているので、CO2の抑制に繋がっていないという批判もあるらしいのですが、原子力発電のシェアを再生可能エネルギーが奪うという構図は、まさに日本が目指すところと一致していると思います。
なんといっても勇気づけられるのが、ドイツはこれでも日照時間が短い国であるということです。日本は全体の緯度がドイツよりも南になります(ベルリン北緯約52度、東京35度、札幌43度)
また、海洋国家でもある日本は、海上の風力発電などでも有利です。事実茨城沖での海上風力発電では、充分な成果を上げています。以前取り上げた木質バイオマスも、充分な環境が整っている国であると思います。
つまり、政府の取り組み方次第では、脱原発と炭酸ガス抑制の両方に成果を上げることが出来ると思います。
ドイツでの行方を指をくわえて見守っていろという、産經新聞の記事に対してはやはり反発を憶えます。出来うる限りの努力を、この日本で行わないでどうするんでしょうか。